国土交通省
 平成14〜18年度の内航適正船腹量について
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平成14年12月16日
<問い合わせ先>
海事局国内貨物課

(内線43502、43514)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

  1.  国土交通省は、内航海運業法第2条の2の規定に基づき、交通政策審議会の意見を聴いて、向こう5年間の適正な船腹量の見通しを策定することとされている。

  2.  本日、交通政策審議会の第3回海事分科会が開催され、「平成14〜18年度の内航適正船腹量」について審議が行われ、以下のとおり答申された。

    (1)概要

     1
     14年度の国内貨物の輸送需要は、景気の長引く低迷、荷主企業の物流効率化等により、全般的に低迷している。一方、現有船腹量も大幅に減少(対前年度比6%減)している。
     2
     貨物船については、鉄鋼、石灰石をはじめとする荷主産業の不況の影響等により輸送需要が減少することから、1%程度の船腹過剰状態にあると見込まれる。
     3
     油送船については、中期的に輸送需要の減少が見込まれていることから、8%程度の船腹過剰状態にあると見込まれる。しかし、昨今の原子力発電の操業停止により重油の輸送需要が大幅に増加していることから、この船腹過剰状態は、短期的には解消されているものと見込まれる。

    (2)平成14〜18年度の内航適正船腹量の詳細は別紙1のとおり。


別紙1

内航海運業の用に供する船舶の平成14年度以降5年間の各年度の適正な船腹量

船種 現有船腹量
(H14.9.30)
適正船腹量
14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
貨物船 1,559千G/T 1,544
(15)
1,539
(20)
1,583
(▲24)
1,635
(▲76)
1,694
(▲135)
2,662千D/W 2,636
(26)
2,627
(35)
2,703
(▲41)
2,791
(▲129)
2,893
(▲231)
セメント専用船 427千G/T 410
(17)
410
(17)
410
(17)
410
(17)
410
(17)
693千D/W 665
(28)
665
(28)
665
(28)
665
(28)
665
(28)
自動車専用船 150千G/T 151
(▲1)
151
(▲1)
151
(▲1)
151
(▲1)
151
(▲1)
122千D/W 122
(0)
122
(0)
122
(0)
122
(0)
122
(0)
油送船 746千G/T 693
(53)
682
(64)
679
(67)
678
(68)
677
(69)
1,625千m3 1,509
(116)
1,486
(139)
1,480
(145)
1,478
(147)
1,475
(150)
特殊タンク船 209千G/T 204
(5)
204
(5)
204
(5)
204
(5)
204
(5)
325千D/W 317
(8)
317
(8)
317
(8)
317
(8)
317
(8)
小計 3,091千G/T 3,002
(89)
2,986
(105)
3,027
(64)
3,078
(13)
3,136
(▲45)
5,427千D/W・千m3 5,249
(178)
5,217
(210)
5,287
(140)
5,373
(54)
5,472
(▲45)

 注.( )内は、現有船腹量に対する船腹過剰量で▲は船腹不足の状況を示す。

土・砂利・石材
専用船
759千G/T 684
(75)
631
(128)
563
(196)
530
(229)
517
(242)
1,431千D/W 1,289
(142)
1,189
(242)
1,061
(370)
1,000
(431)
974
(457)

注)土・砂利・石材専用船については、平成15年度以降、関空2期工事・中部国際空港等の埋立工事がピークを過ぎることから、計算上、大幅な船腹過剰が予想されている。しかし、現実には現有船腹量のうち、総トンの41%(310千G/T)、載貨重量トンの37%(536千D/W)は自家用船舶の臨時投入であり、工事終了と共にこれらが撤退することから、極端な船腹過剰は発生しないものと考えられる。

(参考)

コンテナ船・RORO船の適正船腹量(試算)
船種 現有船腹量
(H14.9.30)
適正船腹量
14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
コンテナ船・
RORO船
393千G/T 382
(11)
407
(▲14)
433
(▲40)
457
(▲64)
481
(▲88)
303千D/W 295
(8)
314
(▲11)
334
(▲31)
352
(▲49)
371
(▲68)

(注)( )内は、現有船腹量に対する船腹過剰量で▲は船腹不足の状況を示す。


交通政策審議会海事分科会委員

(50音順、敬称略)

(委員)
青山 佳世  フリーアナウンサー
圓川 隆夫  東京工業大学教授
加藤 俊平  東京理科大学教授
杉山 武彦  一橋大学副学長
杉山 雅洋  早稲田大学教授
千速 晃   (社)日本鉄鋼連盟会長<分科会長>

(臨時委員)
小谷 道彦  日本内航海運組合総連合会会長
立石 信義  全国内航タンカー海運組合会長


主要品目別需要量等の見通し

項目 実績 推計 需要量等の予測
11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
粗鋼国内需要量
(百万トン)
72.7 81.7 71.8 70.4 70.3 70.3 70.3 70.3  平成14年度については、業界団体のヒアリング等から1.9%減と推計。15年度は14年度の0.2%減で15年度以降は横ばいと推計。(注1)
石灰石国
内生産量
(百万トン)
180.9 181.8 174.5 168.9 168.0 168.0 168.0 168.0  平成14年度については、業界団体のヒアリング等から3.3%減と推計。平成15年度は14年度の0.5%減で15年度以降は横ばいと推計。(注1)
セメント国内
需要量
(百万トン)
71.5 71.4 67.8 64.0 64.0 64.0 64.0 64.0  平成14年度については、「主要建設資材月報需要予測」(国土交通省)に基づき5.6%減と推計。平成15年度以降は横ばいと推計。
自動車国内
出荷台数
(百万台)
5.6 5.7 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6  平成14年度以降については、業界団体のヒアリング等からほぼ横ばいと推計。
海上空港
埋立土量
(百万立方メートル)
5.8 46.3 108.0 98.9 62.4 29.0 17.0 12.3  平成14年度以降については、海上空港埋立計画等から13、14年度にピークを迎え、その後漸減と推計。(注2)
砂利・砂・石材
採取量
(百万トン)
571.0 572.6 543.6
(実績見込)
513.0 513.0 513.0 513.0 513.0  平成14年度については、セメント国内需要見通し等を踏まえ5.6%減と推計。15年度以降は横ばいと推計。
石油国内需要量
(百万キロリットル)
黒油
白油
269.0

79.3
189.7
266.3

75.9
190.4
253.6

66.5
187.1
249.1

63.4
185.7
246.3

61.1
185.2
245.3

60.6
184.7
244.9

60.3
184.7
244.6

60.0
184.6
 平成14年度については「平成14年度〜18年度石油製品需要見通し」(資源エネルギー庁)等に基づき微減(1.8%)と推計。平成15年度以降も同計画等に基づき推計。

注)

  1.  貨物船で輸送される品目には、鉄鋼、石灰石の他に穀物、石炭製品等があるが、これらについては、GDP伸び率との関係から推計。
  2.  海上空港とは、関西空港(U期工事)、中部空港、神戸空港の3つをいう。

船種別輸送量の見通し
船種 品目 実績 推計
11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度
貨物船
(百万トン)
鉄鋼 48.6 54.6 50.7 48.0 47.9 47.9 47.9 47.9
石灰石 57.1 59.1 57.6  54.7 54.4 54.4 54.4 54.4
その他貨物
(注1)
111.6 109.4 103.7 104.5 104.5 110.8 118.1 126.4
小計 217.3 223.0 211.9 207.1 206.8 213.1 220.4 228.7
セメント専用船
(百万トン)
セメント 46.0 49.3 47.9 45.3 45.3 45.3  45.3 45.3
自動車専用船
(百万トン)
自動車 3.6 4.0 4.1 3.9 3.9 3.9 3.9 3.9
土・砂利・石材
専用船
(百万トン)
土・砂利・石材 115.2 133.5 145.1
(実績見込)
239.8 186.9 139.0 121.5 114.7
油送船
(百万キロリットル)
黒油 70.5 68.6 60.0 57.3 54.9 54.5 54.2 53.9
白油 103.4 98.9 99.6 98.8 98.5 98.2 98.2 98.2
その他(注2) 20.5 20.3 19.1 19.1 19.1 19.1 19.1 19.1
小計 194.4 187.8 178.7 175.2 172.5  171.8 171.5 171.2
特殊タンク船
(百万トン)
高圧ガス等 26.1 25.7 23.3 23.3 23.3 23.3 23.3 23.3

注)

  1.  貨物船の「その他貨物」とは、鉄鋼・石灰石を除いた穀物、石炭製品等である。
  2.  油送船の「その他」とは、油脂、ケミカルである。

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