国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年4月20日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年4月20日)
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平成19年4月20日(金)
9:00〜9:22
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が9件、国会提出案件が15件、法律の公布の決定が2件、政令の決定が2件と人事案件です。当省に関係では、一般案件が1件、「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第5条第1項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき国会の承認を求めるの件」の決定と、政令の決定が1件、「平成19年能登半島地震による石川県鳳珠郡能登町等の区域に係る災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」の決定がありました。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) アカギヘリコプター(株)の関係なのですけれども、死亡事故に関連して、昨日国交省の方から事業改善命令が出ましたが、この関係について、大臣のご所感をお願いします。
(答) アカギヘリコプター(株)の運航するヘリコプターが、4月9日夕刻、富山県北アルプスの水晶小屋付近で墜落し、搭乗していた10名のうち2名がお亡くなりになり、8名が負傷されました。運航の安全の確保を何よりも優先すべき公共交通を担う航空運送事業者において、このような事故が発生したということは誠に遺憾です。国土交通省としましては、4月12日に、東京航空局が同社の東京基地に対し8名体制で立入検査を行いました。搭乗者のうち3人分の座席が装備されていなかったということが明らかになりました。これは航空法の規定に抵触することです。加えて、会社の安全管理体制の不備も認められましたので、昨日、東京航空局より同社に対して、事業改善命令を行ったところです。その実施状況については、5月16日までに文書により報告するように申しました。改善命令は、大きく分けて3つあります。1つ目は、法令遵守及び安全意識の再徹底をしていただきたいということで、とりわけ、乗員や整備士等、安全業務に直接従事する者に対しましては、法令等並びに運航規程及び整備規程など関連規程について再教育をしていただきたい。法令等の遵守や安全意識について再徹底をしていただきたいということです。2つ目は、安全管理体制の確立です。社内各部門の業務区分及び業務内容並びに指揮命令・報告系統を見直しまして、手順を定め、業務を適切に実施できる体制を構築してほしいということです。3つ目は、冬期の運航における機長に対する教育の充実等です。この3点について改善をするよう命令を行ったところで、適切な改善措置がなされていることを後日また立入検査によって確認していくなど、事故の再発防止に全力を尽くしていく所存です。併せまして、他の航空運送事業者に対しても、当該の事業改善命令の内容を周知するとともに、他人事のように思わないように、運航の安全確保に万全を期すように指導をしていくことにしています。また、他社についても、立入検査等を通じて必要な措置を講じていこうと考えているところです。
   
(問) タクシーの東京地区の値上げに関してですが、昨日、政府の物価安定政策会議が開かれまして、ドライバーの厳しい労働条件、賃金状況を考えれば必要最小限の値上げはやむを得ないという意見もあった一方で、事業者側の経営の改善策が具体的に示されないと大幅な値上げは認められないといったような、値上げに対しても厳しい意見も相次いだようですけれども、特に後者の方についての大臣の受止めと、値上げ幅は別として、値上げ自体は認める方向で大臣としても検討していくということなのか、その2点を教えて下さい。
(答) 昨日、物価安定政策会議におきまして、今仰ったような議論がなされたと聞いています。否定的な意見、あるいは引上げ幅も含めて慎重に検討すべきだという意見も多かったと聞いていますが、結論的には、運転手の賃金の状況を考えると安全性の確保、良質なサービスの維持という観点からは、ある程度の運賃引上げはやむを得ないとの意見もあったと取りまとめていただいています。運賃引上げを認める場合には運賃の引上げ幅は必要最小限とすべきで、事業者は一層の経営合理化に努め、できるだけ低廉な運賃でサービスの提供を行うべきであろうというご意見の取りまとめがあったと聞いています。このご意見と私自身ほぼ同じ意見を持っています。年収が304万円というところまで落ちた運転手さんの待遇というというものは改善しなければならない。事業者の経理状況等を見ましても、それを吸収するだけの余力が今はないことも分かっていますので、これから査定作業を粛々と進めていくべきだろうと、会議におけるご意見を踏まえて、適切に対応するべきであるということが、私の意見です。
   
(問) 認める結論を出す時期については、この後、どれくらいを目途に結論を出したいとお考えでしょうか。
(答) 日程についてもまだ未定ですけれども、申請からほぼ半年くらいの間にこの物価安定政策会議に諮ることになっていますし、いろいろな手続きを経て、閣僚会議で上限も決めて公示するという手続きがあるわけですけれども、もう少し時間はかかるのではないだろうかと思います。その2週間以内に各会社から具体的な運賃についての申請が行われ、それについて我々の方がそれを認めるということになれば、さらに、機材の取付けその他に物理的に時間が必要だと思いますが、申し上げるとすれば、夏過ぎと言いますか、そこら辺には具体的になってくると考えています。
   
(問) 東京大気汚染訴訟ですが、先日、原告団の方々が総理官邸に行かれて、要望を提出しました。安倍総理も報道陣に対して、政府として前向きに取り組む旨の発言をしました。これについては国土交通省についても対応が求められていると思いますが、とりわけ、公明党出身である冬柴大臣には期待するところが大きいと思います。この点について、今後の考えを伺いたいのですが。
(答) 私の方は、つとに申し上げているように、自動車単体の有害な廃棄物が出ないようにする装置等について研究を重ね、それを普及させることを不断に行っています。それから、東京の都心部における恒常的な渋滞箇所等や周囲の建物や地形等によって排気が滞留する場所について、その道路の構造等を改善する、また、走行時速を約60kmで走れば排気も少なくなるので、そのように道路の整備を急ぐという点について、我々も誠心誠意取り組んでいくと申し上げています。それ以上の話については、それぞれの所掌がありまして、私に対する期待ということを仰いましたが、そういう被害を受けている方々、あるいは、喘息等を発症されている方々に対しては、心からお見舞い申し上げ、また、一日も早く治っていただきたいという気持ちは、人一倍持っているつもりですが、国土交通省として、それ以上の進んだ対策などについては別に所掌がありますので、そちらの方で検討していただかなければならないと思います。いずれにしても、こういうことが起こらないように、東京だけでなく、他の大都市においても、私の地元の尼崎においても、大気汚染に基づく疾病についての訴訟とか公害調停とかがあった地点がありまして、問題意識は持っていますが、そういう問題について、国土交通省として、誠心誠意取り組んでいかなければならないと思っています。
   
(問) 昨日の河川分科会で、川辺川ダム、球磨川水系の河川整備基本方針が了承されました。その中で、地元の費用負担がある熊本県の潮谷知事だけは、了承しがたいとして、他の委員の了承を得て認められたという経緯がありましたが、その点について、今後計画をどのように進めていくか、お願いします。
(答) 昨日、非常に長時間にわたる熱心な議論があったということで、結論としては、地元の知事が了承しがたいという意思表明をされたということも聞いてます。しかし、それ以外の委員につきましては、知事を除く委員の全てかどうかは別としてまして、とりまとめについては、適当と認めるという意見をいただいたというように聞いています。従いまして、その意見を踏まえて、速やかに河川整備の基本方針を決めていかなければならないし、また、それが決まれば、河川整備計画というものを円滑に策定するために努力をしなければならないというように考えているところです。これはご案内のとおり、人吉市を含む流域関連市町村では水害土砂災害により、昭和40年に被害家屋約1万4千戸、死者6名、昭和57年には被害家屋約5千戸、死者4名の被害となっています。私ども、国民の生命、財産というものの安全・安心を守らなければならない省庁として、二度とこのような水害、それに基づく死者が出るようなことのないように万全を期さなければならない。最終的には我々が責任を負うわけです。委員会等でいろいろな意見が出るということは当然の話です。しかし、そのような委員会の意見を踏まえながら、法の定めるところに従って粛々と進めるべきものは進めていかなければならないというのが私の信念です。平成になっても、16年、17年、18年と洪水被害が球磨川では頻発していることも踏まえて考えてもらわなければならないかと思います。ただ、このようなことは、県と一層連携あるいは情報の共有を図っていかなければならないもので、河川局に対しては一層の連携を図って欲しいと指示をしたところです。
   
(問) 今の話の関連ですが、県知事以外で地元の相良村の村長が川辺川ダムに関して反対していますが、それについても説得をされるというか、そのようなことを河川局に命じられているのでしょうか。
(答) もちろん、私どもは、これから河川整備計画の円滑な策定ということを進める上においては、今後も流域の住民に対して基本方針の内容とか、小委員会等における審議の経過というものを丁寧に説明してご納得頂くように努力することは、当然の話だと思います。そして、国及び熊本県双方が球磨川水系の河川管理者であるということを考えれば、知事にもあるいは県全体にも分かっていただかなければなりません。その際、体験しておられるから知っておられると思うのですが、過去の球磨川における人吉市等における水害の状況とか、こういうことが再び起こらないようにするためにはどうあるべきかという視点から、これはやはり是非とも現場も見ていただいて、そこの住民のご意見を聞いていただいて、反対は反対でいいのですけれども、最終責任を負う者として、住民の安全を考えれば、こういうことは必要だということをよくご説明申し上げたい。昨日の委員会でも、私が聞くところによれば、熊本県知事以外の学者の先生方も相当詳しく自分の意見を披瀝された結果、そう進めるのは適当であるというご意見に取りまとめていただいているということですから、是非、その経過とか先生方のご意見も披瀝して、納得していただくように努力するということは勿論の話です。
   
(問) 長崎市長の殺害事件なのですけれども、行政対象暴力ということで、国土交通省も様々な出先を抱えて、これまで行政対象暴力の被害に遭ってるかと思います。また一方においては、建設業において暴力団の関係業者も入ってきているという話もあります。出先を抱える官庁として、あるいは建設業を所管する官庁として、お考えがありましたらお伺いしたいのですが。
(答) 私も伊藤市長とは本当に長い付き合いで非常に親しくさせていただきました。原爆の被爆者を認定する範囲が狭かったのですね。それであの方は市長に就任されて以来、我が党の県会議員を通じて私に面会を求められて、そのことが不当だということをるる申されましたので、私は歴代の厚生大臣のところへその地図とかをお持ちして、伊藤市長と共にその範囲の拡張を訴え、それを実現したものですから、上京されたら律儀に必ず私の所へも顔を出してくれたという関係があっただけに、本当に許せないという思いでいっぱいです。選挙中に候補者を射殺するという前代未聞の話でありまして、民主主義に対する挑戦であると。怒りを禁ずることは出来ません。これは人ごとではなしに、我々も発注官庁として、我々の知らないところでいろいろな恨みを買ったりすることも多いと思いますので、皆が気をつけなくてはいけませんけれども、これを契機にこういうものは絶対許さないと。また銃器につきましても、一層の取締りというものを徹底していただくように、所管の警察等取締りを行うところに求めていきたいと思いますし、出先の職員にもそういう難に遭わないように気をつけるよう指示したいと思います。
   

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