国土交通省
 都市における交通と環境に関する大臣共同声明(仮訳)
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  1.  我々は、都市交通に関する環境問題について、各国事情、都市部及び法制度・地方文化の多様性を考慮しつつ、バランスのとれた政策・行動を通じて持続可能性の増進を図るため、それぞれが抱えている課題と都市交通政策に関する最新の知見等に焦点をあてて、広く意見交換を行った。

  2.  我々は、交通混雑問題、NOxやSPMなどの大気汚染問題及び気候変動問題を都市部の直面する重要課題の一つと認識することで一致した。本問題に対して今後とるべき行動について議論することは、統合的なアプローチに基づく持続可能性の実現に向けて必要不可欠なものである。

  3.  我々は、多くの国において都市交通政策の立案・決定に関する権限が地方政府に付与されていること、また、交通混雑と環境問題の軽減に資する都市交通政策を推進するため、国・地域・地方の各レベルにおいて解決策を講じていくべきであることがで認識されたを一にした。

  4.  我々は、都市交通に起因する交通混雑と環境負荷の軽減を目指すにあたり、各国政府が各国・地域・地方独自の事情に最もよく適合する政策を選択することが必要であることを確認した。しかしながら、我々は、基本的な方向性として、以下のような共通課題を確認するに至り、これらを実現するよう最大限の努力を払うことで一致した。

    a)我々は、都市部における社会・経済活動を支えるモビリティを確保しながら、交通混雑と環境負荷の軽減を図ることを目指し、基本政策として、交通に関する持続可能な都市の再生を推進していく。これには、交通選択自由度の拡大、物流の効率化等の施策が含まれる。

    b)我々は、交通需要マネージメント、マルチモーダル施策(旅客・貨物)、自転車・歩行者にやさしいオプション等、今後益々重要性を増すソフト施策の強化策を推進していく。

    c)我々は、各国・地域・コミュニティの事情に応じて、都市環境改善に資する都市交通インフラの容量改善策を推進していく。

    d)乗り継ぎの円滑化、相互運用の改善などにより、交通弱者を含むあらゆる利用者がアクセスできるように公共交通の利用促進を進めていく。

    e)我々は、都市計画と交通施策の連携に取り組んでいく。基本政策の中でその概念及びとるべき行動を明確化するよう努めるとともに、土地利用と交通計画の連携強化のためにに向け地方政府とともに努力するに対して働きかけを行っていく。

    f)我々は、連携・協調を深めるため、国際機関、地方政府、学識経験者、NGO、一般国民との関係を強化するよう努める。

    g)我々は、上記取組みに資する高度道路交通システムなどのIT技術活用を推進していく。

    h)我々は、都市の大気環境改善及び温室効果ガス排出削減に資する先進技術の開発と利用を支援していく。

    i)我々は、その他の関係課題(例えば、移動効率の改善、持続可能な都市交通施策の評価等)についても継続的に解決策を追求していく。

  5.  我々は、都市交通に起因する環境問題の持続的な解決に向けた取組みを進めるうえで、政策立案に資する情報、優良事例、知見を各国政府で共有することの重要性を認識し、より効果的・効率的な情報共有と先進的な研究に資する国際共同プロジェクトについて、参加意思のある国等とともに実施することを確認した。また、ECMT-OECD(欧州運輸大臣会合−経済協力開発機構)の都市交通と持続可能な開発プロジェクトの最終報告書は、本課題に対して適切な内容を示している文脈を与えている。

  6.  我々は、本会合参加国による議論を踏まえ、国際協調・連携のもとで都市における交通と環境問題に関する解決策を引き続き模索し、そのフォローアップを実施することにより、非常に重要性の高い本トピックについて議論と情報交換を推進していくことで一致した。

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