ホーム >> 報道・広報 >> 大臣会見 >> 谷垣大臣会見要旨

大臣会見

谷垣大臣会見要旨

2008年8月15日(金) 10:36 〜 10:56
国土交通省会見室
谷垣禎一 大臣

閣議・閣僚懇

 今日の閣議では、当省案件に関連して、総務大臣から「公共事業の需要予測等に関する調査の結果について」ということでご発言がありました。公共事業を所管する総務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省及び環境省に対して、公共事業の需要予測等に関する調査の結果に基づく勧告を行ったということです。この勧告で、公共事業の需要予測等に用いた数値の根拠や算出過程の明確化、その他、実績値が乖離している場合の原因分析等々を求めているということで、関係閣僚は勧告の趣旨を理解して予測の精度向上に取り組んで欲しい旨のご発言がありました。これは国土交通省としても、正面から真摯に受け止めて対応しなければならないことだと思っています。私から閣議に関して申し上げるのは以上です。

質疑応答

(問)今日は8月15日終戦記念日ですが、大臣ご自身の靖国神社参拝のご予定などありましたら、教えて下さい。
(答)今日は特に予定はしていません。

(問)「日を改めて」という話でしょうか。
(答)日にちは1月1日から12月31日までありますが、「日を改めて」ということではなくて、私は時に応じて今まで靖国神社に参拝してきたことは何度もあります。私自身の祖父、家内の親族を含めまして、靖国神社に祀って頂いているということもあります。「日を改めて」ということではなくて、折に触れ参拝したことがあります。これからも、そういうことであろうと思っています。

(問)経済対策の中身ですが、どのような対策をやられるかという細目は、大分煮詰まってきているのでしょうか。
(答)8月11日の政府与党会議を受けて、今、我が省の中でも詰めているところです。基本としては、原油や食料価格の高騰に関しては構造的なものがある訳ですから、それにきちんと対応出来る持続可能と言いますか、そういうものに向けた対策を講じていくということが一番根本だろうと思っています。それから、国民生活とか、所管している運輸や建設産業等への影響をきちんと考慮しながら進めていくことだろうと思います。具体的に申しますと、一つは、物価高騰に直面している国民生活の不安を解消して、国民生活の安心安全に繋げる、実感出来るように持って行こうということです。高速道路料金の値下げですが、これについては速やかに検討を進めるように事務方には指示しています。長距離貨物輸送の利用が多い夜間の時間帯であるとか、観光、レジャーといった利用が多い休日等々、メリハリのある形でやっていく必要があるのではないかということで議論してもらっています。それから離島航路の維持・制度改革、橋等で大分老朽化したものの点検補修あるいは更新、さらには耐震化の早期実施です。これがまず一番目のカテゴリーに入るものです。それから2番目のカテゴリーとしては、低炭素社会の実現、エネルギーや資源の安定供給、それから人的資源を活用して生産性向上に結びつけていくこととか、あるいは今のような穀物高に関して、強い農業といったようなことを考えた持続可能社会の措置というカテゴリーがありますが、我が役所でこの点に関しては低公害車の普及促進・開発の促進、それから省エネ住宅や200年住宅の普及、さらにそういう既存住宅の流通等の推進といったことが2番目のカテゴリーに入るものです。それから3番目のカテゴリーとして価格変動、素材価格の変動に対応する新しい価格体系への適応をスムーズにしていくという観点から、トラック運送や航空運送における燃油高騰の対策、それから中小建設業者等々の資金調達の円滑化、そういった経営支援緊急対策といったものを含めて、今詰めているところです。

(問)8月12日は日航機の墜落事故で遺族が慰霊登山を行います。その中にはJALの被害者だけではなく、福知山線のご遺族や様々な公共輸送機関で被害に遭われた遺族6団体ぐらいの遺族の皆さんも登られましたが、今公共輸送機関での犠牲者の聖地になりつつある御巣鷹山に登られなかった理由は何かあるのでしょうか。
(答)あのような大きな事故は二度と繰り返してはならないということで、毎年航空局からも8月12日には現地に行って頂いているわけです。私も行きたいという気持ちはございましたが、まだ就任早々所管事項等々こなせていないので、十分にその時に日程を造ることが出来ませんで、航空局に予定通り行って頂いたという形です。今度また機会があれば行かせて頂きたいと思います。

(問)高速道路料金の値下げの件です。あれは元々今年度から秋を目途に予定されているのですが、そのことを指しているという理解でよろしいでしょうか。   
(答)元々やる予定でいたわけですが、こういった状況を前提として、もう少し深掘りが出来ないかということを考えています。

(問)今年度で値下げに対応した予算が既に計上されていますが、それ以外に何らかのお金を付けるということも含めて考えていらっしゃるのですか。
(答)そうですね。もう少しこういう中で全体の経済状態、あるいは燃油価格高騰が全体の物価体系に与える影響を考えまして、もう少し深掘りができないかということを検討してもらえうように今指示している訳です。

(問)海上保安庁が創設60周年を今年迎えているのですが、創設以来初めてとなるPKO派遣で先月27日に先遣隊を3名派遣し、一週間後にもう帰られているんですけれども、先遣隊の報告によって派遣する方向で今検討されているのでしょうか。
(答)この間3名が海上保安庁から行って帰ってきました。現地の話も色々聞いてきたわけですが、海上保安庁としてどういうことが今できるのか、最適な支援方法は何なのか、また向こうの要望がどこにあるのかということを検討するために行ってもらった訳でして、今その視察を前提にして検討してもらっている所です。

(問)靖国神社なんですけど、念のためですが、ここ数日も参拝はしていらっしゃらないということでよろしいでしょうか。
(答)先程私が日にちというものは1月1日から12月31日まであると申し上げましたけれども、どうしてここ数日に限定されるのですか。私は、ご質問ですからお答えしますが、ここ数日特に念頭に置いている訳ではありません。

(問)同じく靖国なんですけれども、今後行かれる場合のご身分というのは大臣としてしてか個人としてか国会議員としてかその辺りはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)あまり考えたことないですね。
(問)特に記帳とかをなさるとかそういったことは。
(答)記帳したことはない訳ではないと思いますが。今までお参りした時、私個人の気持からすると色々な気持が私個人の気持の中にあることは事実です。先程申し上げましたように私の祖父や親族も靖国神社に祀って頂いておりまして、そういう全くの純粋の私人、要するに自分の親族、そういうものに対する哀悼といいますか、そういう気持からお参りしている部分もある訳です。それから私は京都遺族会の会長という身分も持っていまして、あのような戦争で犠牲になられた方々が沢山いて、そういうご家族とも頻繁に接触を持っています。単に一個人としてではなくて国民の1人として広く戦争の犠牲者を悼みたい、そういう気持もあります。特に皆さんがおっしゃる時には先の戦争のことを言及されている場合が多いと思いますが、多少とも歴史に関心のある日本人の1人として、要するに近代国家日本を作る時以来、作り始めてから、色々な形で戦乱で倒れられたりした方がおられますので、そういう方々の行動と言いますか、そういうものを偲ぼうという気持ちもあります。以上申し上げたような気持ちを私個人としても持っておりますし、政治家としてもそういう気持を持っているつもりですので、何の資格でと仰られるとなかなか答えにくいんです。では、公費からお初穂料を出したとかそういうことは今までしていません。そういう意味では全て私のポケットマネーからお初穂料を出したりという形でお参りをさせて頂いています。ただ、気持ちとしては、個人、一私人としてと同時に公人としても戦没者を慰霊したいという気持ちで参っています。

(問)高速道路料金引き下げですが、先程深掘りと仰いましたが、財源は補正予算を想定しているのですか。
(答)その辺りは、具体的に財務省と詰めなければいけませんので、事務的に色々とやっていると思います。

(問)御巣鷹山の話に戻りますが、事故から23年経ちますが20年近く国交省の大臣が山に登っていない状況ですが、520人が亡くなった世界でもかなり大きな事故だと思いますが、その山に、先頭に立つ大臣がなぜ登らないのか分からないのですが。
(答)靖国神社に何故参るか参らないかとの議論とよく似ています。なかなか難しいことと思います。

(問)現地に行って遺族の方と話すと、これから事故調が新しく運輸安全委員会になるのですが、国交省との独立性についてどこまで独立が担保される組織なのかとの点がご遺族達にとっては気がかりなようですが、現状から言うと、今の事故調の航空部門の首席調査官というのが課長以下のクラスの方が国交省から行って、その首席調査官が戻る場合は、航空局の課長で戻るわけです。その現状で果たして独立性が担保されるのかどうか疑問に思うのですが、大臣から見てどのように独立性を担保されていくのかお聞きします。
(答)運輸安全委員会の委員は、国会同意人事になっている、これは今でも国会同意人事だったと思いますが、違いは三条委員会という極めて独立性の高い組織として創られているというのが今までと違うのではと思います。その上で、独立行政委員会三条機関として、そこの人事というのはそこが判断をすると人事権はそこが行うという形になっておりまして、制度的には今までと随分違うと思います。あとは運用に掛かってくるということではないでしょうか。少なくとも三条委員会で、しかも人事権は委員会が持つという形でより独立性が飛躍的に高まっていると理解しています。

(問)念のための確認ですが、この夏の時期に合わせて靖国神社には既に参拝を終えられたということではないのですか。
(答)終えられたというのはどういう意味ですか。
(問)15日を前に既に参拝を終えられたという意味です。
(答)それはいつからいつまでという、何年度に1回という意味ですか。
(問)この夏の時期にという意味です。
(答)この夏の時期にというのが正直よく分からないのですが、何で夏の時期なんですか。本来は私が申し上げるまでもなく、春秋の例大祭というのがあります。ですから、靖国神社のスケジュールとして、そこでお参りするのが本来の姿なのだろうと思います。