国土交通省
 放射性物質等輸送容器の放熱用フィン浮き上がり事象に
 関する対策について

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平成14年6月27日
<問い合わせ先>
海事局検査測度課

(内線44171、44173)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

  1. 経緯
     MOX燃料輸送容器として国土交通大臣の使用承認を受けているTN−17(M)型輸送容器の放熱用フィンに浮き上がり事象が発生し、東京電力等の事業者に本件に関する調査報告を求めたことについては、平成13年11月29日に公表していますが、平成14年6月7日に事業者より原因究明、再発防止対策及び定期的な容器の健全性確認方法に関する調査報告書が提出されました。
     当省としましては、同調査報告書の内容を検討評価するとともに、今後の安全確保上の措置を検討してきましたが、その結果は、以下のとおりです。

  2. 事業者から提出された調査報告書の概要
    • 輸送容器本体胴の外表面への水の浸入によりオーバーレイ(低炭素鋼製)の一部に腐食が発生し(添付資料参照)、放熱用フィンの溶接部が剥離し、同フィンが浮き上がったものと推定される。
    • 今回の事象の発生は、オーバーレイの腐食が原因であったことから、新規製造する容器については、オーバーレイ材質を低炭素鋼から耐食性の高いステンレス鋼に変更するとともに、放熱用フィンの浮き上がりが起きていないことを定期的に点検する等点検・保守の強化を実施する。

  3. 事業者から提出された調査報告書に対する評価
     調査報告書を学識経験者等の有識者の助言を得つつ評価した結果は、以下のとおりです。

    (1)原因
     原因は、オーバーレイ(低炭素鋼製)へ水が浸入したことであり、浸入した水の存在により、オーバーレイに腐食が発生・進展した結果(経年劣化)、一部の容器について部分的に放熱用フィンがオーバーレイから剥離し浮き上がったこと。

    (2)再発防止対策
     水の浸入を許容する構造であることから、腐食の発生・進展を抑制するため、オーバーレイの材質を低炭素鋼から耐食性の高いステンレス鋼に変更することが効果的であること。また、容器の取扱いの改善及び点検・保守の強化が必要であること。

    (3)容器の健全性の定期的な確認方法
     本事象に対して健全性を定期的に確認する方法として、一部の非破壊検査法が有効であること。

  4. 今後の措置
     上記を踏まえ、TN−17(M)型、TN−12B(M)型及びTN−12P(M)型の輸送容器に関し、以下の措置を講じる予定です。

    (1)事業者に対する指示
     定期的な自主検査において、放熱用フィンの浮き上がりが発生していないこと及び容器の伝熱性能に異常が起きていないことを、下記1及び2の方法により測定し確認すること。また、容器の取扱いの改善及び点検・保守の強化を行うこと。

     1放熱用フィンの浮き上がり
     輸送容器製造時にフィンの初期高さを測定の上、以後の定期的な測定により、当該高さの経年変化を記録し、異常な変化がないことを確認すること。
     2伝熱性能の異常
     サーモグラフィー法により容器外表面の温度分布を測定し、異常な温度を示す部位(スポット)がないことを確認すること。

     なお、既存の容器については、フィンの初期高さが不明でありフィンの浮き上がりの有無が確認できないため、現時点では当該容器を使用しないこと。ただし、今後、既存容器における放熱用フィンの浮き上がりがないことを十分確認できる適切な方法を開発した場合は、当該方法について報告すること。

    (2)国土交通省の調査
     国土交通省は、事業者が行う上記(1)の実施状況に関し、立ち合い調査を含めた調査を行うこととする。調査の結果必要があれば、事業者に対し、輸送容器として実際の運送に使用する前に、上記(1)1及び2の測定・確認を実施するよう指示する。

放射性物質等輸送容器の概要PDF形式

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