国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年7月6日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年7月6日)
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平成19年7月6日(金)
10:32〜10:50
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が3件、国会提出案件が18件、法律の公布の決定が1件と人事案件です。当省に関係するもので特にご報告することはありません。
 今国会で、閣法は成立が89本、条約が19本で、成立率は91.8%でした。継続していた案件で成立したものは2件、議員立法では23件が成立しており、その中には海洋基本法もあります。以上です。


質疑応答

 
(問) 昨日で国会が閉じまして、これからいよいよ参議院選挙の選挙戦が本格化していきますが、年金問題もありまして、各種世論調査や報道では「与党厳しい」との情報が相次いでいますが、大臣としては、今回の選挙戦で現時点の情勢をどうご覧になっていらっしゃいますでしょうか。
(答) 確かに、世論調査では厳しいということですけれども、この自・公連立政権でやってきた8年前、9年前の状況と今日とを比較したときに、相当いろいろ仕事をしてきていると。経済も、まだまだ浸透はしていないけれども、確実に日本のファンダメンタルと言いますか、力はついていると思います。その象徴として、例えば、日経225銘柄の平均株価は、7,607円88銭まで最安値を付けたものが、今は1万8千円を超えています。私が応援に行って、そういうようないろいろなメルクマールを出しながら説明すれば、やはり自・公が必要だと。それに対して、例えば民主党は、今回は言っていませんけれども、高速道路の料金を無料にしますということを言われましたね。40兆円の借金があるのですね。これを通行料で45年かけて返すというスキームが法律上成立しているわけでして、そういう財源手当なしに、人気取りのようなことを言う無責任な政党に、この国を任していいのですかというようなことまで、私は申し上げています。児童手当につきましても、5回反対されましたけれども、世論がやはり児童手当は必要だということになってくると、今度は子供手当を支給しますと。しかも、1万6千円と、3兆5千億円かかるのですが、こういうものには何の説明もないと。私どもがそういうものを検証して、言うべきことはきちんと訴えていくと、聞いていただいた後のアンケートや感想で、やはり自・公にやってもらはなくてはいけない、ひっくり返すわけにはいかないというお話が多いのです。私は自信を持って、必ず勝つ決意で戦います。あとわずかですけれども、最後まで戦います。
   
(問) いわゆる責任ラインという言葉がありますが、民主党の小沢代表は過半数という数字を掲げてます。一方で、安倍首相は明言されていないということですが、与党の幹事長もやっていらっしゃった経験を踏まえて、責任ラインというのは今回の選挙ではどうご覧になっておられますでしょうか。
(答) それは、今も言いましたように、必ず勝つという覚悟でやっているわけですから、責任ラインが出来なかったから、どうこうという問題ではないと思います。最後の最後まで、とにかく確信を持って、執念を持って頑張っていくと。それが、党利党略ではなく、現在の日本国家の利益に合致すると、国際的にもそうあるべきだということを我々は訴えて、必ず勝つと。公明党で言えば、比例区で過去最高票数を出し、8議席を確保し、5つの選挙区では必ず完全勝利をしたいと。13議席を頂きたいということです。もう、1議席も後ろに下がるわけにはいかないわけでして、必ず勝つという以外にないわけです。
   
(問) 昨日、淀川水系の河川整備基本方針が、初会合から1年9ヶ月という長い期間を経て、ようやく検討小委員会において大筋で了承を得られました。この間、1年余りの不可解な長期中断があり、淀川水系流域委員会休止の口実にもなりました。そのため、骨身を削って、河川造りにかけてきた委員の方々に、非常に深い落胆と悲しみを与えた結果になったと思います。そのことについて、改めて、担当大臣としてのお考えを聞かせて下さい。
(答) 小委員会では、7回の検討を進め、河川整備基本方針について一つのまとめということになったわけで、これを踏まえて、また、5年近く行っていろいろと伺ってきました流域委員会の意見も当然参酌した上で、河川整備計画の概算要求までの原案提示あるいは年度内の最終決定というものを目指して、頑張っていかなければなりません。しかし、この整備計画を作るためには、当然流域委員会の方々、あるいは住民の方々の意見というものを十分にもう一度お聞かせいただかなければなりません。その意味で現在、流域委員会の新しい委員にどのような方を選んだらいいかということについて、検討しているわけでありまして、それが決まれば、整備計画の原案についてのご意見を伺っていかなければならないというように思っています。その中で先程、深い悲しみというお話もありましたけれども、いろいろな意見があるとは思うのですけれども、そういうご意見にも十分に配慮しながら決定していかなければならないというように思います。貴紙の5回にわたる大論文、毎回読ませてもらいました。多くの示唆を受けるところがありました。中には私と違う意見ももちろんありました。しかしながら、最終的な責任を国が負っている以上、一つの結論を出さなくてはならないというように思います。
   
(問) 今のお話にも関わることですけれども、住民意見の反映という一つのプロセスが形式的なものになっている。本当に聞く気があるのかというか、真摯に向き合っているのかということについて、私は非常に問題意識を感じているのですけれども、この休止ということが最たるものですけれども、大臣がご就任以来、もしかすると北側前大臣の頃から、河川行政の後退というものが目につくというように感じています。現場でも住民の問い合わせに対し、あまりサービスするなというようなことを課長クラスとか事務所長クラスが言っているというようなことも耳にしています。そういったことからも考えて、大臣として河川行政に何らかのご助言というものが必要ではないかと思いますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
(答) こういう機会にいろいろなお話を伺い、そういう意味で問題意識を持って、河川行政という問題について、まだまだ勉強不足ですけれども一つの考え方を出しますと、これはやはり上流と下流との利害が相反するということがあります。一つダムを造るにしても上流と下流との利害が相反します。瀬田川の洗堰を開けるか閉めるかということでも大論争が起こるわけです。やはりそれは自分の生命・財産の危険というものと向き合っているわけですから、様々な意見があるのは当然だと思います。そのような中で、ただダムを造ったら大丈夫だとか、安心だという考え方ではなくて、そこに住むそれぞれの方々のご意見を拝聴しながら、聞き置くだけではなく議論したら良いと思います。議論するためには自分の考え方を持たなければいけません。「あなたはそう仰いますけれども、ここをこうした場合には下流はこうなります。」、あるいは、「下流の人はこう言いますけれど、上流はどうなるのですか。」、あるいは、「こういうところの狭窄部分の対策をしたら流れは良いけれども、その時の景観とか環境はどうなるのですか。」など、いろいろな意見があると思います。そういう問題を聞き置くだけではなく、向き合って議論したら良いと思います。最終納得はしていただけないとしても、自分の考えを披瀝する。それが委員会だろうと思います。長い間、多くのお金を掛けて、流域委員会を何回やったということではなくて、私は、本当に河川行政の責任を持っている人達と危険と向き合っている住民達との間の議論というものが必要だろうと思います。その点は反省しなければならないと思います。
   
(問) 先日までに、交通分野のいろいろな分科会のとりまとめ、答申が出そろいました。港湾にしても、航空にしても、国際競争力の強化というのがキーワードの1つになっていたと思いますが、日本は経済大国だと思っていたのですが、いつのまにかインフラの面で、国際競争力がそう高くない地位にあるので、伸ばしていかなければならないという内容だと思うのですけれども、どうしてそうなってしまったのか、これからどうしていけば良いのかと、大臣自身、どのようにお考えなのか、総括していただきたいと思います。
(答) 我が国は、少子高齢社会、人口減少社会を迎えており、今後、この豊かさを維持し、持続的な経済の成長というものを図っていくためには、日本の国の中に閉じこもっていては、どうにもなりません。したがいまして、特に、13億人とか、11億人と言われるような、多くの人口を持つ中国やインドには猛烈な活力があります。そういうものを国に取り入れる、あるいは、そのような所を我々の市場として、今後も持続的な経済成長を続けていくということが必要です。そのためには、空港、あるいは港湾というものが玄関口ですから、アジア・ゲートウェイというように言っていますけれども、アジア・ゲートウェイになる前に、我が国自身の成長あるいは発展のためにも、そういうものをきちんと整備することが必要です。また、ハードだけではなくソフト面でも、もっとやらなければならないことが沢山あります。港湾をとりましても、スーパー中枢港湾で国が全面的に出て、昨日も横浜を見せていただきましたが、水深20メートルという世界一の大きさの岸壁を今年着工致しました。約400メートルという凄い船がきちんと入れるように。そうなれば、ここしか入れませんから、そういうもので、今後競争力をつけていかなければならないし、また、そのように岸壁を造っても、後背地の整備というものが必要であります。国際規格のコンテナは日本のものよりも長いです。それが通れるような道を全部造るとすると、橋梁やトンネルなどの部分を全て造り替えなければいけない、そういうことはとても出来ません。岸壁の後ろに広いヤードを取って、そこで全ての荷捌きができるようなことを考えていこうと思っています。非常に良いことだと思います。世界一のロジスティックをきちんと整備するということは、今後国際競争力を強化していく上で重要です。神戸などは大震災で大変遅れていました。回復が難しい、しかし、今言ったような方法でソフトあるいはハードの面でやれば、日本の英知を絞れば、勝るとも劣らない、そういうものも造ることができると思います。それから、荷揚げする技術者というものは日本は優れているということも聞いていますので、そういうものを総動員して、今少し遅れてしまっているものを取り戻さなければならないと思っています。
   

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