海洋汚染の防止に関する大臣共同声明(仮訳)
−質の高い船舶輸送によるきれいな海を−
アクションプラン
我々は、多くの海運会社が、海上の安全及び海洋汚染の防止のため、実行上、自社船舶を非常に高い水準に確保し、維持していることを評価する。
我々は、米国によって始められた QUALSHIP21 のような、高い水準を充足し質が高いことが認められた船舶にインセンティヴスキームを適用することが、海上の安全及び海洋汚染の防止に寄与することを認識している。
このため、我々は、質の高い船舶のための現行のインセンティヴスキームの原則、目的、効果、その他の長所に関して情報を交換し、さらに、所要の場合には、新たな又は追加のインセンティヴスキームを開発し、促進することにする。
我々は、海上安全を確保し、海洋汚染の防止するため、船舶データの透明性を高めることが必要であることを認識する。我々はまた、あらゆる関係者が、全ての船舶検査等に関する情報を交換し、また、これらの情報に容易にアクセスしうることを望んでいることを承知している。
船舶データの透明性を一層高めることとし、我々は、EQUASIS ウエッブサイトの内容を充実し、利用の拡大を図ることに協力する。これに加え、我々は、船級協会、タンカー及び石油会社の団体、海上保険機構、用船社等の船舶検査等に関与している海事関係諸団体に対して、船舶の技術的な状態に関する情報がこの目的のために活用できるようにすることを要請する。
さらに、我々は、IMOにより定義されるサブスタンダード船を特定し、これらに対して所要の措置を講じる際に活用できるようにするため、各自可能な限り、ポートステートコントロールにおける抑留率・欠陥率、事故率等に関する船舶統計を、引き続き作成し、また、この統計へアクセスできるようにするとともに、この点に関する一層の努力を行う。
我々は、1998年7月1日に施行された国際安全管理(ISM)コードの第1段階が、世界的に、海上の安全及び海洋汚染の防止の向上並びに海上活動における安全文化及び環境意識の醸成に、重要な貢献をしたことを確信している。
我々は、2002年7月1日から施行される第2段階が同様に成功することを確保する。この第2段階が、効果的かつ実行的に全世界で実施されることを促進するため、我々は、
a) ISMコードの規制が適用される自国の船舶は、ISMコードに合致していなければ、2002年7月1日以降、運航が認められないことを担保する、
b) 自国の港湾に入港する外国の船舶に対し、所要の場合には適正なISM証書を持たないと立証されるものの入港の禁止を含めて、強力なISMコードの施行を確保する、さらに、
c) ISMコードの規制を遵守していない船舶に関する情報を交換する、
ための適切な措置を講じる。
我々は、整合性のあるポートステートコントロールの運用は、サブスタンダード船の排除のために大きな貢献をするものであると考える。
各地域・国間でポートステートコントロールの運用方法を更に調和させるため、我々は、所要の場合にはIMOと協力しつつ、より整合性のある運用方法の確立を目指し、これらの各地域・国の間で、ポートステートコントロール官の国際交流を行い、また、国際的な会合を開催するためのより強化されたプログラムを策定する。
我々は、全ての海事当局による適切な旗国としての条約の実施及びポートステートコントロールの実施は、サブスタンダード船の排除のために大きな貢献をするものであると考える。
開発途上国への技術支援は、旗国としての条約の実施及びポートステートコントロールを更に強化しうることを認識し、我々は、所要の場合にはIMOを通じて又は協力しつつ、例えば、旗国としての検査官及びポートステートコントロール官の訓練等の技術支援を提供する。
我々は、サブスタンダード船と特定するためには、対象の重点化等の措置を含めて、旗国としての検査及びポートステートコントロールを効率的に実施することが必要であることを認識する。さらに、我々は、サブスタンダード船と特定され又はそう疑われる船舶、並びに、特に海上安全及び海洋環境に対する危険性の高い船舶については、その動向を監視することが必要であると確信する。
我々は、このような船舶の動向を監視するため、沿岸地域における監視システムを整備し、設置する。この監視システムは、AIS(自動認識システム)等の自動の情報伝達システムその他の情報システムを組み込んだものであるべきである。我々は、所要の場合には、このようなシステムの協調に向けて協力する。この監視システムの利用に際しては、UNCLOS(国連海洋法条約)の規定、特に、無害通航権が遵守されなければならない。
さらに、我々は、サブスタンダード船に対して、また、監視の結果、海洋環境又は海上安全に対して特に脅威を与えるような動向をしている船舶に対して、旗国又は寄港国として、適切な措置を講じる。
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