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大臣会見

谷垣大臣繰下げ会見要旨

2008年9月24日(水) 9:33 〜 9:49
国土交通省会見室
谷垣禎一 大臣

閣議・閣僚懇

 おはようございます。閣議を終えて参りましたが、今日の閣議では、当省に関係する報告事項はございません。今日の閣議では、内閣総辞職ということで辞表を提出して参りました。2ヶ月にも満たない期間ではございましたが、プレスの皆様にも大変お世話になりました。心から御礼を申し上げたいと思います。私からは以上です。

質疑応答

(問)2、3お伺いします。今日は内閣総辞職ということで1つの区切りだと思いますが、大臣はこの1年間、政調会長、それから国土交通省大臣として福田内閣を支える立場でしたが、この1年間の福田内閣をどう総括されるかということと、それから2ヶ月弱という国土交通省大臣の任にあった間の感想等があればお伺いしたいのですが。
(答)まず福田内閣の1年間ですが、やはり昨年の参議院選挙の敗北を受けて所謂衆参ねじれの中で、その重荷を背負って福田さんはスタートされた訳です。ですから、大連立構想があり小沢さんと話し合われましたが、小沢さんはお受け頂いたけれども必ずしも民主党はそれに応じられなかったということがあり、なかなか国会のねじれの中で与野党が話し合いをしながら、国民生活の今の問題に応えていくということが出来なかったということが福田内閣の苦闘の最大の原因ではないかと思います。政策面で言いますと、所謂小泉改革、構造改革というのか、あるいは小さな政府路線というものの色々な影の部分も露わに出てきたという時期で、それに対して方向の転換をしたいというのが1つの課題であったと思います。引き続き、こういう国際的な金融情勢もありますので、そのような課題をきちんと担いながら国民生活にどう応えていくかということが日本の政治の課題ではないかと思いますが、その前提として、こういう国会のねじれをどうするかということが、やはり最大の政治課題であるということではないかと思います。2ヶ月に満たない国土交通大臣の在任期間でしたので、私の本来やるべき仕事については、この役所は非常に幅広い課題を背負っていますので、色々やらなければならない課題は有るのですが、特に国会的に言えば、この秋以降通常国会まで睨みまして、道路特定財源をどのように一般財源化していくかというのが私に課せられた一番大きなテーマであったのだろうと思います。そこをきちんとやる中で国土交通行政に対する信任を回復していくということだったと思いますが、まだ十分その方向付けが出来上がらないで後任の方にお譲りする。これは少し内心忸怩たる思いが有ることは事実です。短い期間でしたけれども、集中豪雨的な雨が降って災害が起こるとか、色々なことも起きました。それから、川辺川ダムの問題に、どのように対応していくのかということも残っています。挙げるとキリがないですが、私のいる間に十分問題の道筋を付けずに後任の方にお譲りするのは申し訳ない点がある訳ですが、こういう政治情勢ですので致し方ない面もある訳です。ただ何れにせよ、国土交通省という役所が担わなければならない仕事というのは、国民生活の安全・安心を作っていく上で極めて国民生活に密接した現場も多く抱えた仕事ですので、今後ともこの役所が元気を出して、就任の時に一歩前に進んでもらいたいということを申し上げましたけれども、そういうことで進んでもらいたいと思っています。

(問)一部報道で、大臣の再任という話もありますけれども、大臣自身、麻生さんからお話しがあったというのはあるのでしょうか。
(答)全くございません。

(問)先程、道筋を付けられなかったということを仰ってましたが、2ヶ月間ではありますけれどもこの期間に自分としてはこれはやったんだというものは何かございませんでしょうか。
(答)行政は継続性ですので2ヶ月の間に「俺はこれをやった」と鼻高々で申し上げるようなものとも性格が違う訳です。ただ、新しい内閣改造がありました時に緊急総合対策を作らなければいけないというので、一応これは形にして補正予算を組むということになった訳です。もっとも、この仕事も今まで政調会長時代に色々党内で議論していたりしたことを、内閣改造の後、与謝野さんが中心になってまとめられたということですので、やはり継続性の中での仕事だったと思います。

(問)総裁選の結果ですが、麻生さんが大体7割近い得票で地方票も9割以上取ったのですけれど、その結果については政治家として大臣どのようにご覧になっているのでしょうか。
(答)麻生新総裁が誕生したということは、一つは麻生さん4度目の挑戦ですよね。やっぱり粘り強く初心を貫徹しようというか、自分が日本国を引っ張っていこうということで努力をされてきた。そのことに対して多くの国会議員あるいは党員が、これだけ頑張ってきたのだからそろそろトップに立ってもらおうじゃないかという気持が一つ現れていると思います。それからもう一つは、やはり先程申し上げましたような構造改革路線の影の部分と言いますか、格差が生じたり色々な問題が出て来ていることに対してメッセージを力強く出されたということの2つがあるんだろうと思います。ですから、そういうことを踏まえた上で今度の麻生政治というものが展開されてくるんだろうと思います。

(問)結局大臣はどなたを支持なさったんですか。
(答)私は与謝野さんに一票投じさせて頂きました。

(問)補正予算ですが、補正予算をいつ通すかということで解散総選挙の日程も変わってくると伝えられていますが、大臣はその件についてどのようなお考えですか。
(答)ここはクリアカットに考えていくのはなかなか難しい面があります。一つは補正予算はこういう経済情勢でもあるし、国民生活に対応するためにきちっと早期に通していかなければならないということがあると思います。麻生新総裁もそれについて非常に強い意欲を示しています。ただ、予算というものは国会で通していかなければいけないので、今までの与野党間の関係で見ると、いつどのような形で通っていくかというのは予測が難しいところがあると思います。また、与野党間の信頼関係というのも十分築き上げられていない面があるように思います。だから福田さんはお辞めになった訳でありますので、なかなか通常の形の話し合いの中で予算をスムーズに成立させていく道筋が出来るのか出来ないのかと、それが難しいということになると、国民の信を問うということもなければならないということになって来るのだろうと思います。ですから、やってみないと分からないというところがあるのではないでしょうか。

(問)与謝野さんに1票を入れた理由等をご説明下さい。
(答)結果が出た後で色々と言うのもいささか言いにくいところがありますが、与謝野さんと私は基本的に似たような政策の方向と言いますかそのような感じを持っていまして、政調会長時代あるいはその前に財務大臣していた頃、与謝野さんとはある意味で呼吸を合わせながら同じような流れを追求してきたということが基本にあります。色々候補者の主張されている事を検討させて頂きましたが、やはり与謝野さんが主張されていることが自分の考えに一番近いということです。

(問)やはりまず財政再建をという。
(答)財政再建をという議論でございますが、必ずしも財政再建一本槍を与謝野さんが言っている訳ではありませんで、与謝野さんのお考えに私もそう思っている訳ですが、基本的に上げ潮と言われている考え方や、小さな政府と言われている考え方がある訳で、それと財政規律というと極めて共通しているように見えますが、例えば社会保障等々に関しては、小さな政府というのはいささか限界に来ているのではなかろうか。勿論無駄は省かなければなりませんが、国民生活の安全・安心という意味では、大きな政府とは言わないにしても、中くらいの政府、そしてそれに対する負担というものを考えて行く必要があるのではないかと。そういうことだと思います。ですから大きく言えば、我が党の中の流れは小さな政府で財政規律だという考え方と、それよりももう少し大きな政府で財政規律が必要だという考え方と、今の時局的というか今の流れから見ればもう少し大きな政府でなければいけないけれど財政規律を云々するより先に緊急避難をやらないといけないという、大体3つの考え方があるように思います。それは政治ですからその時その時の状況で見てあまりこの原則に固執するということではいけないと思いますが、そういう大きな流れの中では私と与謝野さんは共通の点が非常に多いということです。

(問)そういう中で、麻生新総裁、今日総理になられると思うのですが、どういうことを期待されますか。
(答)麻生さんの第一の使命というのは、選挙にこれから臨んでいく訳ですから、麻生さんの大きな武器は明るさですよね。笑顔が良いということでありますから、政治というのは国民に希望を示さないと出来ませんから、そういうことを示して選挙に勝ち抜くということが麻生新総理総裁に課せられた一番大きな使命ではないでしょうか。