国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
冬柴大臣繰上げ会見要旨(平成19年11月22日)

メニューを飛ばしてコンテンツへ進む

 

 

 


  冬柴大臣繰上げ会見要旨(平成19年11月22日)
ラインBack to home

 

平成19年11月22日(木)
17:50〜18:03
国土交通省会見室
冬柴鐵三

 

   

閣議・閣僚懇

  こんばんは。今日は遅くにどうもすみません。本日の閣議は一般案件が1件、国会提出案件が22件、政令の決定が2件と人事案件です。当省に関係するもので特にご報告することはありません。私からは以上です。


質疑応答

 
(問) 栗本鐵工所が高速道路に使われる型枠について、薄い鉄板を使ったり強度試験のデータを改ざんしていたりしましたが、これについてご所見をお願いいたします。
(答) そういうものについて検査をする意味はよく分からないのですけれども、あたかも検査をクリアしたような書類を偽装して提出したということは誠に遺憾です。私も関西の人間ですけれども、関西では本当に自慢できるような企業である栗本鐵工所が、そのようなことを長年やっていたということついては、本当に落胆であり強く反省をしてもらわなければならないと思います。ただ、これからきちっと技術的に詰めてもらわないといけませんが、ご案内のとおり型枠ですから、周りに鉄筋コンクリートをきちっと造ってしまえば中は空洞なので、引き抜いてもいいのではないかという程度のものだと思います。ですから、私が冗談交じりに「それだったら段ボールみたいなものでもできるんじゃないか」と言ったら、現にそういう型枠はあるということです。発泡スチロールなども使われています。これからもきちんとウォッチングしていかなければなりませんが、私は、国民の皆様に対しては、こういうことがあったからといって、橋梁自身が危険であるとか、そういう性質のものではないということだけは明確に申し上げておきたいと思います。必要でないところにコンクリートを打ってしまうと、橋梁自身の重量が大変大きくなってしまいます。そうすると橋脚もそれに耐えられるようなものにしなければいけないわけでして、そのような知恵から不必要な所にはコンクリートを打設しなくてもいいように空間を作るための型枠が今回のものです。それについて、非常に古い検査基準らしいのですが、それが必要な検査なのかという見直しが今まで無かったというのも少し驚きではありました。そういう性格ではありますが、データを捏造することは決して許されることではありません。したがって、そういうものについての意識、コンプライアンスといいますか、そういうものをもっと高めていただく努力をしていただきたいと申し上げますが、国民の皆様には、そういう橋だから危ないということはないと申し上げたい。我々としては定期検査をこれまでもずっと行っており、ですからそういう面にも心を配りながら点検をさせていただきますということです。
   
(問) 今の関連で言えばですね、報道を見る限り国民は大変な事のような印象を受けていると思うのですが、大臣がおっしゃるように検査というのが40年位前の基準で、その間に製鉄技術も相当発展しているわけで、この40年間にそれに起因した不具合は全く起きていないという話なのです。そうすると実は大した話ではないのではないかと私は思っているのです。NEXCO的には基準があるけれども国交省では別に何の基準もないということなので、言い方は変ですけど国交省が大した根拠もないのに調査するというように国民が思ってしまうような印象を持ってまして、まず第一にはその強度検査の整合性といいますか実効性をまず最初に確認するのが大人の対応ではないかと思っています。むやみやたらに点検してものすごくお金が掛かるというのも何となく腑に落ちない気がするのですけれども、その辺は如何お考えでしょうか。
(答) おっしゃるとおり国が決めた基準でも何でもないのです。NEXCOが任意でやっておられるわけです。国はそのような基準は設けていません。ですがよそがやっておられることについて必要ないからやめろとも言えません。先ほど精一杯私言ったつもりなんですが、それは意味があるのかと問題提起させていただいて、私もあなたと同じ考えです。本当にそう思います。ただし私は国民の皆さんに申し上げたいのは、そういうことだけども危険ではありませんのでということを申し上げたい。
   
(問) タクシーの問題ですけれども、12月にも省内にワーキンググループを立ち上げて全般的な見直しをされると聞いていますが、一方で業界団体の全国乗用自動車連合会は再規制を求める決議をしています。具体的には規制緩和前の需給調整規制をさせたり、同一地域、同一運賃を求めているわけですが、大臣も常々国会答弁などで規制緩和には光と陰があって、光の部分はやっていかなければならないとおっしゃっているわけで、その点業界団体の最近の動きというのはどう見ていらっしゃるか、ご所見をお願いします。
(答) それほど競争が熾烈で、皆様もご存じのとおり、そこで働く運転者の年収がとてもじゃないがそれだけでは生活ができない、年金かなにか貰う人でなければタクシーの運転者ができないようなところになってしまったことに対して、焦りもあり、いろいろ考えておられると思いますが、私としては規制改革というものを後戻りさせる気持ちは全くありません。では今回の措置はどうかというと、それは規制改革をしたときに組み込まれた手段として、行き過ぎた場合に非常に厳しい要件を付しながら、参入あるいは増車について一定の歯止めをかけるという手段が残されているわけで、これは運輸審議会等の審議を経てそうあるべしとなれば、その現行の制度があるわけですから、それを今回適用すべきであろうという考え方でやっています。業界がもうたまらないと、小さい規模の会社がどんどん増車して、そしてまた運賃も、例えば下限割れの運賃で営業されるということで、過当競争で耐えられない、昔が良かったというようなことであろうと思いますが、そういう中で、そうなる前に業界としても、現在の労働契約の形態やそのようなものがそれで正しいのであろうか、安全や利用者利便を十分考えた契約関係になっているのであろうか、というようなことも本当に考えていただきたいと思います。
   
(問) 今後の検討次第であると思いますが、需給調整規制が復活したりというようなことはあまり念頭に置かれていないということでよろしいでしょうか。
(答) 全く念頭に置いていないと断言していいと思います。
   
(問) 三和シヤッター工業の電動式防火シャッターに不具合が見つかり、全ての製品について緊急点検、無償点検が行われることになりましたが、最近防火関連の素材や物にこのようなことが多く見られますことについて所感をお願いします。
(答) これは、火災が発生すれば自動的に火の道を塞ぐためにシャッターが降りるもので、火を遮るぐらいですから非常に厚くて重いです。したがって、そのままに任せるとどっと降りてしまい、その下を逃げようとする人が押し潰されると困るので、どのような表現が良いかわかりませんが、自動的にゆっくり降りていくようなシステムになっています。ところが、三和シヤッターのもので、それが途中で止まってしまう事故がありましたという報告がありました。会社から、「いろいろと調べたところ、制御する部分に突起する部分があり、それが摩擦により削られ、その鉄粉が入ってしまい、止まったということがわかりました。したがって、これについて我々で早急に検査し、その突起部分を取り去ったそのようなことにならない仕組みのものと取り替えます。」という報告がありました。故意にどうこうしたわけではなく、そのようなことを発見してすぐに我々に報告していただき、その改善措置も言ってこられたことについて、今までのいろいろな事件とは違うと評価しています。
   

過去の大臣会見へ

ライン
All Rights Reserved, Copyright (C) 2007, Ministry of Land, Infrastructure and Transport