平成14年5月17日 |
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海事局船員部労働基準課 |
(内線45202) |
TEL:03-5253-8111(代表) |
標記会合に、西川労働基準課長、野川東京学芸大学教授(調査員)、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部七尾一等書記官が出席しました。議事概要は以下のとおりです。
(1)新たな船員身分証明文書に含められる個人識別情報
米国より、出入国管理手続簡素化とセキュリティの確保のため、危険エリアである港域に立入る船員の身分証明方法は、新技術を活用したスマートカードを採用し、個人のバイオメトリクス情報(指紋、虹彩、顔のつくり等)により所持人が本人であることを確認できる方式を採用すべきとの提案がなされた。
英国、フランス、パナマが米国提案を積極的に支持。
オランダ、オーストラリアは、身分証明方法は基本的にパスポートによればよく、それに加えて、船員を職業としていることの証明文書を所持すればよいと主張したが、少数意見に留った。
ポルトガル等の多くの国々は、船員身分証明文書は、従前からの国際慣行もあって、現実に一時上陸の際のパスポート替りと扱われていることが多いが、セキュリティ確保の観点から、改善の必要性があると発言。
ITFは、新たなIDの導入に当っては、プライバシーと個人の人権が重要であり、何故船員が特別視されるのか疑問なしとしないとの発言。
日本から、パスポートのみを保有している者と異なり、船員のみに対し、デリケートな個人の身体情報の提供を政府が法制度に基づき義務づけることには問題があると考えられるので、本人確認のための情報は、パスポートに求められている簡易でデリケートな問題をもたない簡単な識別情報に留めるべきと主張。
日本の主張は、ロシア、中国等の支持を得たが、米国より、新技術を活用したバイオメトリック・テンプレートは、指紋、虹彩、顔のつくり等をデジタル・マッピングしてカードに保存するもので、画像そのものは誰にも見えるものでなく、しかも、情報は、本人が所持するカードに保存されるのみで、他人にはアクセスできるものでないので、プライバシー等の人権問題は生じないとの追加説明がなされた。
(2)船員の一時上陸に係る出入国管理手続
多数の国が査証を不要とすべきとの発言をしたが、一部の国は、船員身分証明書の内容と査証の問題は別との発言をした。
日本からは、特に新たに信頼性の高い船員身分証明書を導入するのであれば、査証は不要とすべきであり、更に、出入国手続の簡素化も図られるべきであるので、新たなID方式はできるだけ多くの国の出入国管理当局に採用される必要があるとの主張を行った。(オランダ、フランス、デンマーク、ノルウェー支持)
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