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大臣会見

谷垣大臣会見要旨

2008年8月22日(金) 10:51 〜 11:18
国土交通省会見室
谷垣禎一 大臣

閣議・閣僚懇

 今日の閣議は、国土交通省に関係するもので特にご報告する事項はありません。閣議終了後、第15回薬物乱用対策推進本部会合が開催されました。今年から平成24年までの第3次薬物乱用防止5カ年戦略が本部決定されたところです。私の方からは、薬物の水際対策のため、巡視船艇、航空機の緊急整備や「空き巡視艇ゼロ」を目指した巡視船艇の複数クルー制の拡充といった海上保安体制の充実強化を推進しておりまして、今後とも、薬物の水際阻止に積極的に取り組むということを発言いたしました。私からは以上です。

質疑応答

(問)来週に概算要求の締め切りが迫っていますけれども、その辺の進捗状況を教えてください。
(答)これは来週までですが、私も報告を今日聞くところです。まだそういう段階です。

(問)補正予算と来年度の予算の一体編成を政府内で検討していると聞いていますが、それに対する考えと対応があれば教えてください。
(答)補正と一体となった15ヶ月予算というのが昔ありました。私が財務大臣だった時もそのような議論をした記憶がありますが、今話題になっている補正と来年度予算についてどのようにしていくのかということは、まだ私は十分議論を聞いているわけではありません。それも一つの考えかなとは思いますが、十分コメントできるだけの情報がありませんので、申し上げられるのはそのくらいです。

(問)タクシーのチケットを本省の職員限りで6月から使用停止していましたけれども、それについての成果と今後の継続について、昨日次官から言及がありましたけれども、改めて大臣からお話頂きたいと思います。
(答)2ヶ月試みに行ってきたということです。その結果については、次官から昨日お話があったところだと思います。もう少しこれは継続する必要があるということですが、実際、シーズンを見ましても、国会が閉会になってからお盆等々の休みがある時を挟んでですから、この結果もこれから十分分析して、今後に活かしていかなければならないわけですが、どうも時期的に見てこれだけで結論を出すわけにはいかないだろうということから、もう少しこれを続けようということになっています。

(問)6月、7月の2ヶ月やっただけで1月で大体1億円が節約出来たということなのですが、その結果については大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)今申し上げたように、一つは、時期の問題もあるのだと思います。それから、医療等々の窓口で先に支払うか、後で支払うかというのは大きな制度の作り方の争点になっているわけですが、そういうことも影響しているのかもしれません。あるいは、実際にもう少し節約出来るものであるのかもしれません。その辺は十分これから分析してみなければいけないのだろうと思います。

(問)ただ、試行とはいえ1億円を節約出来たというのは胸を張っても良いと思いますが。
(答)胸を張れるのだったら張りたいわけですが、まだこれから中身を分析してみないとわからない訳です。私は霞が関でいろいろな公務員の働き方を見て、あるいは国会との関係なんかを見ましても、この頃はワークライフバランスというようなことを言いますが、本当にこの働き方がこれでいいのかと思うことがある訳です。これは我々政治の方の責任でもありますが、いわゆる国会待機というようなことが、むやみやたらにといえば言葉が悪いかもしれませんが、頻繁にある訳です。私も国土交通省に来まして昔から色々と話を聞いていると、昔は「何々課長は自分が帰るまでは部下を帰さなかった」等色々なことを言われて、「伝説の課長」というのも私はいくつか霞が関で閣僚をやりますとそういうような話を時々聞きますが、最近はそういうようなことは随分合理化されてきて、必要な要員は残るが特に必要ない方は早く帰るというようなことも進んできている、そういう合理化はまだまだ探せば進めるところ、洗えるところがあるのかもしれません。そういう辺りももう少し総合的に分析して考えてみる必要があると思いますし、また逆に言えば国会待機というようなことが本当に続く時に、後払いということでかなり苦労している人もあるのかもしれない。こういう辺りも色々と総合的に見なければなりませんので、今すぐ胸を張れと言うところまではまだ行かないのではないかと思います。

(問)節約効果が、ある意味結果が出ているのですが、本省だけにとどまらず全省的に今後なさるとか、もしくは今回の結果を何故国土交通省だけでやっているのか、という問題もあると思うので、他の省にも大臣から閣議等で発言されて「他の省もどうか」と、そういったもっと発展的な議論にはならないのでしょうか。
(答)これは2ヶ月やってみて、どういう意味合いなのかというのをもう少し分析してみないと何とも言えないと私は思います。もっと他の所にも、例えば現場等にも広げるか広げないのかというのも、それぞれのタクシー等の使い方も違うところがありますし、その辺も分析しながら考えていく必要があると思います。

(問)他の省もすべきだと思いませんか。
(答)他の省はそれぞれ他の省でお考えになるべきでありますが、私も色んな事で伺いますとメディアの皆さんからも伺ったことですが、メディアでも一声何千万円というようなことがあると聞きますので、「ハイヤーの利用少し気をつけようぜ」ということもあるので、「やはり少し倹約しようぜ」、「節約しようぜ」、「無駄を省こうぜ」という声は時々出していく必要はあるのでしょう。

(問)先程のお話しの中でこの数字の出ているシーズンというのが国会の会期中ではないし、ある程度お盆を挟んだ時期であると。そうした時期であるにも拘わらず前年は1億円程度かかっていたと、それが実際本当に必用なものということで精査してみたら600万円になりましたと。これをみるとこれまでの1億円は何だったのかととられかねないと思いますが、その辺については如何でしょうか。
(答)まだ私もこれがどういう事だったのかという分析が出来ている訳ではないので、その辺りも十分お答えすることは出来ません。ですから、もう少し業務の対応、仕事の仕方が平均的な時も見てみる必要があるのだろうと思います。これは私が霞が関と付き合ってきた感じ方ですが、働き方、公務員の働き方というのもかなり大きく見直す必要がやはりあるのではないかと思います。個別の事案として考えるよりも、そういう全体像の中でこの問題は何なんだと考えないといけないのではないかと思います。もちろん我々は血税を使って仕事をしている訳ですから、無駄を省くという、これは一種の永久革命に近いところがありますが、先ほど申しましたように折に触れてそういうかけ声を掛けて努力をしていくということが必要だと思いますが、全体的の中でよく見極めていくということが必要だと思いますので、この2ヶ月間の試行をどうみるかももう少し時間を貸して頂いて私もその意味合いというのをよく分析してみたいと思っています。

(問)他の省庁では省内に簡易の宿泊施設を増やそうとか代わりの対策を進める動きも多少出てきていますが、国土交通省ではそのような動きは今のところ特に検討されていないのでしょうか。
(答)だから私申し上げたんですが、代わりの宿泊施設を作るという勤務体系、勿論実際にそれが必要なら検討しなければならないでしょう。またあるいは代わりの宿泊施設を作るのと深夜タクシー等々を使って帰宅するのとどちらがいいかという比較論も十分する必要があると思いますが、その前提として働き方をもう1回よく見直していこうということがなければならないと思います。

(問)なかなかうまく通じ合う所がないかもしれませんけれども、我々が言いたいのは、国会待機とかよく分かってます。前の大臣の冬柴さんも十分分かっていながら試行を断行された訳です。その思いと多分今の大臣のお気持ちとはちょっとギャップがあるのかなと思わざるを得ないのですけれども。その話は当然前提としてあったんですけれども、それでも敢えて断行した訳です。国民の批判に晒されている国土交通省としてこれだけはやらなければならないということで前の大臣が決断されたと思うのですけれども。その背景等を踏まえても、やはりその今のお考えは変わらないのですか。
(答)もう止めると言っている訳ではないんです。当分またもう少し試行してみて継続してみて意味合いをよく考えようと言っている訳です。

(問)観光庁の発足まで残り1ヶ月少々となった訳ですが、長官人事について様々な
観測が飛んでいます。現在、人選状況がどうなっているのか、あと内部からの起用、外部からの登用それぞれ意見があるようですが、大臣はどちらがよろしいとお考えでしょうか。
(答)私は人事については一切発表まではしゃべらないというのが基本的な方針です。

(問)昨日、総理とお会いされて地方局の取扱い等お話があったようですけれども、北海道開発局は色々問題がありましたが、その点どのように取り組んでいくお考えでしょうか。
(答)昨日、総理とお目にかかった時のことは若干報道にも出ているようですが、個別具体の話というよりも総理から色々伺いしましたのは、総理の地方分権であるとかあるいは消費者というものに焦点を当てて考えていくべきではないかとか、あるいはその持続可能な社会をどうやって作るのかというような総理の色々な政策に望む基本的な考えを改めて聞かせて頂いたという色彩が強くあった訳です。勿論そうなのですが、そういう中で、総理はやはり地方分権というのをこの際にしっかり推し進めようという強いご意志を持っておられるということも改めて昨日は伺った訳です。そういう中で、我々は何をしなければいけないかということになりますと、1つは今もご議論のように、それぞれの組織の問題がありますね。これは二重行政を廃するというのが基本的なことだろうと思います。これを考えていくには、今の北海道のこともお触れになりました。昨日特にそういう個別の議論をしている訳ではありませんけれども、北海道の場合にせよその他の支分部局にせよ、それぞれ国が果たす役割は何で、地方が果たす役割は何で、それはどのように今の時点で評価できるかということをしなければならないと思います。そうなりますともう1つの問題は、もう既に議論が始まっているところでありますけれども、河川とか道路といったものを国が直轄でやるのか、あるいは地方で引き受けて頂くのかという問題になってくる訳ですが、これは今知事会との間で議論をしている訳ですが、一時はかなり議論がスタックしたという感じがなきにしもあらずであったと思いますが、その背景には、権限をどうするかという背後に、権限が来るのであれば同時にそれを裏付けするものがないと権限だけ来てもなかなか進まない、という地方自治体側の気持ちもあったと思います。そういう権限を実際行使していく時のノウハウや人材等をどうすればいいのかという問題も合わせて解決されなければ、まず権限の議論だけでは困るという自治体側の、これはいわば三位一体の時のトラウマなのかもしれませんが、そんな気持ちもあったと思います。ただ、最後は全体のパッケージでないとなかなか最終的な解決は出来ないと思いますが、そういうことを言ってもなかなか進まないので、少しモデルケースを具体的に議論していこうというのが昨日から始まっていますので、それをきちっと進めていくということではないかと思っています。

(問)やはり北海道等は入っているのですか。
(答)勿論、河川や道路をどうするかという北海道の問題もありますし、これは北海道特例のあり方等を含めて国が今何をするのかということを整理していかなければならないでしょう。

(問)関西国際空港についてですが、連絡橋の国有化に伴い泉佐野市が新たに通行税を課すと決定しましたが、それについてご所見をお願いします。
(答)私がここに来る前の話ですが、大阪府から橋の通行料金が高いことが関空の利用を阻むとまでは言いませんが、十分な利用が出来ないと、またアジアゲートウェイの中でもそのような議論があったと思います。私も党にいた時に、当時の大阪府知事からそういう要請がありました。従って、色々な形でやって従来の1,500円を何とか引き下げて800円程度にする訳ですので、今回の泉佐野市のような議論になると、かなりその効果が消えてしまうという面があります。そういう意味では残念といえばそういうことになります。泉佐野市は泉佐野市の考えがあると思います。

(問)彼らが失う税収の分を何らかの形で補填というかカバーするというお考えはありますか。
(答)これは国土交通省の持っている行政手段の中ではなかなか難しいのではないかと思います。ただ、我々が空港行政を進めていく時に、地元の自治体との関係というのは、言うなれば共存・共栄と言うと適切かどうか分かりませんが、お互いに協力し合っていかなければ出来ないので、泉佐野市が空港を地元に抱えて財政もなかなかご苦労されている訳ですから、その中でどう一緒にやれることがあるかということは考えようという姿勢は必要なのではと思います。

(問)中部空港に関してですが、昨日、次官から調査費の意味合いについて説明があったのですが、利用促進のための調査費を計上したいという次官から説明がありましたが、大臣としてもそういう思いですか。
(答)先日、中部国際空港を拝見しまして、あの地域の皆さんの色々なお考えも承ったのですが、非常に大事な空港で、立派なものにしていきたいという地域の方々のお気持ちもよく理解できますし、国土交通省としても大事な空港だから良いものに育てていきたいという気持ちは劣らず持っています。ただ、若干最近の色々な経済情勢等々もあるのだと思いますが、国内利用客に関しましては若干低迷しているということがありますので、どのようにして利用を促進していくか、もう少し押し進めていくかということは地元でも考えて頂かなければいけないです。私もこの前お願い致しましたけれども、我々としてもどのようにしたらその様な事ができるのか十分研究しなければならないと思います。ですからそういう意味合いで調査費を要求すると言う事でございます。

(問)具体的に2本目の滑走路の建設にむけた調査費というものではないということですか。
(答)この前の、名前は忘れましたが、要するに24時間化を推進するとういう事が書いてあります。24時間化というのは2本無いと完全には出来ない訳ですから、大きな視野といいますか、中にはそういう事があるわけですけれども、しかし、その前提として利用が上手く促進されない中では、なかなか現実には2本目という声にはなりにくい訳ですので、まずはどのようにして利用を拡大していくのかということではないのかと思います。

(問)大臣、冒頭に海上保安体制の強化ということを仰ってましたが、非常に保安の予算が厳しくて年内に原油高で燃料が無くなると言われている状況下でさらに強化というか実行性という意味でなかなか厳しいのでは。
(答)確かに私もここに参りまして、出来るだけ現場を沢山抱えた役所ですので、担当大臣としても現場をよく見るというのは必要かなと思っているのですが、あんまりどんどん船に乗せろというとガソリン代が十分でないというお話でございますので、あまり私が見たい見たいと言ってもいけないのではないかと、遠慮しなければならないようで、ちょっと困る事もあります。ただ、実際国の財政全体も厳しい訳ですから、本当に必要なところに大事に使っていくという事が避けられないのかなと思います。そうは言いましても、私が国家公安委員長の時も全く同じような経験をした訳ですが、やっぱり必ず人員が十分に付いてないと交番もそうですけど、船も必要な時に24時間何が起こっても直ちに出動するといった体制が組みにくいということもあります。そういう事はきちんと努力をして、予算の中でも全部綺麗に片付いてしまうような約束は予算要求の中ではしにくいわけで、少しずつ努力をして進めていくということは必要だと思います。

(問)羽田の再拡張についてなのですが、国際線の発着枠が6万回、昼間3万回、深夜3万回ということで、昼間3万回では発着枠をすぐ使い切ってしまうだろうという声が内外航空会社から出ていまして、これから各国と航空交渉が本格化してくると思うのですが、その3万という枠組みはこれからも維持する必要があるとお考えですか。それとも、ここは臨機応変にやっても良いのではないのかというお考えでしょうか。
(答)臨機応変という意味合いはちょっとよく分かりませんけれども、基本的な考え方は、羽田に関しましては今仰ったように3万回と3万回で6万回増える訳です。同時に、成田も2010年に2万回増える。22万回という事で地元ともお話ししている訳ですが、更にそれが拡充出来ないかということで、今、色々検討をしている状況ですから、全体の中で考えていく事ではないのかと思います。

(問)夏休みはどのようにお過ごしになられていましたか。
(答)今年の夏休みは非常に暑かったものですから、若干体を動かすようなこともやりましたけれども、家の中の片付けですとか、前から読まなきゃいけないと思っていた本を読むというようなことをしました。

(問)地元に帰られたりはしていないのですか。
(答)特に夏休みの間に地元に帰ったという訳ではありませんが、8月1日に就任の日は京都に午前中帰って、今月もう1回最後に帰る機会が月末にあるだろうと思っています。