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  冬柴大臣会見要旨(平成18年11月21日)
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平成18年11月21日(火)
9:35〜9:56
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

 おはようございます。本日の閣議は、一般案件が4件、国会提出案件が8件、政令の決定が4件と人事案件でした。当省の関係では、政令の決定が1件、「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令の一部を改正する政令」の決定がございました。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 津山線の脱線についてですけれども、並行する道路と情報交換がうまくいっていないのではないかという話もあるのですけれども、それについてはどのように事実を把握していらっしゃるのか、大臣はどのようにお考えなのかお聞かせください。
(答) 今回の脱線事故について、もう一度時系列的に整理してみますと、3時50分頃に通行人が道路が陥没しているということを認知して警察に連絡をしてくださいました。それで警察は4時30分頃にその現場に行きまして、そこを通行止めにしました。4時40分頃に警察から道路管理者に対して、こういうことになっていて通行止めもしましたということの通知があったようです。5時32分頃に本件事故が発生をしました。5時50分頃に道路管理者が道路の陥没の現場へ到着をしているわけです。ちなみにその日の日の出は6時43分でありますので、ちょうど日の出の1時間くらい前に道路管理者は現場に着いてるわけですけれども、その前に事故が起こっているという状況です。高さ約100メートル、傾斜が30度、底辺が150メートルの距離を石が落ちまして、1つは、線路を切断するように直撃したのでしょう。そして線路を飛び越えた所に止まっていました。もう1つの石は、道路を直撃し道路にバウンドしたようで、その陥没痕が大きいわけですけれど、それから相当離れた所に落下していると。その石の大きさですけれども、非常に大きいものでして、線路を切断したものは4.8メートル×5.0メートル×1.8メートルという石です。これは1個で約100トンあるのではないかなと。それから道路にバウンドして、だいぶ離れた所に落ちた石は、5.0メートル×5.0メートル×1.0メートルです。これは推定約60トン。このような2個の石が30度の傾斜を、底辺が150メートル、高さが100メートル、計算すると190メートルくらい転がったと。これが事実です。大変大きな石です。線路は割れている、動いてしまっているという状態のところへ列車が通り脱線をしたと、こういう事情です。この前に、道路に穴が開いているということを知ったことを直ちにJRに通知ができたのかどうかとか、する必要を感じたのかどうかとかということは、当時は警察官も道路管理者もその認識はなかったように思うわけですけれども、それでいいのかという問題になります。今にして思えば、やはり線路にそういうことが起こった場合でも、道路にそういうことが起こった場合でも、相互に連絡し合って、事故を未然に防止するようにするということが必要であろうと思います。しかし当時の状況を見ると、道路管理者も道路の陥没の原因が落石だという認識も、その時はなかったものと思います。というのは、真っ暗ですよね。石も相当離れた所に落ちているわけです。そういうことから考えて、どういうことで陥没したのかということの認識とともに、これが並行して走っている線路ではどうなるのかということについての認識が無かったのだろうと思います。しかしながら、今後は、今回のように、並行して道路と線路が走っている箇所で、こういうことがあった場合に、相互に連絡をしあうようなこととしていきたいと考えているところです。
 
(問) それは具体的には、全国の出先のところに通達するとか、どういうように具体的にやっていくというのは。
(答) 具体的にこれを他律的な規則にするということまではどうかと思いますけれども、通知をするとか、あるいはこの事故を契機にそういうように努めたいと、努めてほしいということを、鉄道事業者に通知するとともに、道路管理者も、県道、市町村道などいろいろあるわけですので、ここをどうするかですね。やはり出先の整備局、運輸局辺りで適当な方法がとられるように、目的を達せられるような方法をとっていただくように、我々の方で指導する以外にないのではないかというように思っています。
 
(問) 住宅金融公庫がサービス残業をしていたということで、中央労働基準監督署から指導を受けたということですが、このことについてのご所感と今後の対応について伺いたいのですが。
(答) 11月2日付けで中央労働基準監督署から住宅金融公庫に対して、平成18年4月から6月の間にサービス残業があったという指摘とともに是正の勧告を受けまして、住宅金融公庫においては、直ちに時間外及び深夜割増賃金をその職員に支払ったということです。極めて遺憾なことです。このようなことがないように努めなければならないと思いますが、ご案内のように来年、住宅金融公庫は廃止され、独立行政法人住宅金融支援機構に組織変更が行われ、財団法人公庫住宅融資保証協会も統合いたします。仕事の内容も今までのような直接融資に代えて、金融機関の住宅ローン債権を買い取ってこれを証券化し、長期の比較的低利で安定した住宅金融が行われるように、その資金を各銀行に供給するという非常に複雑な業務に変わるわけです。そのようないろいろな事務が深夜にまで亘って行わざるを得なかったこと、人数も相当切り詰めて少人数にしたということが、このような事態を招いたわけですが、いずれにしましてもこれは法律違反ですから、非常に遺憾なこととして、私どもも住宅金融公庫に対して厳しく警告をするとともに、こういうことが2度とないように注意を行ったというのが、今日までの経緯です。
 
(問) 今後、人事上の処分ということは如何でしょうか。
(答) それは住宅金融公庫という独立した組織の問題ですので、私どもが誰を処分するとかということはないわけですが、住宅金融公庫の内部で適切に判断されることを期待しているところです。
 
(問) 先程の津山線の脱線事故の事実関係の時系列の経緯ですとか、あるいは大きな石2つがそれぞれ道路を陥没させたものと線路を切断させたものとあるよと、今仰られた内容というものは事故調の調査官が調べた内容ということでよろしいですか。
(答) 違います。これは中国運輸局の職員2名を派遣して、そこで調査し、現認し、写真を撮影し、そのようなことを総合して今申し上げたわけでして、事故調査委員会は独立機関、8条機関ですから科学的に冷静にこの問題について対処されるだろうと思います。私が申し上げたのは、出先の運輸局の職員の調査結果です。
 
(問) 現時点での国交省としての見立てということでよろしいですか。
(答) そのとおりです。
 
(問) 先程その関連で相互の連絡体制を構築していきたいというお話ですけれども、今度国土交通省として警察庁の方などにそういうことを要請されたりするお考えは、大臣としてはお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
(答) これは、内部でよく検討してみます。
 
(問) 道路特定財源の関係なのですが、昨日自民党でも議論が始まったわけですけれど、あまり残された時間は長くないのですけれども、政府内の調整とか与党との調整など今後の取組みについていかがでしょうか。
(答) 20日、21日に、与党でワーキンググループをつくって、我々の方より問題の所在についてレクチャーをして、そして論議を始められると伺っています。我々の方も内部ではいろいろな検討を致しているところです。
 
(問) 津山線の件なのですけれども、昨日全国の鉄道事業者に同様の急斜面についての緊急点検の指示が出されましたけれども、日本の場合、そういういわゆる谷の間を通るような鉄道というのはかなり多いと思うのですけれども、それについての安全対策についてはどのようにお考えでしょうか。
(答) これは難しい問題です。私の方は、こういう事件があったという通知とともに点検をして、落石の危険がある箇所について1カ月以内にきちんと報告をしてほしいということにしているわけです。以前、今回の現場から1,400メートル離れたところで落石事故があったのですが、その部分を見てみますと、ものすごい急斜面で、落石を防止するための頑丈な鉄の柵があったのですが、それを破って落ちてきた。そこを通りかかった、幸い乗客はないわけですけれども、運転手が一人乗った列車が脱線をしたと。今回の30度というのはまだなだらかな方ですが、前に起こったところは等高線を見ましても、すごい急斜面で真上から落ちてきたような感じです。これを防ぐには相当頑丈な施設が必要ですが、いずれにしましても100トンの石が転がり落ちてくるのを防ぐというのは大変難しいことではないかというように思います。したがいまして、乗客の安全というものを確保するのは当然の話ですから、まずは危険性のある所を巡回して把握する、それに対してどの様なことが防止に繋がるのか検討していただくということから始めていかなければいけないのだろうと思います。今までも今回の部分につきましても、点検しているわけです。してなかったわけではない、月に1回巡回をし、危険性は認められなかった所で、この様な事が起こったということですので、大変問題は深刻だと思いますけれど、我々は、その様な地形にある所をよく調査をし、落石の危険があるかないかということについて十分に認識をしなければならない。その上にたってどの様な対応をすべきかという判断をしなければならないと思います。
 
(問) 今のに関連しまして、先程互いに連絡しあうようにしていきたいと。もう少し大臣のイメージとして、今回「今にして思えば」という発言なのでなかなか防ぐことが難しかったのかなという所感なのかもしれませんが、どういう形で安全対策、ソフト面で少しでも改善すべきだと、大臣のイメージでいいので教えて下さい。
(答) これは深夜であって、写真を見ていただくと分かるのですけれど、樹木が被っている様な場所でなかなか見つけられなかったのでしょうけれども、道路に大きな陥没があったということは認識して、通行止めをしたわけですから、こういうことがありましたと、線路がどうなってるかということは別として、道路が陥没しましたということを並行している線路があるとか道路があるとかいう場合には、相互に連絡をして、事故を未然に防止する処置を執るということが大事だと私は思いました。それは反対に、線路に大きな石が落ちているということを、もし運転手が急制動をして脱線とかなくとも、道路管理者にも、ここで落石があったよということを通知するようにお互いにすることが事故の未然防止には必要ではないかと、必要であろうというように思います。この部分について見てみますと、時系列的に言いましたように、日の出の1時間前でしかも山の中ですので、その様なことを考えますと認識がそこまでいかなかったのでしょうけれども、平素からこの場合には連絡をしあおうということをしておけば良かったと、その様にすべきだろうと思いますので、今からでもその様にしたいというのが私のイメージです。
 
(問) 先程の時系列で言いますと、4時40分に道路管理者へ通知があったと、これくらいの道路管理者へ通知があった時点でこの情報を共有が出来るようにするということが1つの考えですか。
(答) そうです。そうしたら5時32分より前に警告を発せられたかもしれませんよね。
   

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