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  冬柴大臣会見要旨(平成18年11月7日)
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平成18年11月7日(火)
9:20〜9:38
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

 おはようございます。本日の閣議は一般案件が2件、国会提出案件が5件、政令の決定が5件と人事案件です。当省の関係では、政令の決定が1件、「下水道法施行令の一部を改正する政令」の決定がありました。
 なお、閣議に先立ちまして、自殺総合対策会議が開かれました。これは、先の国会で議員立法で成立しました「自殺対策基本法」に基づきまして開かれたもので、自殺対策について議論をしました。この法律に従いまして、来年6月の年央までに大綱を策定し、それを閣議決定するということで、第1回のスタートでした。この際、閣僚からの発言が求められましたので、私からも、ちょっと思いつきのような話ではありますけれども、駅のホームドアについて発言しました。例えば丸ノ内線には25駅があるのですけれど、全部に付けようということで徐々に付けられています。付けられたところでは、自殺と関係するかどうかは別としまして、今まで年に3、4件の転落事故があったのがゼロになったというようなことも報告されていまして、前向きに考えてもいいとは思うのですけれども、丸ノ内線25駅に全部にそういうものを設置するとすれば100億円程かかるそうです。したがいまして、これは鉄道事業者に強制するということはできないと、私は今のところは思っていますが、できれば慫慂(しょうよう)をして、いい効果があるということであれば、国民の意見も聴きながら、進めたらいいのではないかと。ただ、物理的に駅の幅が狭いとか、あるいは複数の会社が乗り入れている駅は、ドアの位置とか車両の長さなどが違うものですから一律には扱えませんけれども、丸ノ内線のように1社が同じ車両でドアの位置も一緒だというところは比較的やりやすいのではないかと思いまして、そういう発言をさせてもらいました。先程も申しましたけれども、来年6月の年央までに大綱を決めるということのスタートです。それまでに学識経験者12、3名の意見を聴くとか、あるいはパブリックコメントのような形で国民のご意見を伺うとかということをしながら、大綱を作っていきましょうということで、高市担当大臣が主宰しまして、議長は官房長官ということでした。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) トヨタのセルシオという自動車で、ドアに挟まれる事故が相次いでいるということで、国交省としてどのように対応されるか教えてください。
(答) そのようなニュースにも接しましたので、トヨタの方にも照会をいたしました。トヨタの方ではそういうものについて調査をし、あわせてユーザーにダイレクトメール等で注意を喚起するというようなことを今やってらっしゃるということです。我々といたしましては、自動で最後にきちんと閉まるドア構造は最近いろいろな車で採用されておりますので、同種事案が他にも発生していないかどうかということについて、現在調査を進めているところです。その結果に応じて、使用者に対して注意喚起を行う等、適切な対応をとっていきたいというように考えております。車両自体の安全に関するものではないのではないかというように私は思いますが、ただ法制上の問題ではなしに、指を挟まれて骨折をしたという事案が報道もされておりますので、メーカー共々国土交通省としてもそのようなことが起こらないように、ユーザーに注意喚起をしていきたい、トヨタだけでなしに、他の会社にもそのようなことがないかどうかも調査をして注意喚起をしたいというところです。
 
(問) 中央建設業審議会ですけれども、委員の出身企業に贈賄であるとか、あるいは談合といった不祥事が相次いでいるということで、委員は深い見識が求められる立場でありながら、国土交通省から処分を受けるような委員が数名いらっしゃるということで、そのことについて、中建審の審議の公正さの信頼にまで関わる問題ではないかと思うのですが、この点大臣のお考えを伺いたいのですが。
(答) 中央建設業審議会については、建設業法の中にそういうものを置きなさい、委員20人以内をもって組織しなさいという規定があります。その委員の構成は法律で書かれておりまして、学識経験のある者、建設工事の需要者、発注者の方ですが、それから建設業者のうちから国土交通大臣が任命すると。建設工事の需要者及び建設業者のうちから任命する委員の数は同じ数にしなさいと。これらの委員の数は、委員の総数の3分の2以上であってはならないとされています。現在は学識経験が8名、需要者と建設業者がそれぞれ6名ずつという構成でお願いをしているものです。その建設業者の中からの任命については、要するにその会社というよりは、委員ですから個人の資質、経験等を総合して決めるわけです。委員は2年間の任期となっています。この中で欠格事由が決められています。1つは破産者、破産宣告を受けた人で復権を得ていない人はだめですよというのがあります。2つ目は禁錮以上の刑に処せられてその執行が終わり、またはその執行を受けることが無くなった日から5年を経過していない人はだめですという規定があります。委員を解任する規定があるかというと、ありません。これをどのように我々として考えたらよいのかということですが、建設業の中でも著名な建設業者の代表者あるいはそれに次ぐような人で、人格、識見ともに世の中からも評価されている人を選んで、委員をお願いしているわけです。そのような人と、いろいろな談合その他のかどにより刑事訴追、あるいは公正取引委員会による調査等の対象とされた企業との関係の問題だと思いますが、必ずしもその両者が一致するものではありません。処罰されている法人、あるいはその法人の中の処罰対象となった個々の役員なり担当者と中央建設業審議会の委員として任命されている人とは人格が別です。したがいまして我々としては、この委員を選任する場合には、それに相応しい人かどうかという人格を評価して、お願いをしているわけでして、その人自身が破産を受けるとか、刑事訴追を受けて刑を受けたという人であってはなりませんけれども、それ以外の事由で辞めてもらうということはできない仕組みになっているということです。とは言え、今のご質問は、談合をやったという会社の代表者等が委員をやる場合に、国民の信頼というものが揺らぐのではないのかというご趣旨の質問だと私は思いますが、法的枠組みはそういうことになっているということをまずご説明申し上げた上で、この委員6名について、我々としてもう一度よく見ても、すばらしい人材であり、建設業者の中から選ばなくてはならないということになれば、その人たちは個人としてすばらしい人たちであると改めて私は評価をしているわけでして、国民に対してもよくご理解を頂くように我々も努力しなくてはいけませんけれども、そういう人を置いておくということはいかがかということについては、たまたまそこに籍を置いている会社が処罰を受けたということをもって、辞めていただくということにはならないと、私はそういう感じを持っています。
 
(問) ただ、金融業界等で見ると、営業停止処分を受けた会社のトップというのは、業界団体の代表であったり、公職の立場というものを退くのが大体あると思うのですけれども、建設業法においては、そういう処分を受けてもそのまま代表を続けたり、公職を続けたりしているということで、いささか処分が軽んじられているのではないのかという印象を受けるのですが、その点のご感想はいかがでしょうか。
(答) 中央建設業審議会の法の仕組みは私が説明したとおりで、一度選任した以上、解任の規定はありません。そして、任期は2年ということが決められています。その方が責任を取って会社の職を退かれたとしても、中央建設業審議会の委員を辞めなければならないというものではありません。任命権者から中立を保っているかどうか、そのことが担保されている組織かどうかという点も考えなければなりませんので、委員を辞めるかどうかという問題については、やはりその人の判断だろうと私は思います。
 
(問) 先程の自殺対策の駅のホームドアの話なのですけれども、高額なので鉄道事業者に強制できないと仰いましたが、そのあと少しはっきり聞き取れなかったので、繰り返しになったら申し訳ないのですけれども、鉄道会社に対して財政支援なども含めた促進策みたいなものを検討しなければならないとお考えでしょうか。
(答) ホームドアができているのが、全体の駅から見れば3パーセントくらい、一日の乗降客が5千人以上の駅でも1割くらいだという報道です。相当高額なものであるだけに、国民のそういうものに対する要望などがどういうものなのか。高齢者や障害者、あるいは小さなお子さんを連れたお母さん方のために、5メートルを超えるような段差があるようなものについて、公共交通機関のバリアフリーとしてエレベーターとかエスカレーターを付けるべきではないか、という交通バリアフリー法を提案したときも、そこまでする必要があるのかという意見がもの凄くあったことはご存知のとおりだと思います。しかし、国民の強いご要請もありまして、そういう法律も成立させることができて、国からもその3分の1を助成するということで、今、本当にほとんどの駅に付くようになりました。したがいまして、このホームドアについても、そういうものはやはり必要だという国民の大多数の方のご支持があるのか、あるいはそれを政策まで高めて国としても助成すべきではないのかというご意見が高まれば、それはやはり考えなくてはならないと思います。現段階においては、鉄道事業者の自主的な判断を促すと言いますか、これでどの程度の自殺回避とか、あるいは自殺ではなくて事故で転落をして命を失ったり、怪我をしたりする人がどのくらい防げるのかというような問題も見極めながら、まずは事業者にそういうことを考えていただいたらどうだろうと慫慂(しょうよう)する段階というように考えています。


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