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  冬柴大臣会見要旨(平成18年9月29日)
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平成18年9月29日(金)
9:42〜10:05
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

 おはようございます。本日の閣議は、一般案件4件、国会提出案件1件でありました。本日の総理の所信表明演説案の確定等が議題でした。その後、閣僚懇で拉致問題対策本部が今日設置されました。総理から「私を本部長とし、全閣僚が参加する拉致問題対策本部を設置することとしました。政府一体となった取組みを推進していきますのでよろしく」という御発言がございました。その他に我が省に関係ある発言は私からもありませんけれども、労働力調査結果で2ヶ月連続4.1パーセントの完全失業率で、低い水準で推移しているということでありました。消費者物価指数については、0.4パーセントの上昇ということです。有効求人倍率は、1.08ということで厳しさは残りますけれども、改善が進んでいるという御発言がありました。その他、9月30日をもってクールビズは終了しますということで、御協力ありがとうございましたということでした。大体以上のようなことです。


質疑応答

 
(問) 10月1日に運輸安全法が施行になります。公共交通の安全確保に向けて、事業者にどのようなことを期待するか、改めてお願いします。
(答) これは法律に規定されているとおりですけれども、陸海空の運輸業者からそれぞれ、安全管理のための体制、その内部の規程等を定めていただく、提出していただく。それから、役員クラスの人ですけれども、安全管理の統括責任者を定めて、こちらに提出を頂くということであります。それを我が方で、それで良いのかどうかを評価をするということです。その内容とするところは、経営トップから現場に至るまで安全運行ということの思想を徹底していただくということに狙いがあります。今までのようにこちらが立入検査をして、所定の事項が履行されているかどうか判断するということではなく、まず運輸事業者から、どのようにしてトップが旗振りをして、現場に至るまで安全という意識を徹底させるかというものを作っていただくと。そしてそれをこちらが評価すると。こういうシステムです。したがってこれは新しい考え方ですけれども、この徹底を図って、安全の確保、利用者の利便の増進ということを図っていきたいというのが趣旨です。
 
(問) そうした中で、昨日から今朝にかけて、JRの京葉線の方でトラブルがあったと思うのですが、その辺をどう受け止められて、今後どう対応していくかということをお願いいたします。
(答) これにつきましては、今日も各紙報道していただいておりますけれども、四百数十本の列車が運休しまして、17万人を越える人達の足を乱してしまったということについては、甚だ遺憾だというように思っております。JR東日本につきましては、本日、鉄道局長がJR東日本の社長に、書面で警告を行うという手はずになっております。本年になってから、JRは警告書は2回目です。また、関東運輸局においてもそれ以外に2回ありまして、ちょっと多いと私は思います。したがいまして、先ほど御質問がありましたように、JR東日本社長の清野さんが旗振りとなって、現場に至るまで、運転士、あるいは保線、電気系統に携わる人達が心を一つにして、乗客の安全、利便性確保のために努力をしていただくように、この警告を機に、しっかりと取り組んでいただくように、我々としても強く期待しているところです。
 
(問) 10月1日で道路公団民営化から1年経つわけですが、大臣は与党の幹部としてずっと見てこられたと思うのですが、さらに民営化の成果を上げていくためには、今後どのようなことが必要だとお考えでいらっしゃいますでしょうか。
(答) 今まで道路公団という官が、高速道路を始め道路の建設その他をやってきたわけですけれども、これをこの1年、全国を6つに分けて、そしてそれぞれにトップは民間人に来ていただいて、民間の英知というもので、全てを合理的に経営をしていただこうということが実現を致しました。それとともにですね、残された部分2,000キロ程については、当初の見積もりでは御案内のとおり20兆円かかるとされていたわけですけれども、これを例えば3車線というものを2車線にするとか、いろいろな合理化を行った結果、10兆5千億円というほぼ半分強でできるような計画変更ができたということは非常に大きな成果であったと思います。それから道路公団が持っていた債務については、40兆円という非常に大きな金額でありますが、これから45年間をかけてきっちり返していくということが、法律上明定され非常にはっきりすることができたということ。そしてまた、それを債務は支払い側と支払いを受ける側で弁済計画についてもきっちり契約が締結され、明確になったわけです。そういうことが非常に大きいと思います。それから我々も日常経験するところでありますけれども、ETCですね。ETCの普及によりまして、料金所における渋滞というものが相当緩和されつつあり、これは今後もっとスピードを上げて進めていきたいと思っています。それによって、今まで通行料金を下げるということはなかなか行い難かったわけですけれども、平均すれば1割、深夜長距離等走るということになりますと相当な割引きをすることができるというような合理化が行われました。その他、ボトルネックとなっていた部分について解消を図るとか、いろいろな工夫がなされておりますので、1年経って総括した結果を今後ますます加速をし、安全と利便性の確保のため、これを契機にまた我々も努力をしていきたいし、民間の英知を集めて、国民生活に最も密着した道路というものについて改善をしていきたいというように思っています。
 
(問) 福岡の3人が死亡したRVの事故の関係なのですけれども、車両用防護柵の設置に関する検討委員会の初会合が今日開かれますけれども、どのような御議論を期待されますでしょうか。
(答) あのような予想外のことが起こってしまったわけで、縁石を乗り越えて、そして防護柵を突き破って海へ転落するという悲惨な事故になってしまったわけですが、本当に予想外の希有な事例であると思います。しかしながら、そういうことが起こった場合でも、今からどのようなことが起こり得るのか、また過去の事例とか、想定でどのようなことが起こり得るのかということの事例を今から分析をして調査をし、その結果を踏まえてどのようにしたら防御できるのかということも進んで調査をしていきたいし、対策の資料としたいと。今のところは事例の分析調査ということが主たるものです。
 
(問) 全国に約3千あまりの橋でありながら車両用の防護柵ではなく歩行者用しか付いていないという道路や橋がありますけれども、それについて個別に見直していくようなお考えというのは現時点でありますか。
(答) これの分析結果を踏まえて、何しろ膨大な費用が掛かります。費用と人命ということは、もちろん比較にもなりませんけれども、とりあえずは非常に希有な事例ですから、今後も事例を分析、調査した結果を踏まえてどのような対応ができるのか調査をし、対策を講じたいというように思っています。
 
(問) 先ほど、拉致問題対策本部長に指名されたというように聞こえたのですけれども。
(答) 本部長は総理大臣です。
(問) 大臣はどのような。
(答) 本部員として。全閣僚が対策本部に参加します。
 
(問) 京葉線の絡みなのですけれども、JR東では変電所で火災報知機が作動した場合は、すぐに担当者は消防に連絡を入れる、通報するということになっていますが、昨日は三つの部署で火災警報機が鳴っているとそれぞれの担当者が確認したにもかかわらず、誰一人通報しないと。1時間以上経って別の社員が通報したという事態になっています。過去の大事故といいますと、社内のマニュアルにも定められていますけれども、マニュアルを守らなかったり、手順を守らなかったばかりに被害が拡大するという例がいくつもあったと思います。そういう対応も含めまして大臣の御所見は如何でしょうか。
(答) 今日はそのような記事も読みました。はなはな遺憾だと私自身思いました。現象面を捉えて「こういう時はこうだ。あれはこうだ。」ということを、いちいち予想して規定を作るということは膨大な作業になります。だからこそ、会社のトップ、社長自身に旗振りをしていただいて、安全確保に対する意識というものを、社員一同、職員一同現場まで、これは運転士だけではなく保安要員から駅の職員に至るまで、高く持ってもらう。運輸というのはやはり安全が至上です。安全確保に対する意識が徹底されていれば、例えば火災があったといえばそのような規定、規範があるかどうかということは抜きにして、まず消防に通報するということになるのではないでしょうか。そういう意識をきちんと喚起していただくような、そして、またそれを不断に社内でも徹底させるような統括責任者を置いて、その人たちが不断にやっていただくと。事故があるとか無いとかということではなしに普段からやっていただく。こういう狙いですので、まさに今の御質問は10月1日施行のこの法律の狙いとするところだろうと思います。
 
(問) それに関連してですが、今日警告を書面で出すということなのですが、確認ですけれども、それは再発防止などをJR東日本に対して求めるのか、どういう文言になるのでしょうか。
(答) 警告を発するということでして、これは行政指導です。法に基づく改善命令とか改善勧告というものではありませんで、その前段階のものです。文章としましては、誠に遺憾であり、速やかに原因究明を行うとともに再発防止の徹底を図るように厳重に警告するという内容です。しかし、こういうものがずっと重なりますと、法に基づく改善勧告とか命令というような、最終的には命令違反ということになれば、もちろん罰則とか行政上の処分があるわけですけれど、その前段階です。
 
(問) 先ほど大臣から御発言がありましたけれども、本年で2回目ということで、野球ですともう1回で三振になるわけですけれども、どうなのでしょう、もう一度あった場合は。
(答) 回数というよりもその内容、対応、それからその原因が、先ほど仰ったような誰が見ても責められるべき事案なのか、そういうものを総合考慮して今後どのにしていくのか。またJR東日本自身がどう反省されて、どう改善されるか。原因究明もこれからされて、どういうことでこういうことが起こったのかということが明らかにされるだろうと。その対応によると思うのですね。
 
(問) 昨日、東京高裁で東京大気汚染訴訟が結審し、和解勧告というようなものがありましたけれども、被害者救済について東京都が独自の対策を打ち出しているようなのですけれども、国として今後、被害者救済について、どのように取り組んでいこうとされるのかスタンスについてお聞きしたいと思います。
(答) そのような新聞報道に接していまして、一審で国も東京都も敗訴したわけですが、東京都は控訴しなかったので確定しているわけです。国に対して二審の審理が終わって結審し、次には判決の言い渡しですが、それまでの間に当事者に和解でこれを終局、解決を図る意向があるのかどうか、和解勧告をしたわけではないですけれども、そういうことができるかどうか、そういう裁判所の発言があったというように承知しています。これについて、今の御質問は医療費等をどうするのかというような問題ではありますが、東京都がどういうように図られるかは東京都の問題ですけれども、国としては所管は国土交通省ではないわけでして、国土交通省としてはこういうことが起こらないようにということで、今までいろいろな施策を講じてきているところです。排ガスの排出を少しでも緩和するための自動車の構造等についての研究を進める。また、そのような車の普及の推進を図ったり、あるいは渋滞とかボトルネックというようなところでアイドリング状態で多くの排ガスがそこに集中して排出されるということに鑑みまして、流れを良くするための施設を造るとか、国土交通省としてすべき対策は今も講じているところでありますし、今後もやっていくつもりです。裁判所の示唆された最終解決に向けた和解ということについては、訴訟を担当している法務省を中心とし、また環境省等とともに、我々も真剣に検討していかなければならないというように思っています。
 
(問) 10月1日で日本航空が完全な統合、統合作業が完了するということで、苦しい業績が続いている中で、大臣の御所感をお願いしたいと思います。
(答) JALとJASの最終的な統合ということで、ANAと、二大航空会社が互いに競い合いながら、安全と利用者の利便の増進のためにやっていくという意味では、私は歓迎すべきことだと思います。今までにもいろいろ紆余曲折もありましたけれども、何とかこれを成功させていただいて、そしてお互いにサービスを競い合い、乗客の利便増進のためにやっていただきたいというように強く期待をしているところです。
 
(問) ただ、このところ減っていますけれども、この春先まで運航トラブルが相次ぎましたし、経営内紛等も伝えられて、その挙句に昨日はストまで構えるという、先ほど大臣が仰ったように心を一つにして乗客の安全を守るという状態なのかと、そういう懸念もあるのですけれども、その辺はいかがですか。
(答) ですからこれは、今後そういうものについて前向きに。そのようなことばかりやったらもう一つの会社に負けますよね。負けてしまうということは、そこに働く人たちもいくら要求をしても駄目なわけですから。それが競争社会であり、資本主義社会の良いところです。改めていかれるだろうと私は思います。そういう意味で、2つの大きな会社が互いにサービスを競い、そしてまた安全ということを競い合いながら、従業員が心を一つにしないと。どちらに乗った方がより快適で安いか、早いか、便利かということで乗客がセレクトするわけですから、勝ち残るためにはそういういろいろなことを解決していかなければならないということであろうと思います。
 


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