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加森 公人(かもり きみひと)

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最終更新日:2012年9月13日

加森観光(株)代表取締役社長
加森 公人(かもり きみひと)

主な経歴

1943年
北海道札幌市生まれ
1968年
学習院大学経済学部経済学科卒業、登別温泉ケーブル(株)入社
1981年
加森観光(株)設立、専務取締役就任  
1992年
加森観光(株)代表取締役社長就任

カリスマ名称

「雇用継続を前提とした大型リゾートの再生・運営カリスマ」

選定理由

経営が悪化したリゾート再生において、雇用を継続しながらも、地域の実情を最大限に活かし、かつ初期コストを抑えたリゾートの経営ノウハウを独自に考え出して、多くの破綻したリゾート地域を救うことに繋がった。  

具体的な取り組みの内容

加森氏は、北海道を中心にしてリゾートを再生させるとともに、近年では全国にまで活動拠点を広げている。なお、リゾート再生にあたっては、加森氏はそれぞれのリゾートに適した経営手法を考え、処方を施してきた。

加森氏の原点「のぼりべつクマ牧場」(北海道登別市)

加森氏は、大学卒業後、父親の勝雄氏が第3セクター方式で創業した登別温泉ケーブル株式会社に入社した。登別は太平洋に面しているため、夏には霧が発生し、原生林や太平洋の眺望を売りにしている登別温泉ケーブル会社所有のロープウエイを利用する客が途絶えしまう。
そのような天候にも利用客が見込めるように考え出したのが、ロープウエイ山頂に開業した「のぼりべつクマ牧場」である。
このクマ牧場を日本一にすることを目指した加森氏は、クマに関することを徹底的に研究し、クマと一緒に暮らすとともに自ら出産や飼育の世話をした。さらにショーのためにクマに芸を教えようと悪戦苦闘もした。それにより、クマ牧場に年間25万人の来場者が訪れる観光の名所を新たに作り上げた。
のぼりべつクマ牧場
のぼりべつクマ牧場

通年型リゾートづくり

しかし、寒さの厳しい北海道の冬にはクマ牧場の来場者は激減する。そんな冬場の収入を確保するため、加森氏は1981年に加森観光株式会社を父親とともに設立し、自己破産した不動産業者が経営していたルスツスキー場を買収し、「ルスツ・リゾート」(北海道留寿都村)を開業した。
さらにスキー場だけでは採算がとれないと考えた加森氏は、雪がなくとも人が集まる遊園地を併設し、ルスツ・リゾート単独でみても年間を通じて集客が可能なリゾート地へと手を加えた。その結果などにより、7月~9月における留寿都村の観光客数(2002年)は約47万人となり、通年で見ても約150万人の観光客が訪れるようになった。また、加森氏が経営する以前では夏期の雇用者数が30人程度であったのが、現在500人を超え、地域雇用の創出においても貢献している。
ルスツ・リゾート
ルスツ・リゾート

中古の遊具を購入

北海道にある遊園地は、雪のため冬は開園できず、夏を中心にした半年しか稼働しない。そのため、土地を買い、新品の設備を入れては、結局、過剰投資になる。そう考えた加森氏は、ほとんどの遊具を中古で購入し、ルスツ・リゾートの遊園地を半値で作り上げようとした。

リゾート再生事業への取り組み

加森氏のリゾート再生では、バブル崩壊後に各会社の千数百億円の不良債権を処理し、3千人以上の雇用を継続してきた。一般的なリゾート開発においては、創業するにはインフラ整備だけで膨大な初期投資が必要なため、新設のリゾートが成功した例はほとんどない。それに対し、加森氏の経営では、初期投資リスクを抑える方法として、自治体に資産を買い取らせ、加森観光が運営を行う形を取ったり、現金収入が得られる施設の場合には延べ払いするといった支払い方法などの工夫をしている。

残った人材こそ宝

リゾート再生と雇用の関係について、基本的には再生現場の会社に残っている人は、能力があり、足腰は強い。また、苦労をしてきたからこそ、打たれ強く、粘りもあり、さらにコスト管理の意識も高いというところに加森氏は着目している。そのため、どのリゾート再生においても雇用の継続を前提としている。

リゾート再生の例

・アルファリゾート・トマム(北海道占冠村)
投資過剰のためにリゾート運営会社が1千億円の負債で倒産。そこで加森氏が占冠村に5億円寄付し、その資金で村が破綻した施設を買収、加森観光は、村から施設を15年間に渡り無償貸与を受けることとなった。施設維持管理費用については、加森観光が負担する等のほかに、地元雇用の優先、地場産品の購入、経営に関する地域との対話などの条件を盛り込んだ協定が加森氏と村と間で結ばれた。
加森氏が運営を引き継いだことにより、雇用が確保されるとともに、近年の占冠村観光客入込み数が年間約80万人程度維持することに繋がっていた。(加森氏は2005年9月末まで同リゾートの再生に携わっていた。)

・登別マリンパークニクス(北海道登別市)
一時期は約65万人の入場者があったが50億円もの有利子負債を抱えたことにより、2001年に登別市が債権整理を行った。その後、加森観光が運営権を獲得。テーマパークの再生では、魚を客に触らせることで、映像や水槽越しの見学だけでは味わえない体験をしてもらうなど施設の魅力を高めるような仕掛けを次々と加森氏が実現させた。2002年度には入園者の減少に歯止めがかかり、対前年11%増の29万人となった。
登別マリンパーク・ニクス
登別マリンパーク・ニクス
・岩手ホテルアンドリゾート(岩手県盛岡市)
加森観光は当時経営していた会社の撤退を受け、2003年に買収し、引き続き安比高原スキー場と盛岡グランドホテルの経営にあたった。
千人を超える全従業員についても買収前の労働条件で雇用を継続する一方、人件費以外で費用を絞れる部分については、社員一人一人が命令ではなく自らが気づき、コスト意識を持つような意識改革をするなど、再生に向けた第一歩を踏み出したところである。
安比高原スキー場
安比高原スキー場

参考文献

・「世界のリゾートを道産子の知恵で再生する加森観光社長 加森公人さん(60歳)」
  朝日新聞 フロントランナー(2003年8月30日) 
・「手形取引はしない、日銭が入らない事業はしない、粗利回りが10%を下回るものはやらない!」
  プレジデント 1999年10月号
このページに関するお問い合わせ

加森観光(株) 総務部 川口様
電話 011-211-9361
FAX 011-210-0055

関連情報はこちら→加森観光(株)のホームページ