ボランティア活動がチームワークとリーダーシップ醸成に貢献
ボランティア活動の下地はできていた
2002年にできたNECグループのファミリーフレンドリー休暇制度は、従来の医療看護事由に加え、配偶者出産など本人・家族の疾病予防、家族の介護、授業参観など家族の学校行事、ボランティアを対象事由に追加したものである。有給とは別だが、平日の就業時間中に取れる休暇として社員の間で定着している。
また、社会的課題に事業で取り組む社会起業家育成と人づくりを目的としたNEC社会起業塾(2002年スタート)など、社会貢献活動にも早くから取り組んでいる。
この様な環境が整っていることもあり、東日本大震災をきっかけに、社員が被災地でのボランティア活動を目的として休暇を利用。費用はすべて会社が負担し、現地のNPOと協働で12月までに4回実施した。募集人員に対して1.5~2倍の応募があり、最大110人が参加するほどの規模になった。今後は、毎月現地に派遣する。
社員の意識を変えたボランティア活動
「コミュニケーション能力が問われる」「チームワーク力が育成される」「企業の社会的責任とは何かを考えるきっかけになった」「会社としての一体感が養われた」など、熱い思いがあふれる参加者の声を受け、「ボランティア活動は、社員教育といっても過言ではない程、実り豊かな経験になっている。」とCSR推進部社会貢献室マネージャーの村上雅彦さんは言い切る。
「今回の震災は企業とNPOが組んで現場に入っていかないとできないことばかりでした。そんな現場だからこそ、社会的課題が見えてきたのです。それを会社に持ち帰って、各自の仕事に活かす。その結果、人に喜ばれる。つまり楽しい仕事が増えるわけです。」村上さんは、このような取組に社員が参画することは、社会が直面する問題を感じとり、社会のニーズに即した商品・サービスの開発にも繋がると感じている。