国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年5月18日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年5月18日)
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平成19年5月18日(金)
8:47〜9:03
衆議院議員食堂
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が2件、国会提出案件が6件、法律の公布の決定が4件と人事案件です。当省に関係するもので特にご報告することはありません。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 成田国際空港会社の社長人事に関係することで、昨日、塩崎官房長官が民間人の起用に意欲を見せるようなご発言をされています。これに対する大臣のご所感と、国交省の打診された人事について官邸側が拒否しているということもあります。これについての事実関係を教えていただければと思います。よろしくお願いします。
(答) 社長というのは、通常、代表取締役社長のことです。商法上は、取締役と代表取締役しかありません。会長、社長、専務、常務というのは呼称です。今、社長と仰いましたけれども、おそらく代表取締役のことを仰っていると思いますが、それについて民間人を起用したいということはかねて聞いています。中部空港、関西空港、ともに民間人を起用しているということに照らして、そういうようにしたいというご希望があるということは伺っていますが、それ以上の人事につきましては、今検討しているところです。ちなみに、会社の株主総会でまず取締役を選任します。取締役会で代表取締役を選任します。普通の会社はそれで選ばれるわけですけれども、成田国際空港会社については、代表取締役について「国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない」という法律の規定があります。それから、閣議口頭了解の事項になっています。そういう意味で、誰を代表取締役にするのか、また、取締役は誰がいいのか、そのような人事の検討を現在やっているところです。株主総会は6月の末ですから、6月はじめの役員会に諮って決めておかないと、株主総会の招集通知状には通常そういうことも書いてありますので、鋭意役員人事の検討を行っているところです。
   
(問) 今日、集団的自衛権の行使に関する政府の有識者懇談会が開かれますけれども、公明党を代表する閣僚として大臣の受止めをお願いします。
(答) 公明党に所属する議員ですけれども、代表はしていません。公明党の議員の中から、閣僚に任命されている1人です。私は、公明党の安保部会長をしていましたし、幹事長も長くやっていました。ですから、公明党の考え方もそうだと思いますけれども、私個人としても、現在の9条を素直に読めば、武力攻撃が日本に対して行われた場合には拱手傍観するのではなく、それに対して反撃をするということはできると。これは独立国家である以上当然のことでして、これは刑法36条にも、「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」と。これはもう自然法です。自分が攻撃された時にそれを撃退するために反撃するということは、これは自然権ですから、そういう個別的自衛権というものは、憲法がどう規定しようと、それはあると。最高裁の判例もあります。ところが、進んで個別的自衛権ではなく集団的自衛権を行うことができるかどうかということは、この集団的自衛権というものが、国連憲章51条に規定された時の経緯、論議等を考えていただいたら分かります。当初は個別的自衛権だけだったわけですけれども、中南米の小さな国々が自分のところの1人の力ではとても防衛はできないというようなことから、安全保障についての同盟関係がある国の間で、例えば、アメリカ合衆国は攻められていないけれども、中南米の諸国が攻められているという時に、アメリカ合衆国が同盟関係に基づいて、その中南米の諸国に攻撃を仕掛けた国に対して攻撃すると。同盟国と一緒になって攻撃するということを認める規定が置かれたという経緯があります。すなわち、それは人為的なもので、自然権ではないわけです。先程の個別的自衛権とは区別される。そういうことを前提として、我が国の憲法は集団的自衛権を容認できるのかということになりますと、我が国に武力攻撃がない場合、その時には、我が国の武装した自衛隊が領土外に出て、同盟国を攻撃している相手と戦う、武力行使をするということが正確な意味での集団的自衛権です。したがって、それはできません。私はこの憲法の下ではできないと思います。安倍総理もそのように考えておられると私は思います。集団的自衛権に個別事案が当たらないかどうか、当たるものはできないということを前提に、当たらないものはできるという趣旨です。そういうことで、今4つのパターンを示されていると思います。ですから、その中には武力行使ではなく、武器使用という考え方ととれるのではないかということもありますし、あるいは個別的自衛権の範疇に入るのではないかというような考え方もとれる部分もあるでしょうし、そういう点がこれからの懇談会の議論の的になると。私もそういうものについて、そこに入ってなくても、その議論とともに真剣に考えたいというように思っています。
   
(問) アジアゲートウェイ戦略会議の構想が2日前にまとまりましたが、その内容についてのご所感と、国土交通省の課題についてどうお考えか、お聞かせください。
(答) 私どもはそのメンバーには入っていませんでしたけれども、根本補佐官もきめ細かく我々の意見も十分に聞いていただきまして、周知のことですけれども、総理にも2回お会いして私の考え方を述べさせてもらいました。そういうものを十分に盛り込んでいただけたと、私は高く評価されていいのではないかと思います。いわゆる首都圏にある2つの空港と関西国際空港・中部国際空港、それ以外の地方空港と3つに分けまして、いずれも自由化は積極的に進めていこうと。しかしながら、自由化するといっても、首都圏にはキャパシティがなく、中部と関西にはキャパシティがあります。そのような事態の中で、どのように自由化を進めるか。いろいろな学者等の意見は、中部や関西の全部を解放して、外国の航空会社の判断で自由に入ってきてもらうような、オープンスカイというのですか、そのようなことを進めるべきだというご意見もありますが、首都圏の成田と羽田共に、少なくとも2010年の3月、10月まではキャパシティがないので、その間、中部や関西の貴重な余裕といいますか、枠に入れて欲しいというところと、国際拠点空港ですから、よく国益を考えて、向こうから出していただくことを条件に我々も開くということで、国益を守りたいというのが私の意思です。そのような航空交渉というものも国益を守るためには必要ではないかということを再三申しまして、そこのところはいろいろと議論がありましたけれど、最終的にはそのようなことで良いという形になったと思っています。それ以外の地方空港につきましては、税関等の手続きなどいろいろとありますけれども、我々航空行政としては、届出をしてもらったら入ってきていいのではないかと。実態はそうなっているということで、そういう仕分けをしたのです。それをご理解いただけたと思っています。
   
(問) 成田の人事に戻りますが、官邸側から民間人の起用を希望ということがあるのですが、それについての大臣の今のお考えといいますか、ご感想でも結構ですけれどもお願いします。
(答) 関西も中部も沿革があります。埋立ても民間会社がやっているわけですから。そこは民間人が社長になるのは当たり前の話でして、成田空港とは事情が違うかと思いますが、上場を前にしてそのような民間人が成田の社長になられるということは、私は十分に理由があると思いますし、民間人でふさわしい人であれば、なにも反対することはないと思います。ただ、先程も言ってますように、これから成田については、2,180mという中途半端なものを2,500mまで延ばして、まあそれでも1本半でしょうか。とにかく、それを仕上げるためにも、自動的にできるわけでなく、都市計画の変更とか、あるいは、騒音の場所が広がるものですから、その騒音対策を住民の方と交渉して、まとめ上げていかなければならないという問題があります。また、羽田の問題につきましても、成田との役割分担については、平成15年6月12日の9者による合意というものもあります。それは、千葉の方も入っていらっしゃるわけですから、そういうことを考えたときに、民間人は良いけれど、まるっきり今まで縁が無かった人にとってそのような困難な仕事というのは酷じゃないのかなと思いますし、実際に事業をやるのは、国土交通省なのです。私どもは、住民との太いパイプとか信頼とかいうような、従来からそういうものを必死になってやっていただいている人が相応の役割を担うということも必要ではないかというように思っています。それ以上のコメントは、人事のことですので避けさせていただきたいと思います。
   
(問) 広島県福山市の鞆港の埋立架橋計画が、大変賛否分かれているのですけれど、今度、事業主体の県と市が埋立申請をするという状況になってきました。国も今後、認可という形で関わってくると思うのですけれど、現状はどのようにご覧になっていますか。
(答) 鞆の浦というところは、ちょうど朝鮮通信使節400年ということで、その朝鮮通信使節が日本で最も美しい景色だと言ったということが伝えられていて、その当時の景色とか、そのようなものを今も残しているのが、鞆の浦だと言われています。しかしながら、港町ですから、大変狭隘な道で、昔ながらの馬車とかなら良いのでしょうが、今の自動車ということになると、すれ違うのも大変という状況があるのも事実でしょう。それを地元の方が、優れた瀬戸内の、また、古い400年前の面影を残したものを、一つの資源として残していくというコンセンサスを得られるのかどうか、それは地元がよく判断して決められるべきことだと思います。国土形成計画の広域地方計画を来年ぐらいには作ってもらうことになっています。そのような時に、それを中国地方などがどのように判断されるのか、そこに住む人たちは、それで良いと言うのか、あるいは狭いから道路は是非欲しいと考えられるのか、これは決めていただきたいと思います。 
   

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