国土交通省
 「第1回21世紀の土砂災害対策を考える懇談会(仮称)」
 議事概要について(速報)
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平成14年5月8日

<問い合わせ先>

河川局砂防部砂防計画課

(内線36102、36142)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

  1. 概要
     平成14年4月30日(火)14:00〜16:00に、国土交通省4階特別会 議室において、「第1回21世紀の土砂災害対策を考える懇談会(仮称)」 が開催されましたので、その概要を報告します。
     なお、当日は懇談会の委員14名(別紙のとおり)全員の方が出席されました。

  2. 議題
    (1)懇談会の運営等について
    (2)日本を取り巻く社会経済情勢と土砂災害の現状と課題
     1日本国土と社会経済情勢の現状と将来
     2土砂災害の現状と課題

  3. 主な議事概要
    各議題の説明内容と委員の主な意見は以下のとおり。

    (1)懇談会の運営等について

    •  座長に小橋委員、副座長に伊藤委員が選任されました。
    •  本懇談会の名称について、「21世紀の土砂災害対策を考える懇談会」に決定しました。
    •  懇談会は、冒頭の写真撮影以外については、原則として非公開としますが、懇談会終了後の議事録については、要旨をとりまとめ記者発表を通じて公表することで了承されました。

    (2)日本を取り巻く社会経済情勢と土砂災害の現状と課題
     1日本国土と社会経済情勢の現状と将来

    •  森林の国土面積に占める割合について、経年変化を見る場合、森林の質的変化についても考慮すべき。

     2土砂災害の現状と課題

    •  急傾斜地の危険箇所は現在も増加しているのかどうか。急傾斜地の危険箇所は土地の開発等土地利用の変化と大きく関係していることに留意すべき。
    •  土砂災害に対して危険であるという情報をいかに地域住民に知ってもらうか、知らせるためにはどうすべきか検討することが必要。
    •  住民が危険であると言われても実感を持たないのは、土砂災害に遭うと考えていないため。そのため、生命のみならず、財産などの被害についても強調すべき。財産まで含めたトータルのリスクマネージメントや対策について検討することが必要。
    •  例えば、一般住民の認識を高める上で、個人の土地利用が国土の一部であり、災害リスクを担っているという意識を持たせるため、税制的な手法を用いるなどのアプローチも考えられる。
    •  ソフト対策における情報提供に関しては、防災無線や一般の通信回線等の情報提供手段の現状とメリット、デメリットなどを念頭においておくことが必要(この件に関しては、次回斉藤委員より情報提供していただく予定)。
    •  また、住民にとって土砂災害に関する情報は知りたくない情報。これを住民が「知る努力」を如何に支援するかが課題。
    •  ハザードマップにおける危険箇所の想定などについて、研究レベルにおいて、一層の技術や精度の向上が必要。
    •  土砂災害対策を考える場合に、地域を個別のポイントで捉えるのではなく、面的・広域的に捉え、地域のまとまりで考えることが必要。
    •  ハザードマップは、危険の潜在性を示し、地域住民の防災の意識を高めるための防災対策の第一歩。従前は観光産業への影響、イメージ低下等を考慮し作成されていなかったが、むしろ今後は、防災対策の万全の備えとして、これを観光の目玉にするぐらいの意識が必要。
    •  災害に遭いやすいのは、新しく山麓に住み始めた自然を知らない新住民。このような新住民にいかにその地域の「災害環境」を知ってもらう努力の積み重ねが必要かつ重要。
    •  都会の生活では土砂災害に対する意識は希薄。これを知ってもらうためには、危険を強調するという視点からの情報提供ではなく、受け手にとって興味を引くように見せることが必要。
    •  これからは地域と行政が連携していく時代であり、今が具体的取り組みを始めるのによいチャンス。気象や災害など興味のある地域の方々の参画を得て、地域の防災意識を高めていく活動を展開していくことが必要。
    •  行政の「知らせる努力」、住民の「知る努力」に加え、一旦災害に見舞われた場合のその後の復興のため、まちづくりへの住民参加の視点も考慮することが必要。
    •  社会福祉の観点では、災害弱者が危険な地域に住んでいる(住まわざるを得ない)現状について踏まえた上で、どのような対策、支援を考えていくか検討が必要。
    •  都市の開発が進展していった結果、山裾の地域の景観、産業廃棄物、土砂採取など土地利用が混乱している状況。このような中、都市と自然の接する山麓を担っている砂防が、さらに一歩踏み込んで、美しい日本を形成するという観点からビジョンを描かれることを期待したい。
    •  土地利用の観点では、近年の都市の開発意欲が落ちている現状を踏まえると、現時点から今後のどのような対策を講じていくのか、留意することが必要。

  4. 今後のスケジュール
     平成14年中に5回程度開催し、9月頃を目途にご提言等をいただく予定です。
     第2回は、以下の議題案について、平成14年5月下旬頃を目途に開催する予定です。なお、
    • 土砂災害対策のこれまでの取り組み
    • 現在の取り組みと今後の課題
    • 今後の取り組みの方向    等


(別紙)

21世紀土砂災害対策を考える懇談会(仮称)委員名簿

 

(五十音順、敬称略)

青木 奈緒   作家
石井 和子   アナウンサー、気象予報士
石川 幹子   慶応義塾大学環境情報学部教授
伊藤 和明   防災情報機構NPO法人会長
大町 辰朗 NPO法人島原普賢会理事長
久保 美紀 明治学院大学社会学部助教授
小橋 澄治 京都大学名誉教授
斉藤 俊一 NTT西日本電子自治体システムグループ担当部長
三本木健治 明海大学不動産学部教授
中村 浩之 東京農工大学大学院農学研究科教授
松村みち子 タウンクリエイター代表
水山 高久 京都大学大学院農学研究科教授
山口 昇士 箱根町長
山脇 晴子 日本経済新聞社企画委員

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