国土交通省
 第3回「21世紀の土砂災害対策を考える懇談会」議事概
 要について(速報)
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平成14年7月8日

<問い合わせ先>

河川局砂防部砂防計画課

(内線36102、36142)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

 第3回「21世紀の土砂災害対策を考える懇談会」が下記のとおり開催されましたので、報告いたします。

  1. 概要

     期日:平成14年7月1日(月)13:30〜16:30
     場所:経済産業省別館 9階944会議室
     出席者:小橋座長、伊藤副座長、青木委員、石井委員、大町委員、斉藤委員、三本木委員、松村委員、水山委員、山脇委員

  2. 議題

     21世紀型土砂災害対策の方向

  3. 主な議事

     事務局より資料の説明を行い、ご議論頂いたところ、各委員から頂いた 主な意見は以下のとおりです。

    •  資料2の各論点において、「当面の施策の主な方向」で示されている施策 について具体的な取り組み内容を示していただきたい。
    •  土砂災害危険箇所を全てハードで対策することは予算的にも、時間的にも困難な状況。今後の厳しい予算の状況を踏まえると、防災対策の進め方に大きな転換が必要。重要な課題であり、検討に時間を要するものと考えるが、今後議論をしていくことが必要。
    •  住民の立場からすると、土砂災害に対して自分のところは安全であると思いがち。厳しい予算の制約のもと、行政での対応の限界を住民に示すことが必要。災害の危険性に関する情報を開示し、住民が危険性を負うリスクについて周知することにより、自主的な防災、安全性の確保などについての意識を持たせることが重要。
    •  防災情報に関しては、様々な情報の中から信頼できる情報を取捨選択し、判断することのできる人材の育成・確保、支援する体制の整備が必要。整理・蓄積された情報は、災害関係の行政担当者のみならず学校教育等などでの活用も期待される。
    •  情報提供を行う上で、災害が発生した場合の状況をビジュアルに示すなど現実感のある危険度情報の充実、提供が必要。
    •  高齢者対策を考える上で、地域社会の近所付き合いなどコミュニティが崩壊しつつある現状を踏まえると、砂防だけでの対応するという視点だけでなく、地域社会における高齢者対策の一環として整理することが必要。特に高齢者の生活実態に即した警戒避難のあり方について考えることが重要。
    •  まちづくり、地域づくりにおいて、災害に対する安全・安心の確保は基本となるもの。厳しい予算のもとで、ハード対策では補えない部分については、特に、災害に対する住民の意識を醸成するなど住民を育てていく視点での取り組みが重要。
    •  21世紀の中長期的な課題として、科学的・技術的な検討を通じ、重点的、優先的に対策を実施する地域を決めるなど今後の施策の進め方について検討することが必要。特に、土砂災害対策を中長期的な視野で考えた場合、地震等大規模災害を意識した対策が重要。
    •  資料2の中で、「山麓」、「土砂災害危険箇所」、「情報防災」、「災害にまつわる文化」などの言葉が使用されているが、これら使用されている言葉の定義や考え方について説明しておくことが必要。
    •  名勝、旧跡等の保全を支援することを目的とするためには、新たな制度や枠組みが必要ではないか。また、土砂に関する流域対策としての制度や仕組みについて検討が必要。
    •  住民にとって分かりやすいハザードマップを作成するためには、ハザードマップ作成の早い段階から住民と情報を共有化するなどの取り組みが有効。
    •  環境に係る施策に関しては、土砂移動の観点から、樹林等の緑の効果等について科学的な根拠等をもとに施策を打ち出すように努めること。
    •  従来の砂防事業では「はげ山」を緑に復元する対策が基本にあり、その結果、現在では豊富な緑を有するに至っている。今後は、現状の緑に顕在化する課題や砂防事業による対策の必要性等を整理した上で、必要な対策を打ち出すという視点が重要。
    •  グリーンベルト施策の体系をはじめ、グリーンベルト施策と国土保全における位置づけ、都市における緑の施策との繋がりなどについて整理しておくことが必要。
    •  IT関係では、利用者の利便性を確保するという観点から、省庁間の連携を図り、ハードなど互換性を有する効率的なシステム整備、構築が必要。
    •  ITが進展する中で、過疎地域などの高齢者がIT環境に適切に対応することは困難。そのため、これらを支援する地域の高齢者に配慮したコミュニティづくりが必要。
    •  現在の通信手段では、情報量が多い場合、情報提供に時間を要し、広範囲に伝えることが困難。そのため、災害時等は必要最小限の情報に絞り、ボリュウムの多い情報については日常提供するなど通信手段の機能、役割等を踏まえた情報提供が必要。
    •  今後の土砂災害対策の参考とするため、20世紀に災害を経験している斜面都市の町並み等を調査、分析してみることも必要。
    •  情報提供に関しては、情報が一番早く届くところにターゲットをおくことが重要。家庭でいえば母親をターゲットに情報を提供を行うことにより、高齢者や子供の世代に伝達されることが期待される。また、子供の理解を促進するため、教育の場などで、土砂災害に関する内容の教材を取り上げることも重要。

  4. 今後のスケジュール

     第4回は8月上旬頃に開催し、これまでいただいたご意見等を整理し、中間的にとりまとめを行う予定です。

  5. その他
     なお、懇談会に使用しました資料などは下記ホームページに掲載しておりますのでご参考下さい。
     URL:http://www.mlit.go.jp/river/sabo/link21seiki.htm

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