国土交通省
 ダム等ゲート類の異常作動等の再発防止について
 【一斉点検結果の公表】
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平成14年7月11日

<問い合わせ先>

河川局

(ダム)河川環境課

(内線35492)

(堰)治水課

(内線35582)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

 平成14年4月9日に長野県阿智村にある中部電力(株)駒場堰堤で発生した異常作動事故に関連し、全国のダム及び堰に係るゲート類等の操作設備について、5月21日に一斉点検を指示・指導しておりましたが、その結果をとりまとめましたのでお知らせします。

  1. 点検を実施したダム・堰の数
    (1)国土交通省所管ダム(直轄、水資源開発公団、道府県)・・359ダム
    (2)    〃   堰(直轄、水資源開発公団)・・・・・・・・・・・・・・・68堰
    (3)河川法の許可を得たダム・堰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1,325施設

  2. 点検の結果
     今回の点検は、ゲート類の異常作動の可能性の点検及び異常作動した場合等に必要な管理機器の点検・確認を行うとともに、その結果に応じた措置を図る旨の内容となっております。
     点検の結果、誤作動による放流事故防止の対応等には問題のないことが判りました。ただし、設置当時の旧基準等に基づく施設のままである場合に、現在の基準に合致させることにより更なる安全性の向上・確保が望ましい事項の報告がありました。
     なお、国土交通省所管施設については、治水機能を有した重要な施設であることに鑑み、更なる安全性の向上・確保を図るための点検を行いました。その結果は別記のとおりになります。

  3. 今後の対応
     国土交通省所管施設に関しては、今後とも定期検査等の実施により、施設や施設下流の安全確保に努めて参ります。
     また、河川法の許可を受けた施設については、それぞれの管理者において、点検結果に基づいた更なる安全性の向上・確保を図るために、必要に応じ機器の改造等に取り組んでいくと聞いております。引き続き、安全性の確保について指導して参ります。


別記)

国土交通省所管施設に関する安全性の向上・確保のための措置(別紙−1)
(1)国土交通省及び水資源開発公団の所管する166の施設を点検したところ、4施設について、更なる安全性の向上・確保が望ましい事項が確認されました。
 早急に対応しますが、万が一の事態に備え機器の改造等が完了するまでの間、十分な安全措置を図ってまいります。

(2)道府県の管理する261の施設を点検したところ、4施設について、更なる安全性の向上・確保が望ましい事項が確認されました。
 早急に対応しますが、万が一の事態に備え機器の改造等が完了するまでの間、十分な安全措置を図ってまいります。


別紙−1

安全性の向上・確保のための措置状況

    点検施設数 自動制御可能な施設数 現状について問題なし 安全性の向上を図るために措置する施設・内容
施設数 プログラムの改良 動作制限タイマーの設置 非常停止機能の設置・改良等
ダム 国土交通省管理 78 75 78 0
水資源開発公団管理 20 20 17 3 奈良俣ダム 寺内ダム 矢木沢ダム、寺内ダム
都道府県管理 261※注1 178 257 4 室牧ダム、利賀川ダム、我谷ダム 刈谷田川ダム
国土交通省管理 60 28 59 1 湯之尾堰
水資源開発公団管理 8 8 8 0

※注1 補助ダム点検施設数には、より安全度の向上を図るための専門家による点検が未了のダムも含む。(職員による点検の結果は問題なし。(福岡県8ダム、佐賀県3ダム))


【参考】平成14年5月21日「ダム等ゲート類の異常作動等の再発防止について」

ゲート自動制御装置総点検実施要領

  1.  適用
     この要領は、自動制御下にあるダム、堰のゲート等(バルブを含む)の誤作動による放流事故を防止するため、河川環境課長及び治水課長通知(平成14年5月21日付けダム等ゲート類の異常作動等の再発防止について)に基づき実施するゲート自動制御装置の総点検に適用する。

  2.  実施時期
     点検の実施は、出水期までに実施するものとする。

  3.  点検項目等
     点検項目等の内容は、以下によるものとする。
     (1)
     ゲート等の自動制御機能を有しているダム・堰の作動に関し、入力値または演算値によってダム操作規則等に規定している下流放流制限またはゲート開度制限等が遵守されないことが生ずる場合にあっては、アラームを発し、動作の停止かもしくは操作員の確認が可能であり、確認後に制御が開始されるソフトウェア構成になっていることにつき、点検、確認する。

     (2)
     スケジュール制御(※)を行っているダム・堰においては、上記に加え、スケジュール設定期間の全ての設定値が確認でき、かつ異常値が設定された場合には実行されない等の安全対策がなされていることにつき、点検、確認する。

     (3)
     ゲート等の異常作動時等において、緊急停止を可能とする設備の機能につき、点検、確認する。

     (4)
     制御装置の動作制限値と機側操作盤の動作制限タイマー値等が適切に設定されていることにつき、点検、確認する。

    (※)
     スケジュール制御とは、操作員が起動前に承認する複数回の予約設定目標値による自動制御をいう。

  4. 点検結果の報告
     点検の結果は、別表−1ゲート自動制御装置総点検結果表及び別表−2総点検結果表にまとめ本省(当該施設の所管課長)宛てに報告するものとする。
     なお、点検結果は補助ダム・利水ダムも含め、北海道開発局、各地方整備局、沖縄総合事務局及び水資源開発公団で取りまとめのうえ、6月中旬までに報告するものとする。

  5. 点検実施上の注意事項
     点検の実施にあたっては、特に次の事項を厳守すること。
     (1)
     現場において実機を点検・確認する場合は、技術者立会いの下、安全に留意して 実施する。

     (2)
     ソフト的な機能等については、制御装置製作者に依頼の上、動作確認を行なうこ とを原則とする。

     (3)
     本点検の実施に当たっては、点検時における安全対策について十分確認を行なっ た上で実施する。

     (4)
     個別ダム・堰の点検方法については、ダム管理者と制御装置製作者の打ち合わせ により適切な方法で実施するものとする。

  6. 点検実施上の留意事項等
     点検の実施にあたっては、次の事項に留意すること。
    (1)点検対象設備等について
     1
     点検項目等(1)(2)に係るダム・堰制御処理装置の点検対象範囲は、自動制御、半自動制御機能、スケジュール制御機能等を有する処理装置を対象とする。ゲート等の自動制御機能を有しないダム諸量演算装置や遠方手動機能のみを有する処理装置は対象外とする。
     2
     点検項目等(3)(4)については、全てのダム・堰において実施するものとする。

    (2)点検方法について
     1
     点検項目等(2)で示すソフトウエアの確認については、装置製造者等の工場レベルのプログラム確認を行い、工場レベルでの確認が困難な場合、もしくは不明確な場合に現地において確認を行なうものとする。また、現地において確認、点検を行なう場合は、点検実施上の注意事項で示すよう安全に留意し、適切な方法で実施するものとする。
     2
     点検項目等(3)については、緊急停止機能等の有無を確認し、有りの場合は停止の方式、スイッチの場所、操作方法、復旧方法等について再確認を行なうものとする。また、緊急停止を行なった際にも機側盤の開度計等の計測、状態確認が可能であることを確認すること。
     3
     点検項目等(4)については、設定値等を設計図書、完成図書等で確認を行い、実際の装置等が設計通りに設定されているか確認を行なう。制御装置等でソフト的に設定されている場合は、点検方法について1に準じて行い、規則操作盤等はタイマー値の設定を確認するものとする。


【参考】


ダム管理用制御設備


点検状況

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