国土交通省
 「交通と環境」総括的共同宣言(仮訳)
 ― 地球の未来に向けた協調行動 ―

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  1.  交通システムの発達は、人類の活動範囲を拡大し、現在の人類の繁栄に不可欠なものとなっている。今や交通ネットワークは、世界中の人々の経済・社会活動の基盤であり、世界の継続的発展にとって欠かすことのできないものである。

  2.  しかし、絶え間ない交通量の増大に伴い、新たな対策が取られなければ、窒素酸化物や二酸化炭素などの大量排出による大気汚染や気候変動の問題はさらに悪化するであろう。また、海洋環境については、大規模な海難事故が世界のいたるところで深刻な海洋汚染の原因となっている。明らかに、交通は、地球の生態系と人類の未来にとっての共通関心事項である、環境汚染や気候変動の原因の一つとなっている。

  3.  こうした交通に起因する環境問題を解決するためには、適切な国際基準の完全な実施、技術上の画期的躍進及び人的要素の改善を含めた様々な対策を講じる必要がある。加えて、人類共通の財産であるきれいな空気や海は、交通と同様に国境を越えるものであるという認識に基づき、世界中の国々が、より効果的な国際的な取り組みを協調して講じていくことが必要とされている。

  4.  我々は、交通に関する政策を預かる者として、21世紀を迎えた今、ここ東京においてこれらの重要な問題、特に(1)海洋汚染の防止、(2)都市における交通と環境、(3)環境にやさしい自動車の開発・普及について、集中的に議論し、これら項目について、3つの共同声明を発出した。

  5.  その結果、持続的な人類の繁栄のためには、より積極的で広範囲な国際協力が重要であることを認識するに至った。それ故、ここに我々は、今回の会合での成果を念頭に置きつつ、これらの交通に起因する環境問題に今後一層積極的に協力して取り組んでいくことを宣言する。

  6.  また、これら3つの重要分野についての問題意識を共有し、積極的に行動を共にする意欲のある国々が、今後の我々の共同行動に参加することを強く希望する。

  7.  近年、各国政府及び国際機関において、環境問題への更なる世界的な取り組みへのモメンタムが高まっているところである。今年は、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた国連環境開発会議において「アジェンダ21」が採択されてから10年の節目の年であり、今年9月には南アフリカのヨハネスブルグで「持続可能な開発に関する世界首脳会議」が開催される予定である。我々は、この交通に関する大臣会合における建設的な取り組みが、こうした世界的な動きとも相まって、これらの環境問題の解決をより一層促進するものであることを確信する。

  8.  最後に、我々は、我々の所管の分野において、例えば保安や安全に関する問題など、国際的な協調による取り組みによって解決すべき問題があることを認識し、地球と人類の未来の繁栄に向けた国際協調行動を継続していくことが重要であることについて合意した。

2002年1月16日

(以下、各国署名)

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