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報道・会見
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田端長官会見要旨

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最終更新日:2019年9月26日

日 時: 2019年9月18日(水) 16:15~16:55
場 所: 国土交通省会見室 田端観光庁長官

会見事項

(訪日外国人旅行者数(令和元年8月)について)
  • 本年8月の訪日外国人旅行者数は、252.0万人となり、2018年9月以来11ヵ月ぶりに対前年同月比でマイナスを記録した。
  • 中国が個人旅行の増加等により、2ヵ月連続で単月として100万人を突破したほか、シンガポール、フィリピン、ベトナム、インド、ロシアで対前年同月比20%を超える伸び率となった。
  • 一方、韓国では団体旅行のキャンセルに加え個人旅行の訪日控え等により、対前年同月比でマイナス48.0%となったほか、香港では「逃亡犯条例」改正案を巡る抗議活動の影響があるなど、一部の市場でマイナスとなった。
  • 引き続き、2020年4,000万人等の目標達成に向けて、国際観光旅客税の税収等も活用しながら、国と地方、民間が一体となって高次元の観光施策に取り組んで参る。


(第11回観光庁長官表彰について)

  • 観光庁では、魅力ある観光地づくり、内外からの観光客の誘致、訪日外国人の受入環境の整備など、観光の振興に貢献し、その業績が顕著な個人及び団体に対して、毎年、観光庁発足日である10月1日にあわせて「観光庁長官表彰」を実施している。
  • 本年は第11回目となるが、その受賞者を5件決定いたしたので、発表する。
  • 1件目は、「チームラボ 様」。チームラボはデジタル技術を駆使したアート展を国内外で開催している。
  • その作品は非言語かつ五感で体感するものであり、年齢や国籍に関係なく楽しむことができる。
  • チームラボのアート展を訪れることを目的に日本を訪れる外国人旅行者も多く、インバウンドの拡大による観光振興に寄与されている。
  • 2件目は、「大地の芸術祭実行委員会 様」。同委員会は、過疎高齢化で悩む、新潟県越後妻有(えちごつまり)地域において、世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」を運営し、「文化・芸術による地域づくり」に取り組んでいる。
  • 2000年から2018年まで、計7回開催しているが、回を重ねるごとに入込客数は増加し、地域に大きな経済効果をもたらし、観光振興に貢献されている。
  • 3件目は、「春蘭の里実行委員会 様」。同委員会は1996年に石川県能登町において、地元の有志にて設立され、里山の景観を守りつつ、農家民宿や交流体験等を通じた「農泊の持続的なビジネスモデル」を確立されている。
  • 近隣市町にも農家民宿群の形成を目指す動きが生まれるなど、他地域にも波及しており、長きにわたって農泊分野における先駆者として、観光振興に寄与されている。
  • 4件目は、「ソースネクスト株式会社 様」。ソースネクスト株式会社は、AI多言語通訳機の「POCKETALK(ポケトーク)」を開発し、テクノロジーを介して、通訳サービスを提供している。ポケトークは74言語に対応し、インバウンドの日本滞在中における困りごとで多い「施設等のスタッフとのコミュニケーション」という課題の解決に大きく寄与されており、技術によって観光振興に貢献されている。
  • 5件目は、「首都圏外郭放水路利活用協議会 様」。埼玉県春日部市にある首都圏外郭放水路は、地域の浸水被害軽減を目的に建設された世界最大級の地下河川であり、国の防災管理施設である。
  • 公的な防災管理施設としては全国で初となる「民間運営見学システム」による社会実験を行っており、「インフラツーリズムの拡大」に取り組んでいる。
  • また、この施設は「地下神殿」と称されており、地域の観光資源の核として、周辺地域の活性化にも寄与されている。
     

質疑応答

(問) 韓国の48%減について、かなり大幅な減少であるが、この数字に対する受け止めと、これほどの減少幅となった過去の事例があれば教えて欲しい。

(答)
  • 韓国については48%減となり、主な要因としては、団体旅行等、多数の訪日旅行のキャンセルが発生したこと、また、先月7月から発生した新規予約の減少の影響が現れたことが挙げられる。
  • 数字上、どのくらいの減少幅が過去にあったかは確認するが、48%減という大きな数字になったことについては、今申し上げた色々なキャンセルなどがあったということである。

(問) 今後の見通しや対策があれば教えて欲しい。

(答)
  • 今後の見込みについては、日韓航空路線の更なる運休や減便が予定されていることが1点と、もう1点が、JNTOソウル事務所による航空会社や旅行会社等へヒアリングを行い情勢分析をしているが、訪日旅行のキャンセルや新規予約の減少が見られるといった状況と聞いている。
  • 加えて、韓国からのアウトバウンド全体の伸率が昨年7月以降鈍化傾向にあるということ、他のデスティネーションではベトナム等との厳しい競争関係にあるということ、ウォン安・円高の状況等、様々なマイナス要因があり、状況を注視しているところである。
  • 観光庁としては、韓国との観光交流の推進のため、日本各地の魅力の発信、リピーターのさらなる取込みなど積極的に取り組んでいきたいと考えている。

(問) 元々、月ごとの数値の4分の1くらいを占めていた韓国人客が大幅に減少ということであるが、2020年の訪日外国人客4,000万人という目標に向けて、今回の減少がどういった影響・インパクトを及ぼすとみているか。

(答)
  • 韓国に関しては、団体旅行のキャンセルに加え、個人旅行者が韓国は非常に多く、85%くらいが個人手配であるが、そこの部分で訪日の控えなどがあり、48%減となった。
  • 今申し上げたように、観光関係における人的な交流は、国と国との相互理解の基盤であり、韓国との交流を通じて両国民の相互理解が進むよう、引き続き、日本政府観光局がホームページやSNSでの情報発信、また、韓国の旅行会社等との連携の継続、さらに今後の現地の状況に応じて、プロモーションを強化していきたいと考えており、引き続き努力していきたい。
  • 一方、訪日外国人全体でみると、本年1月から8月までの旅行者数は、過去最高の2,214万人となり、そのうち中国はプラス13.6%、東南アジアはプラス9.9%、欧米豪はプラス11.0%と堅調に推移してきている。
  • 昨年の災害の際にも東アジア各国からの観光客が一時減少したが、昨年も欧米豪や東南アジアは対前年増が続いてきた。
  • 当時の教訓から、幅広い国から観光客の誘致に取り組んで行くということが大事だと考えており、特に今週20日からラグビーワールドカップ大会も始まることから、日本政府観光局を中心に誘客に取り組んでいきたいと思っている。
  • 2020年の目標達成を目指して、引き続き受入環境という意味では、多言語対応あるいは無料Wi-Fiという点、また、色々なリピーターに色々な各地域を訪れていただくため、スノーリゾートの再生など地域の観光コンテンツの充実といったことをしっかり進めていきながら、2020年4,000万人の目標達成を目指して政府全体で取り組んでいきたいと考えている。
 
(問) 訪日韓国人客の減少は、ある程度中国などでカバーが可能と考えているということか。

(答)
  • 先程申し上げた通り、韓国については、数字上、8月の実績が良くない状況にあるが、人的交流は両国間の基盤であり、個人旅行者が全体の85%を占めている韓国市場において、日本政府観光局あるいは観光関係者でもってしっかり取り組んでいきたいと考えている。
  • 8月30日に日中韓観光大臣会合が仁川で開かれ、石井前大臣が参加されたが、この中でも、あわせて行われた日韓観光大臣会合において人的交流は両国の相互理解の基盤であり、両国に様々な課題があっても、両国間の信頼を基にした観光交流は重要である、ということについて両大臣で認識が一致した。
  • 今後とも双方向の交流の推進のために両国で努力していくということで様々な意見交換を行ったところであり、我々としては引き続き韓国との観光交流の関係については努力していきたい。
  • 一方、堅調に推移をしている中国については、特に地方路線も含めた航空路線が今後も充実していくことから、堅調な伸びが期待できる所については、我々としても観光振興、インバウンド政策をしっかり進めていきたいと考えている。
  • 欧米豪はじめ今のところまだボリュームが大きくない地域についても、グローバルキャンペーンということで、日本を認知してもらい、日本の良さをできるだけ広めていくことにより、滞在が長いと分析されている欧米豪の方々に多く日本に訪れていただくことが重要だと考えている。
  • そのためにも、ラグビーワールドカップが20日から開催されるが、特に初めて日本に訪れるヨーロッパの方々なども多いと聞いているので、この機会を次のチャレンジに結びつけていきたいと考えている。
 
(問) 先程の見通しの中で、航空路線の3割減便が予定されているとのことであるが、韓国からの訪日客は今後も厳しい状況が続くであろうという考えか。

(答)
  • 航空路線については、日本・韓国間については、近隣であり地方空港のLCCによる往来が非常に多かった。
  • 今後の見通しというところでは、9月第1週の運行便数を見ると、昨年と比べて15%程度少ない供給量となっている。
  • この点は航空会社で旅客数との関係を見ながら航空便数を決めていくところがあり、にわとりと卵のような関係があるが、現状の流動においては、運行便数を減らしているという傾向がある。
  • 我々としては、航空の座席量は重要なので注視していくが、逆に相互交流の数字が堅調にいけば、航空便数も復活あるいは増便することも考えられるので、両国の観光振興をしっかり進めていきたいと考えている。
 
(問) 先程人的交流について強調されたが、事実上、日韓関係が良くなる気配が見えていないがどう受け止めているか。また、例えばソウルなど韓国に直接訪問してプロモーションするといった計画はないのか。

(答)
  • ご指摘のあった日韓関係については、色々課題がある中でも、先程ご紹介した石井前大臣と韓国の朴長官の両大臣の間で、人的交流は両国の相互理解の基盤であり、しっかりと観光交流を進めていくということで認識が一致しており、そういった意味で、人的交流あるいは文化交流といったことを我々としてもしっかりと進めていくことが重要である。
  • また、民間同士での交流も役割として重要であり、日本旅行業協会(JATA)、韓国旅行業協会(KATA)、また、インバウンドを担当している日本政府観光局(JNTO)、韓国観光公社(KTO)といった方々は、民間レベルでの協調をしっかりしていこうと取り組まれており、官民挙げてしっかりと観光交流を進められるよう、我々としても努力していきたい。
 
(問) 日本から韓国への旅行者の動向について、先月までは累計でプラスであるが7月は新規の予約が減っているということだったが、8月を含めて詳細を教えてほしい。

(答)
  • 日本から韓国へのアウトバウンドについては、日韓関係で諸課題がある中でも8月までは堅調に推移している。
  • 統計ベースでいくと、1月から8月までは、日本人アウトバウンドは22%プラスになっている。
  • 8月分は韓国観光公社による正確に分析した数字ではなく、韓国の法務部がタイムリーに出している9月16日付の数字によると8月もプラスで、引き続き順調な伸びを示している。
  • 今申し上げたようにいろいろな課題があるが、日本旅行業協会やアウトバウンドビジネスをされているOTAなどにお聞きすると、韓国へ訪問される方について若い女性の方など人気が高く、堅調な伸びを示しているとお聞きしている。
  • 日本と韓国の相互交流も大事で、相互交流がしっかりしていれば航空路線を維持できたり、増やしていくということにつながるので、そういうことにしっかりと取り組んでいきたいと思っている。
 
(問) 確認であるが、22%プラスというのは、前年同期比ということか。

(答)
  • 前年同期の1月から8月までの累計の比較である。
 
(問) 関連で、具体的に1月から8月の人数と、8月は何パーセント増なのか。

(答)
  • 8月単月の日本から韓国へのアウトバウンドは4.8%増。
  • 7月と比べると伸率は鈍化しているが、ただ先ほど申し上げたインバウンドの数字との比較をしていただくとお分かりかと思うが、日本から韓国へ訪れる方々については引き続き強いニーズがあり、プラス4.6%という堅調な数値を示していると理解している。9月以降も同じように取り組んで参りたい。
  • 1月から8月までの人数は、226万人となっている。
 
(問) 先日、韓国を訪れた日本人旅行者が暴行を受けた事件があったが、これについて受け止めは如何か。

(答)
  • これについては我々としても非常に残念なことである。それぞれの国において、自国を訪れていただくインバウンドのお客様に対して、快適、安全に旅行できるというのは、非常に重要であるので、その旨を韓国の観光担当部局に対して問題意識を投げかけているし、韓国の方々が日本に来た時に安全な旅行を確保するというのは我々としても重要なことだと考えているので、お互いにしっかりやっていくという認識で一致をしている。
 
(問) このマイナスというのは今後拡大していくのか、あるいは縮小に向かうのか、期間はどれだけなのか、そのために何が必要なのかお伺いしたい。

(答)
  • 今後の見通しについて申し上げるのは難しいところ。だが、我々としてはきちんとできるところを官民挙げて取り組んでいく。
  • 特に韓国は、近隣の国であってリピーターが多い、韓国人の6人に1人は日本を訪れておりしかもFIT(個人客)で東京、関西以外の地方空港のLCC路線を利用して来られる方も多いので、FIT客向けに発信面でSNSなど活用しながら手を打っていきたいと思っている。
  • それぞれのマーケットでできることをしっかりと取り組み需要喚起をしていきたいと思っている。
 
(問) 韓国からの誘客対策で具体的にはこれから何をされるのか。前回の会見では日韓共同の広告事業が停滞しているとのことだったがこの辺の取り組みを含めてお願いしたい。

(答)
  • 通常、インバウンドプロモーションや誘客施策ではキャンペーン的に行うことが多く、航空会社が地方空港を含めて新規路線を開設するときに、新しい路線の認知度をあげるため、割安のキャンペーン価格を出すことがあり、日本政府観光局(JNTO)が共同広告ということで一緒になってやる。
  • 韓国の航空会社とタイアップでやる共同広告についてそのタイミングを待っているということを前回申し上げた。
  • 我々としてはそうした状況の中においても、FITの個人旅行者は、ホームページやSNSなど直接情報を取りに行って旅行を決めていくことが多いので、今の時点ではJNTOのホームページやSNSによる情報発信をしっかりとやり、個人旅行者に訴求していくということと、関係旅行会社との連携を継続しているところ。
  • 共同広告も効果的な施策なので現地の状況を見ながら、手を打てるタイミングをうまく見据えて進めるべく、JNTOの方でも準備をしている段階である。
 
(問) 韓国からの観光客は日本全体的に減っているということなのか。都市部中心に団体客が減っているということか。地理的な特徴があれば教えてほしい。

(答)
  • 韓国の方々が日本のどの地域を訪れるかというところのウェイトとほぼ同じ状況である。
  • 今までの実績で韓国の割合が多いところは、影響が大きく出ているということ。
 
(問) 先ほど出た航空機の15%少ない供給量ということについて、日韓の双方の合計の便数か。

(答)
  • 韓国の航空会社の日韓間の運航便数が昨年と比べて15%減ということ。
  • 日本と韓国の航空路線の比率について、韓国からはアジア各国に多くのLCCが出ており、今回の夏ダイヤでみると日本のキャリアの便数は、5.5%、韓国キャリアの便数が95%というぐらい韓国のLCCの割合が多いということで、そこが9月第一週時点で15%減であった。
 
(問) 今回の韓国の減少が、2020年の政府目標に対する直接のインパクトということについてはどうか。

(答)
  • 見通しについて申し上げることは難しいところ。数字が落ちているという点も月別に見るといろいろな国で落ちていることもあるので、現下の情勢を我々としてもしっかりと注視をしていかなくてはいけないと思っている。
  • そうした意味で情勢の分析もしっかり行っているが、先ほど申し上げた官民を挙げてということで、特に民間交流の関係の方々とは、相互交流をしっかりやっていくことが大事だという共通認識であるので、しっかりとそのあたりの良い面のアピールをしたうえで、両国の旅行者が相互交流による訪問をしてもらうということを進めていくことが大事だと思っている。
 
(問) 今回の韓国の減少率マイナス48%は、これまでで最も多い減少幅の数値か伺いたい。

(答)
  • 2011年3月の東日本大震災を受け、そのあとの数字で見ると、韓国に関して申し上げると、2011年3月がマイナス47%、4月がマイナス66%、5月がマイナス58%ということがあった。震災直後で影響が大きかった。
 
(問) 今回の韓国の落ち込みは2020年の目標に影響が出てくると思うが、例えば政治的なリスクがなさそうな東南アジア諸国の訪日客を誘引するような施策に力をいれていくなどの考えはあるか。

(答)
  • 堅調に増えてきているところは、過去からの施策であるとか、あるいはお話のあった東南アジアは経済成長もあり日本を訪問される方も増えてきているというベースがあり、そういう国に関しては、航空便の路線もLCCなど増便や新規で入ってきたりと、好循環で回ってきているところもあるので、やはり好調にきているところは、いろいろな施策を総合的に打ったうえで、伸ばしていきたいと思っている。
  • そういう意味で好調な国については引き続き、効果があると思うのでしっかりと対策をとりたいと思うが、国別にマーケットの状況が違うので、香港や韓国などそれぞれの国の事情も注視しながら、そのタイミングでとるべき手をしっかり打ってそれぞれ伸ばしていくということ、これが我々としての方針である。