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  大臣会見要旨(平成18年9月26日)
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平成18年9月26日(火)
09:37〜10:05
国土交通省会見室

 

   

閣議・閣僚懇

 本日の閣議は、一般案件が2件です。小泉内閣の総辞職が決定になりました。私からは特にございません。この2年間、皆様には大変お世話になりました。心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。


質疑応答

 
(問) 大臣2年間どうもお疲れ様でした。この2年間、耐震偽造それから三菱ふそうとさまざまな事故等があったと思いますが、振り返ってみて成果として御自身で1つあえて挙げるとしたら何があるでしょうか。
(答) 1つと言われると本当に困るのですが。
 
(問) では、1つではなくいくつかということで。
(答) この2年間、災害も大変多くありました。また、大きな公共交通に係る事故もありました。更には耐震偽装事件もありましたし、そういう意味ではこの2年間で1つを挙げろといいますと、国土の又は私達社会の安全を確保していくためにこの2年間奮闘したと思っています。災害は我が国では避けては通れないわけです。地理的・地形的にもこれまでの歴史上をみても災害の多い日本、だからこそ災害に強い国土づくりをしっかりと進めていく必要がある。これには終わりはないと思いますが、これまで先人の方々が努めてきた、この治山・治水という言葉に代表されるような災害に強い国土づくり、これについてはハード面ソフト面含めまして前に進めることが出来たのではないかと思っています。これをしっかりとフォローアップしていかなければならないと思っています。また、公共交通の問題につきましても福知山線の脱線事故、昨年の4月25日ですけれども107名の方がお亡くなりになりました。公共交通というのは何よりも安全確保が最優先です。そのことを事業者の方々、私ども行政も含めまして安全確保が1番の使命と、1番の役割ということを制度的にもまた行政の様々なあり方についても見直しをさせていただいたとに思っております。特に運輸安全法についてはこの通常国会で通させていただいて、10月1日から施行になります。しっかりとフォローアップしていかなければならないと思っています。姉歯事件については、まだ終わっておりませんが、通常国会で建築基準法等の改正をさせていただきました。今日から始まる国会では、建築士法等について見直しさせていただきたいと思っています。更には消費者保護の制度仕組みついても検討をしているところです。建築行政や建築・販売する側の信頼を取り戻すべく取り組みをしてきたと思っているところです。いろいろと申し上げましたが、国土交通省というのはやはり危機管理官庁です。予想もしない、想定もしていないことが、これからも起こってくるのだろうと思うのです。そういう時に政府の中で、国土交通省が危機管理官庁としてしっかり対応していくということが大事だと思っております。そういう対応もこの2年間危機管理対応ということで進めさせていただいたと思っているところです。
 
(問) 大臣が今仰ったように、国土交通省はかなり突発的な事故、災害が多かったと思うのですが、そういう中で振り返ってみて、もう少し御自身として腰を据えてやりたかった、また時間をかけてやりたかったという課題で、ちょっとやり残したなというのは何があるのでしょうか。
(答) この2年間精一杯やらせていただいたと思っております。悔いはありません。ただ、先程から申し上げておりますように、しっかりフォローアップをしなければいけないことがあるわけでして。例えば大きな災害や事故の直後は、皆さんを含め、非常に意識が高いわけです。1年2年経ちますと、だんだん意識が下がってくるのです。そうならないように、特に行政側はそうあってはならないわけでして、しっかりと様々な対策を取りまとめたわけですから、それをしっかりとフォローアップをしていくということが肝要だというように思っております。
 
(問) 昨日公明党の神崎代表と太田幹事長代行、それから自民党の安倍総裁が会われて、連立政権を今後も組んでいくことを改めて確認したわけなのですけれども、大臣、この2年間を振り返りまして、公明党出身の大臣だからこそできたこと、それと今後の安倍政権の中で公明党が果たしていく役割について、改めてお考えがありましたら伺いたいのですが。
(答) 1つはこの間も申し上げましたけれど、特に東アジアとの交流の拡大、人の流れも物流も含めて、東アジアの大交流時代に入っていると思うのです。政治的に日中間であれ、日韓間であれ、そうした交流拡大に向けての障害になっているものをしっかり取り除いていくという努力をすることが、まさしく我が国の国益に合致することであって、また我が国の競争力を維持していくためにも重要なことだというように考えておりました。そういう観点から、観光面でも物流面でも、さらにはハードにわたる空港や港湾の整備の問題にせよ、交流の拡大、また円滑化に向けての取組みは、この2年間精一杯やらせていただいたというように思っております。なかなか日中間、日韓間の首脳会談ができない環境の下で、私自身は精一杯日中、日韓等の関係大臣の間で何度も会談をさせていただき、私自身も中国や韓国に出向き、また中国や韓国の関係大臣も日本に何度も来ていただいて、そういう意味では東アジア外交ということを、国土交通大臣という立場ではしっかりさせていただいたのではないかというように思っているところです。あともう1点申し上げますと、我が国の社会というのは大きな転換期にあります。だからこそ構造改革が必要なのですが、その転換の大きな要因の一つとして人口減少、それから、本格的な高齢化という問題があると思います。そういう意味でこれからの国土のあり方とまちづくりのありようについても根本的に転換をしなければいけないと思っておりましたが、そういう中で、もう街を拡大するのではなくて既存ストックをリニューアル、再生していくということを重要視したまちづくり三法の見直しであるとか、新しいバリアフリー法の制定をさせていただくであるとか、それから住生活基本法を判定させていただき、長年の課題であった住宅政策の基本的な政策、考え方を大きく転換をさせていただくということもさせていただいたわけであります。また、これからちょうど国土形成計画が立案されていきます。各圏域においても広域地方計画が作られていくわけでありまして、そういう中でしっかりとこれからの大きな時代の変化に相応しい国土づくりをしていかなければならないと思いますが、こうした方向についても私はこの2年間で大きく変えさせていただいたと思っているところでありまして、今申し上げたことについては、公明党出身の閣僚だからより前に進めることができたのではないかというように思っているところであります。
 先般も申し上げましたが、今後、改革は勿論進めていく必要がありますが、一つは安全・安心の国土づくりという観点では単に市場主義だけではいけない側面があると思うのです。安全というものは。それはやはりしっかりと政府が関与していかなくてはいけない分野ではないかと、この2年間を通じていろいろなことがありましたので私は痛感をしております。これを是非次の内閣においても銘記をしていただきたいと思います。もう一つは東アジア外交、やはり首脳会談を早く日中間、日韓間で開催することが我が国の進路に非常に大事なことだというように思っておりますので、これは私が党に戻りましても、しっかり新しい内閣に求めていきたいと思っています。
 
(問) 道路公団が昨年10月に民営化されてまもなく1年になりますけれども、約40兆円という債務を45年間かけて返済するというスキームも始まったばかりでありますけれども 、この1年間を振り返りまして大臣はどのように総括といいますか、評価されますでしょうか。
(答) 道路公団民営化の問題につきましては、私が2年前に就任する以前に制度改正、法律の改正がなされておりました。私の役割は、この2年間でこの道路公団民営化について法律、制度の趣旨に沿って着実に実施をしていく、円滑に推進していくということでありました。昨年10月に民営化がスタートしましたが、今年4月に機構との間で各会社が合意を交わし、本格的な民営化のスタートを切ったのだと私は思っています。様々な課題があると思います。もっと民営化のメリットを示していかないといけないというように思っています。それは料金面でもそうですし、またコスト面においてももっと知恵を出せるところがあるというように思っていますが、そうは言っても、まだ本格的な民営化がスタートしてそんなに経ってないわけでして、これから是非民営化の成果というのを目に見える形で国民に示していただきたいというように思っています。国民の方々が、利用者の方々が、民営化になって良かったなと思っていただけるような。それは、料金の問題もあるでしょう、確実な債務償還ということもあるでしょう。さらには、経営そのものを透明化していくということもあると思います。そうした民営化のメリット、利点というものをしっかりと発揮していただきたいというように思っています。これからも、党の側に戻っても、私なりにしっかりと注文していきたいと思っています。
 
(問) 大臣が先ほど仰られたように、この2年間は、やはり公共交通機関による大事故、トラブルが相次いだと思います。10月1日からは運輸安全法が施行されますが、大臣御自身はこういった事故やトラブルが多発した背景にはどういうものがあるとお考えですか。また今後、公共交通機関を監督、指導する国交省のあり方、どういう形、あるべき姿が求められるというようにお考えでしょうか。
(答) これはなかなか難しい御質問なのですけれども、先ほど少し申し上げたように、やはり公共交通については、利便性だとか、事業者そのものの経営の収益を上げていくという側面があります。もちろんそれも大切なことなのですけれども、何よりも運輸の安全を確保していくと、それを最優先にしていくということが、事業者の側も、私ども行政の側も、一番大事なことだと思うのです。それは言葉としては当たり前の話ではないかということなのですが、やはり現実には、例えば事業者の側は、こうした競争が激しい時代に収益性をいかに確保するか、コストをいかに削減するか、これは当然なのですが、そういうことに経営者の方々が、トップの方々が、どうしてもそちらの方にばかり意識がいってしまう。行政の側も、経営の安定をいかに確保していただくかと、利便性をいかに確保していくか、いかに円滑化していくか、こういうことに目が向いているきらいが無かったのかというと、そこは私はよく自戒をしないといけないと思うのです。これはやはり、経営者の方々から現場の方々まで、そして行政サイドの側も、安全の確保ということを最優先にした取組みをしていかなければならないと思います。
 
(問) 今、公明党として冬柴幹事長の入閣を要請されているという事実がありますが、大臣から見て冬柴さんはどういった方かと。党幹部としての力量など。今後、行政手腕が見極められると思うのですが、どんな方だと見ておられますか。
(答) 私も冬柴さんとは長いお付き合いで、同じ弁護士出身の議員ということもあって、昔からよく知っていますが、非常に有能な方だと思います。どの閣僚になられるのか分かりませんけれども、どのポストに就いてもきちんとした仕事ができる方だということは間違いないと思っています。お人柄も非常にいい方です。年の割には大変元気ですし、身体はどこも悪くないんじゃないでしょうか。本当によく動きますし、エネルギッシュですし、非常にお元気で、私はどのポストに就かれようがしっかり責任を果たしていただけるのではないかなと思っています。
 
(問) 質問とはちょっと違うのかもしれませんが、JR福知山線の事故、耐震偽装、その他いろいろありましたけれども、これまでと少し違って、情報開示が非常に進んだというように感じていまして、我々にとっても非常に考えさせられることもあったと思うのです。これはある意味、大臣の御意志というかリーダーシップがあったのではと感じているのですけれども、こういう情報開示が決して逆戻りすることがあってはならないと思いますけれども、それについて与党の要職に就かれる方として、是非目を光らせていっていただきたいのですが、どのようにお考えになるか、一言教えていただけますでしょうか。
(答) これは行政側も事業者側もそうだと私は思います。危機管理のポイントは幾つかあると思うのですが、初動対応をしっかりと適切に行うとともに、情報を隠さない、ともかく開示していく、もちろん不正確な情報を曖昧に出しては駄目ですが、情報をきちんと開示していくというのが、私は危機管理の要だと思います。また、情報を開示することによって、利用者の方、消費者の方から監視をされるわけです。行政が何でもかんでも全てを監視をしていくのは無理です。それは行政の職員をどんどん増やしていけば別ですけれども、そうしてもやはり限界があると思うのです。そういう意味では情報をしっかり開示して、そして国民の皆様、利用者の皆様の批判をしっかりと受けていくというような姿勢をとることが、私はこれからの安全性の確保という観点からも、非常に大事なポイントである、また危機管理対応ということでも非常に大事な対応であるということを思っていまして、それは行政としてもそういう取組みをできるだけさせていただきましたし、事業者側に対してもしっかり情報開示するようにということは様々な事業者に対して言ってきたつもりです。党側に戻りましても、今仰ったように後戻りがないようにしっかり私自身も見ていきたいと思います。
 
(問) どなたが来られるかというのは、まだ決まっていませんけれども、後任の大臣の方にどんなことをアドバイスして差し上げたいですか。
(答) 一つは危機管理官庁だということで初動対応が極めて大事です。そういう意味で緊張感を常に持っていただかないといけないわけでね、国土交通省の大臣になる以上は。そこのところを是非お願いしたいと思います。もう一つ国土交通省の特徴というものは、現場官庁であるということです。霞が関の仕事ももちろん大事ですが、全国あちこちに全て出先の現場があるわけです。それは海保、気象庁などを含めて、整備局、運輸局だけではなくて、そういう意味では現場の官庁ですので、霞が関で国会での対応、官僚の方々とのやり取りだけではなかなか見えない部分が国土交通省の場合には沢山あると思います。そういう意味で現場官庁ですので、現場に足を運ぶということを是非していただきたいなというように思っています。
 
(問) 国交省を離れるに当たりまして、お気持ちとして名残惜しいのか、それともこの2年間かなり激務だったのでほっとされているのか、心境をお聞かせください。
(答) この2年間務めさせていただいて、本当に自分自身は精一杯やらせていただいたという満足感があります。もちろん課題がないかといえばあるわけですが、この2年間精一杯務めさせていただいたと思っていますので、いわゆる心残りのようなものはありません。ほっとしたのかというと、ほっとしたとも言えるのかな。直ぐに次の仕事が待っていまして、ほっとする暇もないのかなとも思っていますが。非常に大変な2年間でありましたけれども、私にとりましては、これからの政治活動をしていくに当たっても、非常に貴重な経験をさせていただいたなと、かけがえのない経験をさせていただいたなというように思っています。是非この2年間で学んだこと、知ったことを糧にしてこれからもしっかり頑張っていきたいなというように思っています。
 
(問) そうしましたら、もう1回やってくれと仮に言われたとしたらもう結構だと。
(答) それはないと思います。先程から申し上げているとおり、この2年間精一杯やらせていただいて、ある種の満足感はあります。ただ、これからも、この2年間で得たものを糧にして、違う立場になりますがしっかりと頑張らせていただきたい、国家、国民のために働かせていただきたいと思っています。
 


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