国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年1月9日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年1月9日)
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平成19年1月9日(火)
9:40〜10:25
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は一般案件が1件、政令の決定が2件、人事案件です。
 それから、私の方から1つ申し上げます。お手元に資料配付致しましたように、本日の閣議においてご了解頂きましたが、1月11日及び12日の日程で韓国ソウルへ出張して参ります。前回の会見でも申し上げましたけれども、昨年の12月21日だったと思いますが、韓国から昨年200万人目の来日観光旅行者にお越しをいただきました。そのような意味でビジット・ジャパン・キャンペーンという運動の中でも重点国であります。今年は朝鮮通信使が日本に来てから400年目という年でもありまして、キャンペーンを重ねていきたいと思っていますので、私のカウンターパートでありますキム・ミョンゴン(金明坤)文化観光部長官と相互の交流につきまして意見交換を行う予定です。その他、私の仕事上のカウンターパートである2閣僚、合計3閣僚とお会いをする約束ができていますので、行って参りたいと思っています。私からの報告は以上です。


質疑応答

 
(問) 公務員制度改革について、1点お伺いしたいのですが。今国会に出ている国家公務員法の改正案で官僚の天下り規制をしばらくは維持するというようなことが盛り込まれているかと思いますが、与党内にすぐに天下り規制は撤廃した方が良いのではないかという意見もあるようですが、大臣は天下りの規制についてどのようにお考えでしょうか。
(答) すぐと言うのは、少し乱暴なような気がします。こちらは善意でも国民から見れば何か焼け太りのような形で印象付けられても困ります。そういう意味ではありません。そういう意味で、これにはある程度のご理解をいただける期間というものも必要だと思います。方向性としては、その様に事前規制から事後規制へと大きな流れがあると思います。権限や予算を背景とした押しつけ的な人事や交流があってはならないと思いますし、また、公務の執行に関する国民からのあらぬ疑いを持たれるような人事の交流ではあってはならないと思います。一方で、国民には職業選択の自由があるわけですし、その人その人の公務員として在職した時のことであったとしても、その人独特の能力・知見というものは社会の為に活用されるべきだと私は思います。その辺りをどう調和していくかということは、急にこうやるということではなく、国民の理解を得ながら進めていくべきものであろうというように思います。もっと深くは、国家公務員になった方が年金をもらえるまで安心して働ける、またその能力を十分に発揮していただくという機会を封ずるようなことではなしに、むしろそれが前向きに生かされるような制度というものを、皆で作っていかなければならないのではないかと、私自身はそう考えています。
 
(問) 改めてのご質問になりますけれども、去年の道路財源の閣議決定で、道路の中期的な計画を作るという話がありました。これをどういう場で、どういうスケジュールで作っていくか、あるいは去年の国土交通省で出している中期ビジョンとの関係はどのようにお考えになっているか等について、現時点での大臣のイメージをお聞かせください。
(答) 閣議では19年中にということですから、今年の年末までにということになっていますが、実務的には私は夏くらいまでに、国土交通省としての意思を、きちんと案を作るべきであろうというように思っています。今仰いました中期ビジョンというものがありまして、これについては国民のご意見も幅広く聞いていたわけですし、また各地方公共団体のご意見も伺ったわけですので、これを骨子としながら、国土交通省でまず夏頃までに案を作りたいというようなイメージをもっています。それから年末までに、国民の幅広い意見も踏まえながら、加除変更する所があるのかどうかというようなことも考えていったらいいのではないかと。国民のご理解を得ながら、いいものを作りたい。中期ビジョンという国民のご意見を幅広く聞いた労作があるわけですから、そういうものを基本としながら作っていきたいというイメージを今持っています。
 
(問) ここのところ水門談合について、官製談合の疑いがあるのではないかという報道が相次いでおりますけれども、また一部で技術系官僚トップの方が、退職後仕切り役になっていたのではないかという指摘もあるのですけれども、それについて大臣のご見解と、今後調査はOBの方を含めてどのようにされるのかを聞かせていただけますでしょうか。
(答) この問題につきましては、昨年早くに新聞報道がありまして、その後公正取引委員会からも照会があったりしていたことは承知いたしています。したがいまして、我々もそれは重大なものと受け止めて、これはご案内のとおりですが、過去にそういう職務に携わった167名にも及ぶ職員に対して、直に調査を進めてきたところでして、その結果も報告したところです。しかし最近、相当な元高官の名前まで、あるいは現職中に官製談合に関わった職員もいるのではないかというような報道がなされるに及びまして、これは私も非常に重大なものと受け止めています。そういう意味で、私は今朝、幹部に集まっていただいて、事務次官をトップとする委員会を早急に立ち上げるべきであるということを指示しました。そして大事なことは、省内だけでやるということではなしに、世の中から見てこれはすごいなというような方、第三者も入っていただいて、そして調査の方法、方針、あるいは調査した結果の検証に対しては、この部分はもっとやるべきであるとかというような助言を常に得ながら調査を進めるというようなことが必要ではないかということを、私の考えですが示唆をしました。早急にこれを進めていきたいというように思っています。それと、これも新聞報道の中で、過去の道路公団とか防衛施設庁の問題が提起されたときには、OBも含めて調査をしてきたのに、国交省が調査した167名というのは現職の職員だけではないか、調査の姿勢に少し差があるのではないか、国土交通省の認識が少し甘いのではないかというような趣旨の報道もあったと記憶しますが、私がそうは思わないのは、防衛施設庁についても道路公団についても、その職員の逮捕とかが先行して、その捜査が一応一段落して起訴したとかという後にOBを調べているわけです。それに対して国土交通省としては、新聞報道があった段階で、我々が指揮命令の権限を持っている職員に対して、それも5年間も遡って167名という非常に膨大な職員に対して調査を行ったわけであります。現時点ではまだ誰も逮捕されていませんし、OBに対しては我々の調査権が及ばないわけです。皆さんご存知のとおりです。しかしながら、私どもに縁があった人として、そのように実名報道があったということを重く受け止めて、OBについても、我々の調査権、服務規律権とかが及びませんが、それは公正取引委員会が法律に基づいて調査するということが本筋だと思いますけれども、そのように関与したと言われた以上は、そこも調べるべきではないかということで、先程も申し上げたように次官をトップとする委員会を早急に立ち上げるようにというように言ったわけです。先程言いましたような他の省庁より問題意識が低いとかいうことではないと。過去の事例ではそういう捜査権を持ったところが起訴、逮捕したという事実が先行した、そしてその捜査が一段落した後にいずれもOBを調査する対象に加えたわけであります。我々の方はそういうことはないけれども、今の段階でやっていこうということであります。是非その点についてご理解をいただきたいと思います。
 
(問) 関連で、それはいつ立ち上げて、いつ頃までに、中間報告を含めて大臣としては指示してるのでしょうか。
(答) 委員会の設置については、私としては、可及的速やかに、できれば今日にでも。指示の際に、早急にやってほしいということを言いました。調査については、先程も言ったように誰もが納得できるような第三者の素晴らしい人に依頼をし、ご了解を得て、そういった人ときちんと連携をとりながら、入ってもらうこともあるかもしれませんが、やっていただくと。私の方では官房の監察官を中心にそういう事務をやってもらいたいと考えていますが、ただ内部だけでやるのではなく、外部のそれなりの経歴や資格とかを持った方々にご助言を常に得ながらやっていきたいと。いつ頃というと、調査対象を何人にするのか、名前が挙がった人だけをやるのかとか、いろいろ考えがあると思うので、いつ頃にということはまだわかりませんけれども、できるだけ早くお願いしたいと思っています。
   
(問) 確認ですが、外部の専門家というのは、例えば弁護士とか検察OBとかでしょうか。その辺のところはどういうイメージをされてますでしょうか。
(答) あなたが言ったような方をイメージしています。公正入札調査会議というものがあります。そこには今は弁護士であるけれども元は裁判官だったとか、検察官だったとか、公正取引委員会の事務局長をやっておられたりだとか、学者であるとか、そういった方々が入っておられる。私のイメージとしては、そういう方々のご協力が得られればいいというように思っています。調査方法についても具体的な意見を述べていただく形でやった方がいいなと。調査権とか強制捜査権がないわけですから、これは非常に難しいです。皆様でも、事件が起こって、後に被疑者になった人にいろいろインタビューしておられますけれども、完全否定しているでしょう。しかし、強制捜査になって逮捕されたら、手の平を返したようになる。自分に不利益になることは言わなくて良い権利が憲法上ありますし、強制捜査権もない。本当に難しいですけれど、だからといって放置はできない。ですから、どのようなことができるのか実名報道された人に対してはどういう扱いができるのか、専門家のご意見も聞きたいし、それから、いろいろ調査した結果も見ていただいて、捜査の経験のある人だったらここは矛盾しているのではないか、そういうことを伺いながらまた聞くとか、いろいろな工夫があると思います。そして、最終的にはどういうようなことを報告できるのか。これは名誉に関する問題も含みますし、黙秘権という将来自分が訴追される恐れのあることについて述べなくて良いというようなことがあるわけです。そういう問題が絡みますので、どういうようにやれば良いのかというのは、省内だけではなく専門家の意見も聞きながら国民が納得できるような方法で、早急にやってほしいということが指示の内容です。
   
(問) 国土交通省の事案ではないのですが、今朝の報道で、元防衛庁長官の衛藤議員の公設第一秘書が私設秘書時代に不透明な資金集めを行っていたのではないのかという報道がされているのですけれども、まずこの問題についてのご所見を伺いたいしたいのと、政治家の秘書が地元に会社を作って、地元の業者から結果的に資金を集めると。その資金の一部が設立した会社役員の個人献金として、その秘書が仕えている政治家の元に流れているというスキームについて、一般論で結構ですけれども、どのようにお感じになるのか、お聞かせいただければと思います。
(答) 私もそういう報道があることは知っています。しかし、具体的事案について一つの報道機関から報道があったからといって、しかも特定の高名な政治家の名前が挙がっているだけに、私としては、この場で論評することは適当ではないというように思います。ただ、私どもが自由民主党と平成11年10月5日に連立政権を起ち上げる際に、政治家個人に対する企業・団体の献金は禁止すると約束してもらいたいということで、自民党の中にも激震が走ったりしたのですが、最終的には当時の小渕総理もそれを受け入れてくれまして、やりましょうということになって、平成12年1月1日から、そのように政治家個人に対する企業・団体からの献金は禁止するということで、4月からはそれに対する罰則も定められました。こういう一連のものを考えたときに、秘書が個人で行うことは営業の自由ということがありますが、そういうような形で集めたお金が、しかもその当初から政治家に回るということで、企業にそういうものが集められたということになりますと、その規制との関係はどうなるのかということは、1つの大きな争点だろうというように感じました。これは一般論としてください。私は特定の高名な政治家に対して、どうこうすると、このような場所で言うということは差し控えたいということが大前提ですが、そういうように疑われるようなことは、私は厳に気をつけなければならないという認識です。
   
(問) 水門談合で先程お話のあった調査の対象とする退職者の範囲なのですけれど、大臣のお考えとしては、実名の挙がった方だけか、あるいはもっと広げるべきか、どちらでお考えになっていらっしゃいますか。
(答) それは私は委員会でまず判断していただきたい、そして、その専門家のご意見も伺いながら判断していただきたいというように思っています。
   
(問) ただ、実名が挙がったのは2人だけですけれども、2人だけというのはいかにも少なすぎるのではないかというのが一般的な。
(答) 私は2人だけとは言っていませんよ。
   
(問) 実名が挙がった人というのは2人ですから。
(答) その人は対象になるでしょう。
   
(問) それだけであれば、いかにも少なすぎるというのが一般的な国民の捉え方になると思うのですけれども。
(答) だから国民とともに、国民が納得していただけるようにしてほしいということを私は申し上げているわけで、2人だけにするとか、そのようなことは申し上げていません。
   
(問) 基本的には名前が挙がらない人も含めて、かなり大きな調査をお考えになっているということでしょうか。
(答) それは委員会で検討していただきたい。第3者の意見も聞きながら検討していただきたいと思っています。退職されて一般市民になって、そういう人をここにまた呼び出して、そして過去にどうだったと聞くこと自身が大変難しい問題だということは、先程縷々申し上げたとおりです。在職の人は、我々は懲戒権まで持っているわけですから、そういうものを背景に出てきてくれということで話を聞くことはいくらでもできるわけですが、一旦辞めて我々の支配を離れた人を呼び出して、しかもこれはその人の言わばマイナスの話ではないですか。それをするということは大変難しいけれども、しかしそれはどこまで許されるのか、あるいは国民がどうしたら納得いただけるのか、国土交通省としては決してそれに対して後ろ向きではないという姿勢をきちんと見てもらわなければならないし、そういう点いろいろ難しい問題があるので、幹部の人の知恵を出していただき、それだけではなしに、第3者のご意見も伺いながら、やってもらいたいと。私は実名報道云々と言いましたけれども、その人は当然調査の対象になるだろうと私は思っています。それ以外はないのかと言われると、そのようなことも言っていません。そこは委員会でお考えいただきたいというように思うわけです。
 

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