国土交通省
 国内航空分野における競争促進策の強化について
ラインBack to Home

平成14年4月26日
<問い合わせ先>
航空局監理部航空事業課

(内線48502)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

 国内航空分野における競争促進策の強化について(概要) 

  1.  「競争促進枠」の創設
    (1)「競争促進枠」の創設
     国土交通省としては、JJ統合計画や新規航空会社の事業拡大見込み等の状況変化に対応して、今次の混雑飛行場使用期限(平成17年2月)の到来に先立ち、新たに「競争促進枠」を設け、新規航空会社が大手航空会社と競争して新たな事業展開を図るために使用できるようにすることとし、当面は、両社から国土交通省に返上される発着枠を繰り入れる。
     平成17年2月には、今後の新規航空会社の事業拡大のため、大手航空会社が使用している発着枠を抜本的に見直して「競争促進枠」を拡充する。

     

    (2)「競争促進枠」の効果
     本枠の創設は、新規航空会社が大手航空会社と積極的に競争し、牽制力を有するようになることを可能にするためのものであり、本枠の創設によってその事業拡大意欲を積極的に喚起することとする。
     なお、新規航空会社が使用しない間は、暫定的に、大手航空会社が他社の単独路線に参入する等航空会社間の競争が促進される場合に使用させる。

  2.  チェックインカウンター、搭乗橋及び固定スポット等空港施設面での新規航空会社への協力
     今般の「競争促進枠」創設に当たり、大手航空会社が暫定使用する場合には、新規航空会社に対してチェックインカウンターや搭乗橋の割譲等を行うことを条件とする。
     これにより、新規航空会社の大手航空会社に対するハンディキャップが解消。

  3.  その他新規航空会社の事業展開に対する大手航空会社の支援
     機体整備、地上支援業務等の各種業務については、新規航空会社から支援及び受託を求められた場合、大手航空会社に対し積極的に協力させる。


国内航空分野における競争促進策の強化について

平成14年4月
国土交通省

  1.  競争促進に対する国土交通省の基本的考え方
     国土交通省は、従来より、市場原理による航空運送事業者間の競争を通じて利用者利便の向上を図ることが重要であるとの認識に立ち、様々な規制緩和策を実施してきた。とりわけ、新規航空会社の参入は、従来から築かれてきた業界秩序の大幅な変革をもたらすものであるため、利用者利便の向上を図る上で特に重要であると認識している。

  2. 発着枠の配分を通じた競争促進の強化
    (1)発着枠に係る今までの競争促進策
     航空会社が航空輸送サービスを提供する上で、空港の発着枠は事業の基盤となるものである。特に、国内航空ネットワークの中核となる羽田空港や伊丹空港の発着枠を確保することは極めて重要である。したがって、国土交通省としては、競争促進を図るため、これまで、空港の発着枠の配分について以下のような施策を実施してきた。

    1. 羽田空港、伊丹空港における「新規航空会社枠」の創設
       これにより、スカイマークやエアドゥが大手航空会社の運航する羽田路線に参入して激しい運賃競争が行われ、利用者利便の向上につながっているところである。
    2. 混雑飛行場制度の創設
       混雑飛行場に係る発着枠の既得権益化を防止し、競争の促進や多様な路線網の形成に資するよう、平成12年2月に航空法を改正し、混雑飛行場の使用については、国土交通大臣の許可に係らしめるとともに、5年間の使用期限を付すこととした。
       これにより、使用期限到来時(今次の使用期限は平成17年2月に到来)には、すべての発着枠について、従来の使用状況に配慮しつつ、競争促進等を通じて利用者利便に資するように再配分できる仕組みとした。

    (2)昨今の状況変化
     国土交通省としては、このように競争促進を図るための措置を講じてきたところであるが、昨今次のような状況変化が生じた。

    1. JAL及びJASの経営統合計画
       JAL及びJASは、国際競争力の強化等を図るため、経営統合を行いたいとの意向を表明した。これに対し、公正取引委員会は、両社から提出された計画のままで経営統合を認めた場合には、国内航空分野における競争が実質的に制限されるおそれがあるとの問題点指摘を行った。
       この指摘を受けてJAL及びJASは、新規航空会社による参入拡大を図るため、経営統合に伴い捻出される羽田空港の発着枠を国土交通省に返上するとの対応策を提出した。

    2. 既に参入した新規航空会社の事業拡大計画
       既に航空輸送サービスの提供を開始している新規航空会社のうち、スカイマークは機材を増強し、本年4月から羽田−鹿児島線(1日3便)を開設することとしているほか、さらなる事業拡大を計画している。しかし、現行のルールでは、さらなる事業拡大を図るための羽田空港の発着枠を確保することが困難な状況にある。

  3. 「競争促進枠」の創設
    (1)「競争促進枠」の創設
     このような状況を踏まえ、国土交通省として、競争促進を通じた利用者利便の向上を図るため、新たな競争促進措置を講じることとする。具体的には、今次の混雑飛行場使用期限(平成17年2月)の到来に先立ち、新たに「競争促進枠」を設け、新規航空会社が大手航空会社と競争していくための発着枠として使用するものとし、当面、平成17年2月までの間に、今般JJ統合によって返上される発着枠を繰り入れることとする。
     この「競争促進枠」は、新規航空会社が大手航空会社と伍して競争していくために必須のものであることから、平成17年2月の発着枠の見直しに当たっては、新規航空会社がその後の事業活動を拡大していくために十分なものとなるよう、既存の発着枠を抜本的に見直して競争促進枠を拡充することとする。

    (2)「競争促進枠」の効果
     本枠の創設は、競争の活性化に有効に機能している新規航空会社が大手航空会社と積極的に競争し、牽制力を有するようになることを可能にするためのものであり、同枠の創設によって、新規航空会社の事業拡大意欲を積極的に喚起することとなる。
     なお、新規航空会社による使用希望数が全体の枠数よりも少ない間は、暫定的に、大手航空会社が他社の単独路線に参入する等航空会社間の競争が促進される場合に使用させることとする。

  4. チェックインカウンター、搭乗橋及び固定スポット等空港施設面での新規航空会社への協力
     新規航空会社が事業を行う上で必要不可欠であるチェックインカウンター、搭乗橋及び固定スポット等については、従来より既存航空会社に対してスペースの割譲等協力を求めてきたところであり、今後とも必要なスペースの確保を求めていきたい。
     特に今般、上記「競争促進枠」を創設するに当たり、大手航空会社が暫定使用する場合には、新規航空会社に対してチェックインカウンターやボーディングブリッジの割譲等を行うことを条件とすることとする。
     これにより、新規航空会社の大手航空会社に対するハンディキャップを解消し、新規航空会社がより一層有効な競争者として機能するようになる。

  5. その他新規航空会社の事業展開に対する大手航空会社の支援
     機体整備、地上支援業務等の各種業務については、新規航空会社が航空運送事業に参入、継続するに際して支援及び受託が必要な場合には、大手航空会社に対し積極的に協力させることとする。

  6. 国土交通省としては、今後とも航空運送事業における競争の維持、促進を図っていくこととする。

ライン
All Rights Reserved, Copyright (C) 2002, Ministry of Land, Infrastructure and Transport