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大臣会見

中山大臣会見要旨

2008年9月26日(金) 10:51 〜 11:21
国土交通省会見室
中山成彬 大臣

閣議・閣僚懇

(大臣)本日の閣議におきましては当省関係の議案はありませんでした。ちょっと私の方から申し上げたいことがあります。まず昨日の私の発言につきまして国民の皆様方にご迷惑をお掛けしたことを申し訳なく思っています。発言につきましては昨日のうちに誤解を招く発言であったので撤回しますとお知らせしたところです。本日の閣議後の懇談会におきまして、誤解を招くような発言は慎むようにようにという河村官房長官の発言がありましたので、私も今後とも気をつけますと申し上げたところです。私からは以上です。

質疑応答

(問)官房長官の発言は閣僚懇ということでよろしいでしょうか。確認なんですけれど、ご迷惑をお掛けして申し訳ないという点と撤回される発言というのは、成田、日教組それから単一民族、この3つでよろしいでしょうか。
(答)そうですね。ちょっと言葉足らずと言いますか、言い過ぎた点も含めて撤回させて頂きたいと思います。

(問)所管事項ということで2つあると思うのですけれども、成田空港の問題と単一民族ということで北海道のアイヌ民族がありますけれども、この2つの問題に関する大臣の認識を改めて聞かせてください。
(答)成田空港問題につきましては、昭和41年の閣議決定以降、住民の方々に十分な理解を得ることなく空港建設を進めたことによって端を発したということを深く認識しております。成田空港の建設過程では賛成派と反対派の対立構造が深刻化するとともに過激派の介入を招くなど様々な問題が発生し、地元の方々にご苦労をお掛けしたという歴史的経緯がある訳です。国としてはその後、成田空港シンポジウムやあるいは円卓会議等を通じて話し合い続けてまして、その解決の努力をして参ったところです。その結果、これまでの対立構造の解消が図られ、地域と空港の共生という理念の下に、現在では地域の方々のご協力を得ながら空港を建設、運用するという新たな時代が到来し、平成22年3月にはこの平行滑走路を北進しまして、2千5百メートルの滑走路として供用することになっています。以上を踏まえまして、昨日の私の発言は誤解を招く表現であったということで撤回をさせて頂いたということです。アイヌ民族に対する私の認識如何ですが、どちらかと言うと対外的な交流が少なかったと、内向きな国民になっているのかな、という思いもありましてああいう表現をしてしまったんですけれども、アイヌの人々というのは、日本列島の北部周辺、特に北海道に先住しまして独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族であったということは認識しています。我が国が近代化する過程におきまして公的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上ったという歴史的な事実を重く受け止めて、国土交通省としてはこれまでアイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を目指してアイヌ文化振興等に関する施策を文部科学省と連携し、推進してきているところです。先般6月6日の「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」や官房長官談話などを踏まえ引き続き関係省庁と連携し、アイヌ政策の推進に努めていく所存であります。昨日の私の発言につきましてはこういったことも含め、誤解を招く恐れがあるということで撤回をさせて頂いたということです。

(問)大分県の県教委の発言もございましたが、改めてそれに関するご所見、ご見解をお願いします。
(答)これについても発言は撤回しておりますので、これ以上発言することは差し控えさせて頂きたいと思います。

(問)まず発言を撤回される自分の発言の内容を、どういう発言をされたのかというのを教えて頂けますか。
(答)正確には覚えてませんが、あれはこれからの日本の観光立国についての質問者が日本は内向きな民族で外国人を受け入れにくいのではないかとの質問だったと承知しています。それに対しての私の答えは確かに日本人は島国にあって長年日本列島に住み着いてきて世界との交流が少なかったということが、外国人に対してちょっと構えるところがあり、国際交流の妨げになっているのか、と自分自身のことも含めて自覚があったので、昨日の発言になったということです。空港問題については、全般的な日本の社会的なインフラの整備の遅れということに関しまして、やはり公のためにはある程度自分のことを犠牲にしてでも尽くすというような精神が必要なのではないかと日頃思っているので、空港だけでなく道路拡張等での事態を念頭に置いた発言だったのですが、誤解を招く表現だったということで撤回をさせて頂きました。

(問)誤解を招いて撤回というのはよくあることだと思いますが、言葉足らずで誤解を招くのがよくあるのですが、結構長めにお話になって結構長い部分を全て撤回されるというのはお気持ちとしてはそういう気持ちがあるということではないのですか。気持ちがあるのだが社会情勢上批判があるので撤回なさったのか、それとも全くの誤解だったのかどちらですか。
(答)私人としての発言と公人としての発言はしっかり区別して発言していかなければいけないということは改めて認識をさせて頂いたところです。

(問)昨日発言されたのは私人中山成彬さんのお考えだということで宜しいでしょうか。それを、国土交通省の記者会とのインタビューの中で私人中山成彬さんとしてのお考えをお話になった。
(答)その辺の自覚が不十分であったという反省はしています。

(問)先程、公のためにはある程度自分の考えを犠牲にしてでもと仰っていましたが、一部報道にあるように中山さんは始め他の大臣を打診されていたのを断ってこちらの大臣になったとありますが、それも「ごね得」だったのでしょうか。
(答)その辺の所は発言を差し控えたいと思いますが、内閣改造の過程では色々な折衝があったのかとの認識をしています。

(問)先程、アイヌ民族や成田の反対闘争に係わった方への謝罪の言葉はありますが、大分県教委への謝罪の言葉はありませんが何かありますか。
(答)汚職事件が調査中、係争中ということですので、またこれについては所管外ですので発言を控えさせて頂きます。

(問)改めて単一民族と発言したことについての真意をお願いします。
(答)外国にいると分かりますがニューヨークの街角に立つと民族の坩堝といいますか色々な方がいます。あのような風景に比べると日本に帰ってくると単一といいますか、大体風貌が似ていて同じような人々が住んでいるなとの認識でついつい単一という言葉を言ってしまったのです。単一ということではなく色々な人がいるのですが大体似通っているなと。何れにしても日本列島に色々なところから来て日本民族が出来たのだろうと認識しています。

(問)先程、公のためにある程度自分を犠牲にするという思いを持っていたと、かつ道路拡張等も各地でそういうことがあると仰いましたが、空港の件に限らず道路等公共事業一般についても同じようなお考えを今でもお持ちということでしょうか。
(答)最後にさせて頂きたいと思いますが、個人的なことを申し上げてよろしいですか。私は宮崎県小林市の小さな農家の出身です。父親が早く死にましたから母親が5人の子供を抱えて頑張っていましたが、市の方の道路拡張があり先祖代々の宅地が半分以上削られました。そして小さい頃から私も、薩摩芋の草取りや桑の葉を摘んだり種を植えたり色々な農作業をした長方形の三反歩位の田んぼが斜めに横切る道路が出来るということで使えなくなったのですが、その時母親が大変嘆き悲しんでいました。私はまだ幼かったので母親の手伝いが出来なかったことは大変残念に思いながら、しかし市の方でそのような計画があるならそれはそれに従うべきではないのか、お袋を説得したそういう記憶があります。そういうことで、先祖代々の農地に対する農家の方々の強い思いというのは人一倍よく分かっていると思っています。そういった中で、ああいう発言をしてしまったということは申し訳ないと思っていますので、発言を撤回させて頂きました。これ以上のご質問は勘弁頂きたいと思います。

(問)麻生総理から何か言われたりしたことと、また千葉県の堂本知事から何かお話しになりましたか。
(答)本日午後に来られるということですから、色々と真意をご説明してご理解頂きたいと思います。

(問)昨日別の部分で、タクシー業界ですが「ずうっと客待ちをしているタクシーの運転手のことを考えると、他に仕事があればそちらに行きたいんだろうなと思う」というご発言がありましたが、これは一生懸命やっているタクシー運転手の方に失礼ともとれるご発言かと思いますが、意図と訂正や撤回等されるおつもりはありますか。
(答)そういうお考えになりますか。私はむしろ、国の責任としても長い間タクシーの中で客待ちをしておられる方々に、もっと待遇の良い状況が作り出されないという事に対し、歯がゆいといいますか申し訳ないという思いでああいう発言をしたということです。

(問)小泉元総理の出馬断念について何かご感想はありますか。
(答)私も長い間お付き合いがありました。小泉元総理らしいご決断、出処進退であると感じました。

(問)昨日夜になり発言の撤回がありましたが、これはご自身で撤回した方が良いと思われたのでしょうか、事務方から何らかのアドバイスがあったのでしょうか。
(答)特にアイヌの方々が不快の念を持っておられるという話を聞いて、それは自分の意図するところと違うと思ったわけですから、全部の発言を記憶しているわけではないですが、もしそういうことがあったとすれば、これは直ちに撤回すべきだとそのように自分で判断しました。

(問)それはそのように事務方の方からそういうお話しがあって、ということですか。
(答)はい。このようなことで入っていますということでしたから。

(問)それがなければ、ご自分では撤回するという所まではその時点で考えはなかったということでしょうか。
(答)一度発言したことはなかなか口の中に元に戻りませんから。そういうこともありましたし、先ほども申し上げましたが、単一民族というか、何と言えばいいのか適切な言葉を探していましたが、続けて内向きという言葉を使ってしまったのですが、その間に長年この日本列島というどちらかと言えば世界から隔離されたところに住んできてて、対外的な交流もなかったということが内向きな国民性をつくったのかなという思いがありましたので、言葉というのは受け取る人によっては違ったように受け取られて、非常に不快な念を抱かせるのだなということについて改めて認識させて頂いたということです。

(問)麻生総理もかつて単一民族発言をなさっていらっしゃいます。これもやはり不適切な発言でありますがどういうご認識でしょうか。
(答)自分で発言しながら麻生さんの発言や中曽根さんの発言等、これは問題になるなと思いましたが、なんと言い換えたらいいのか直ぐに言葉が見出せなかったということです。

(問)この一連の発言撤回、敢えて問題発言と言わせて頂きますが、これは内閣、政権への影響についてご自身の中でどう思われますか。
(答)私の責任においてそういった影響が出て来るということは申し訳ないと思いますが、何とか誤解を解いて国民の皆様方にご理解頂く努力をしなければいけないと思っています。

(問)誤解と仰いますが、私人としてはやはり公のためにある程度皆自己規制と言いますか、公や国家の為には自己規制というものが必要だというお考えだという、思想信条
問題になるかと思いますが、その点は如何ですか。
(答)これは自分の政治信条でもありますので、これは変わらないと思います。

(問)公のためにある程度個人の自由を規制されるという。
(答)世のため人のために働きたい、尽くしたいという思いで政治家になったのでその点は変わりません。

(問)しつこいようですが、先ほどから聞いてますと、勿論所管外ということもあるんでしょうけど、大分県教委に関する発言については何となく言及が少ないようです。まず確認ですが、これも撤回されるということで宜しいですか。
(答)はい。

(問)そういう考え方を持っている方も多いと思いますけれども、今回、大臣があっさり発言を撤回されたということで、あえて残念だという声は大臣の耳に入らないのですか。
(答)成田のことについて私は発言をしましたけれども、外からしか見ていなかったので、成田闘争、最初に成田に決めた経緯とか、本当に政府が悪かったと思っていますけれども、その経緯については、よく知らなかったものですから、特に最近、地域の方々と協議しながら前向きに建設的にやっていこうとになっていることまでよく認識していなかったものですから、特に、この点については本当に申し訳なかったと思っていますので、撤回させて頂くということです。

(問)学力テストについても先日言及されて、「もう役目は終わった」と発言されていますが、そこについては。
(答)これは文科省が決めることで、私がそんなよけいなことを言ってはいけなかったです。

(問)単一民族という発言は、真意では無かったとしても、かなりアイヌ民族の方々については、そこら辺の知識を、ああいう有識者懇談会が出来た中で発言されたというのは非常に、大臣としてどうなのかという意見が出ていますけれども、ご自身の進退とか、その辺については今時点ではどのように考えられているのでしょうか。
(答)色々な民族性がこの中にあるので、色々な人達がやってきて日本というのは形作られ日本人が出来たという基本的な認識は持っています。

(問)道路特定財源の一般財源化について、当然福田内閣で決めたことなのですけれども、やっていくという発言の一方で、地元の現状なんかもフォローされていましたけれども、改めて59兆円の中期計画の今後の圧縮についてどのようにお考えになっていくのか、先日の就任会見でも、年々減っていくのだというお話をされていましたが、改めてそれについてお考えを聞かせてください。
(答)繰り返しになりますが、道路特定財源を一般財源化するという方針は変わらない訳ですけれども、その中において、宮崎県だけではないですが、各地で、都会も含めてもっとこういう所に道路を造って欲しいという地域住民の声が非常に強いということを聞いていますので、出来るだけ道路予算を獲得していきたいと思っていますし、具体的にどうするかということを、今精査中だと聞いていますから、そういったものが出た段階で考えていきたいと思っています。

(問)道路特定財源の一般財源化について、まだ大臣の方に若干の未練があるのかなという感じも受けたのですが。
(答)心の中ではそう思っていますけれども、閣僚の一員として、決まったことですから、これは当然従わなければいけないということだと思います。

(問)ある程度予算が圧縮された部分というのは、例えば社会福祉に回すとか、そういった大臣なりのお考えはあるのでしょうか。
(答)それはみんなで相談しながら決めていくことですから、私がどうこうということは今の段階では言えません。

(問)地方の道路整備というのは大変重要だという認識はあるのですが、一方で第2東名とか第2名神のような大都市圏を結ぶような道路はかなり高コストとなりますが、そういったことも進められているのでしょうか。その辺について思われることがあればお願いします。
(答)それについては、まだ私もよく分からないのです。最近あの辺は高速道路にも乗っていないので。一番最初に東名高速道路に乗ったのは昭和43年でしたか。向こうで勤務している時に乗せて頂いて、これからいよいよ日本も高速道路の時代が来るのかなと思ってから40年ですけれど。どうやっていけば良いのか、日本経済の発展ということも考えて、その中において道路はどのように続けられるのか、地域の方々はどのように考えていくのか、そういったことも考えてやっていかなければと思いますけれども、まだ私は詳しく聞いていませんので、不勉強ですから。あまり確たることは申し上げない方が良いと思います。

(問)地方の道路整備の方を重視すべきではなかったのかという考え方は無いのですか。
(答)それはありません。

(問)今回の問題で辞任されるという意思はあるのでしょうか。
(答)ありません。

(問)日教組の強いところは成績が低いというご発言があったのですが、これは大分と関係無いと思いますが、どのような趣旨で言われたのでしょうか。
(答)調べてもらいたいと昨日申し上げたのです。

(問)事実だというご認識ですか。
(答)調べてもらいたい。私の口から言うのは差し控えたい。

(問)ただ、それは実際に仰った訳ですから、そういうご認識で、もちろん文部科学大臣をなさっていて、そういう事実関係もご存じでしょうから、もしそれが事実だったら教えて頂きたいのですが。
(答)事実かどうか、文部科学省に聞いてください。相関関係がどうか。私も少しは知っていますけれども、大臣ではありませんのでそういうことを発言するのは差し控えますけれども、皆様方の方で調べて頂ければ良いのではないかと思います。

(問)私は管理教育のメッカで生まれ育ったので、日教組ってよく知らないのですが、日教組ってそんなに悪いのですか。
(答)所管外ですから、これ以上は荒立てたくないので勘弁してください。