国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣会見要旨(平成19年7月17日)

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  冬柴大臣会見要旨(平成19年7月17日)
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平成19年7月17日(火)
9:53〜10:14
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  おはようございます。本日の閣議は、一般案件が5件、国会提出案件が8件、政令の決定が18件です。当省の関係では、一般案件が1件、「平成19年度特定港湾施設整備事業基本計画の承認について」の決定がありました。あと、政令が1件、「港則法施行令の一部を改正する政令」の決定がありました。
 また、本日の閣議で、台風4号と平成19年新潟県中越沖地震に対する国土交通省の対応について、私から報告したところです。以上です。


質疑応答

 
(問) 昨日起きた中越沖地震についてお聞きしたいと思います。中越沖地震で、死者が9人、怪我人900人以上ということで、大きな被害が出たわけですけれども、改めて大臣のご所感を伺うということと、国交省としてこれから重点的に取り組むべき事項は何かという2点をお願いします。
(答) 7月としては大型の台風第4号が太平洋沖に去ってほっとしたときに、このような大震災が発災したということに対して、本当に驚きと、亡くなった方に対する心からの追悼、ご冥福をお祈りするとともに、怪我をされたたくさんの方々へのお見舞いと、一日も早く退院されることをお祈り申し上げます。まだライフラインが復旧をしていませんし、避難所等で余震に怯えて、不便な生活を強いられている多くの被災者の方々に対してもお見舞い申し上げるとともに、国土交通省としても全力を挙げてこの復旧に取り組むということをお誓い申し上げたいと思います。この新潟県中越沖地震につきまして、国土交通省としましては、発災直後に事務次官を本部長とする災害対策本部を設置しまして、省一丸となって取り組もうということで、各局長等も集まって、対策を執ったところです。また、私は当日兵庫県で街頭演説をしているときに聞いたわけですが、直ちに切り上げて、空路で帰って参りまして、まず官邸に参り、総理の指示などを頂きました。その後、本省の対策本部に入りまして、皆さんから状況を聞いたところです。具体的には、災害対策用ヘリコプターによる調査、あるいは海上保安庁の巡視船11隻、航空機9機等によって、海上あるいは上空から被害の状況等をつぶさに調べまして、特にエネルギー関係、原発あるいはLNGとかそういうものについて、被害がないかというようなことについても、調査を行い、官邸あるいは本省の災害対策本部に逐次報告をしたところです。また、現地へは本省や研究所からの専門家からなる緊急調査団を派遣するなど、被害情報の収集・把握に努めるとともに、災害復旧に対する専門家としての助言等を行っているところです。現在高速道路では、北陸自動車道の一部区間で、緊急車両を除き一般車両は通行止めとなっています。なお、北陸自動車道の柏崎−西山間は本日復旧します。残念ながら、米山−柿崎間での道路の破壊は相当大きいものですから、そこは止まりますけど、これと並行して走っている国道8号を活用いたしまして、新潟県内の幹線、自動車交通は完全に確保できることになっています。8号線も2ヶ所において、のり面崩落が生じていまして、復旧に時間を要するようですので、その区間につきまして、並行して走っている高速道路を利用していただこうと。そのために、高速道路料金は無料にしようということで、長岡インターチェンジから能生、上越の南に能生というところがありますが、 そこまでは通して今日の正午くらいからになると思いますけれども、有料道路を無料にしまして、高速道路、あるいは8号を通っていただけるようにすれば、自動車としては、完全に新潟県内の交通ができるようになっています。今日の朝8時頃に、この無料措置を講じたかったのですけれども、省庁間の打ち合わせがちょっと遅れていまして、正午頃になると思います。鉄道につきましては、上越新幹線は、昨夜再開しました。ただ、信越本線では、青海川駅というところがあるのですが、そこで、土砂崩れが起きて、深刻な事態が発生しています。これを取り除いて、擁壁等、そういうものも設置しなければなりません。復興には相当期間の時間がかかるように思われます。その間は、代替のほくほく線等を使っていただくという方法と、その部分について、バスによって迂回をしていただくという方法を今考えているところです。さらに、新潟県の要請によりまして、海上保安庁のヘリコプターを用いまして、急患を柏崎市から新潟市へ搬送するなどを続けています。また、普通の自動車では1トンくらいしか水を積めないのですけれども、巡視船による給水は約400トンくらいの水を積めるものですから、給水を行っているところです。あるいは、緊急物資の輸送についても、新潟県から依頼がありまして、現地トラック協会を通じてお願いしまして、トラックによる水や食料等の輸送を行っているところです。国土交通省といたしましては、一日も早く国民生活を安定させるため、被災施設や交通機関等の早期復旧、安全確保、住宅の確保、地域の機能確保・回復を図ってまいります。
   
(問) 今回の地震では古い木造の住宅が大分倒壊したということですが、能登地震の時もそうですけれども、高齢者が古い木造住宅に住んでいて、倒壊して死亡したというケースも結構あるかと思います。その辺り、中越地震が起きながら、耐震性の低い住宅があれだけ残されていたということについてどう思うかということと、今後、国土交通省としてどうすべきかという辺りをお聞かせいただきたいと思います。
(答) 古い木造住宅の被害が大きかったということは事実です。国土交通省としましては、住宅全般の耐震化率を、平成27年、2015年までに少なくとも90%以上にする目標を示しているところです。現状は、75%までは改修しています。これを実行するために、木造住宅につきましては、特に耐震診断、耐震改修に対する補助制度をもって支援をしています。診断については、補助率は国が3分の1、地方が3分の1、本人が3分の1ということで、3分の1という補助を行うことにしています。改修については、利息相当分程度ですが7.6%、すなわち15.2%を国と地方が半分ずつ分けようということで7.6%の補助率で、改修についてはこれを行うことにしています。なお、住宅の耐震改修費用の10%を税額控除するという耐震改修促進税制を、平成18年度に創設しています。このようなもので、早く耐震化を進めてまいりたいと考えております。
   
(問) 昨日の地震で、現地に溝手防災担当大臣が入られました。冬柴大臣も行かれましたけれども、天候不良ということで入れませんでした。安倍総理も当日、現地に入られたということでした。総理大臣が災害発生当日現地に入られたということは、異例のことだと思います。その意味で迅速な対応と言うことで評価されるべきとも思うのですが、一方において、危機管理の点で疑問があるのではないかと思います。余震の危険がまだある中、総理大臣が危険のある土地に入ることがはたして適切だったのかどうかという点について疑問があると思いますが、その点についていかがでしょうか。
(答) 私は総理が演説を止めて入られたのは正しかったと思いますし、国民からは評価されるであろうと思います。もちろん危険な地域に総理が入られることについては慎重であるべきだと思いますが、東京に居て良いのか、東京には官房長官を始め、災害対策本部で各省庁の責任者が詰めていますので、特にここには原発等ありますので、それに対して、総理が自分の目で見なければいけないということで行かれたということは、私は評価されるべきだろうし、また、国民は好意を持って見てくれるだろうというように思います。私は、邪魔にならないように、あるいは総理たちと重ならないように、ヘリコプターで上空から、特に道路を調査しようとしました。今申し上げましたけれど、私ども国土交通省としては、道路や河川、崖崩れ、ダム、もう少し経ちますと住宅復旧など、そういうものを手当しなくてはならないと思っています。その意味で、特に幹線道路が閉塞しているという事態は大変な事だと。一番最初に聞いた時には、バスが全然通れなくて、小さなタクシーなどでそおっと通れる所を通らざるを得ないといった報告があったり、あるいは新潟県の職員を柏崎へ派遣するのに行けないので、海上保安庁の船艇で運んで欲しいということで運んだりしていると聞きますと、いてもたってもいられなくなりまして、ヘリコプターで現地を見せてもらいたいということで飛んだわけです。長野県の方を回るのが一番近いのですが、あいにく非常に天候が悪化していまして、会津の方を回ろうということで、会津を回って行きました。白河の所で西の方へ頭を振って新潟に入る予定だったのですが、大変に厚い雲が出てきまして、向こうの状況を聞きますと、ヘリが地上スレスレを飛ぶということは非常に危険になるということだったものですから、断念をしました。できれば、私は今日行きたいと思っています。しかしながら、そのように責任ある者ができるだけ速やかに現地を見させていただく、ただし、邪魔にならないように自己完結的に動く必要があると私は思います。そういうところに発災直後に行くということは、私は被災した人達を激励する意味においても意味があるというように思います。また、復旧作業に取り組む職員についても、大変に疲れているわけです。やはり、そういう者が激励に行くということは、今後の復旧活動を促進する意味でも意味があると私は思っています。
   
(問) その関連なのですけれども、昨日の夕方の段階で総理と溝手防災担当大臣と甘利経済産業大臣、そして冬柴国土交通大臣も上空にいらっしゃるという状況がありましたけれども、一義的にそういう状況は防災の危機管理上の観点から問題がある状況ではなかったというように大臣はご認識されているということでよろしいでしょうか。
(答) そうです。危機管理上問題なかったと思います。甘利経産大臣は原発の問題がありましたので行かれたわけです。防災担当大臣が行かれるのは当たり前の話だと思います。私が行くことも当たり前だと思います。やはり、実際に交通とか下水道にしても、我々の関わりは非常に大きいわけで、復旧についての専門的知識も必要なわけです。そういう意味で、所管官庁の長として私が行くことは当然だと思っています。総理が行かれることについては、総理のご判断でありますが、何しろ今回の地震は、阪神・淡路大震災に次ぐ震度6強というすごい震災であったことから、総理が現地に行くということを判断されて行ったわけですから、私は先程も述べたように、そのことを高く評価しているということです。
   
(問) 3年前の中越地震の時に重機の搬入について、新潟県の方から救助要請が遅くなって、山古志村の旧竹沢地区の天然ダムの水の排出が遅れたという話がありましたけれども、今回、運用を見直して、要請がなくても国交省が重機を出すという初めてのケースになったのですけれども、重機の搬入等について、今回はどのような認識を持っていらっしゃるか大臣のご所見を伺いたいと思います。
(答) 要請がなかったら出さないということではなしに、必要があるかどうかはすぐ分かるわけで、例えば夜間であれば照明車とか、あるいはGPSを受ける機械や司令所とかは、頼まれなくても、現地に迷惑が掛からない範囲で行ってもらっています。そして、そこにどれくらいの重機があるか、どんなものが必要かということはすぐ判断できるわけですから、我々として、別に要請がないのに重機を出すということが画期的だとも思っていません。佐呂間の時も私は行きましたけれども、北海道開発局から、本当にたくさんの機材が現地に集まっており、地元は大変喜んでいただきました。そういう意味で、こういう緊急の時には、邪魔にならない範囲で、自己完結的に持っている機材についてはどんどん投入すべきであろうというように思っています。
   

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