国土交通省
 「EFV国際会議」の結果について
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平成15年1月24日
<問い合わせ先>
総合政策局国際企画課

(内線25725、25724)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

  1. 開催経緯
     平成14年1月15・16日に東京で開催された「交通に関する大臣会合」が採択したEFVの開発・普及に係る「環境にやさしい自動車のための総合戦略に関する大臣共同声明」により、『環境にやさしい自動車の概念を議論し、その開発・普及を推進するために、緊密な国際協力は効果的な方法である。その第一歩として「EFV国際会議」(Environmentally Friendly Vehicles(環境にやさしい自動車)に関する国際会議)を開催することの重要性について、我々は認識を共有する』と謳われたことによる。

  2. 開催日等
      開催日
    2003年1月23日(木)及び24日(金)
      場所
    赤坂プリンス・ホテル
      主催
    国土交通省。環境省も協力
      参加国及び機関
    オーストラリア、カナダ、中国、EU(欧州委員会、オーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン、イギリス)、日本、韓国、シンガポール、米国、UN/ECE/WP29、OECD、アジア開発銀行

  3. 議題
    • 交通部門における環境問題の現状と対策
    • 次世代EFVsの概念
    • 次世代EFVsの開発・実用化の推進策
    • 既商品化EFVsの普及
    • 基準調和の推進
    • 発展途上国におけるEFVs普及支援対策
    • EFVsの開発・普及のための国際的な今後のすすめ方
    • 議長声明(別添参照


EFV国際会議議長声明(仮訳)
東京、日本、2003年1月23日、24日

 

  1.  2003年1月23日及び24日の2日間にわたり日本国国土交通省の主催により、日本国環境省の協力を得つつ、東京にて環境にやさしい自動車に関する国際会議(EFV国際会議)が開催された。今回の会議には、自動車の製造及び使用において主要な国及び国際機関の政府関係者が率いた19の代表が参加した。日本国丸山自動車交通局長が議長を務め、各代表によりEFVに関連した議題に関し包括的かつ有意義な議論が行われた。

  2.  この会議は、2002年1月15日及び16日の両日に東京で開催された「交通に関する大臣会合」での「環境にやさしい自動車のための総合戦略に関する大臣共同声明」に基づき開催されたものである。同声明では、現在と将来の自動車技術に関する知見と各種燃料の利用可能性に基づいて可能な解決策を検討し、EFVの開発・普及を促進するための国際的な政策調整の可能性を探るため、EFVに関する国際会議を開催することが重要であるとされた。また、2002年8月26日から9月4日まで南アフリカのヨハネスブルグで開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」において採択された「実施計画」の中で、安全で環境にやさしく低廉で社会的に受入れ可能な自動車技術の開発・普及の重要性について述べられていることが留意された。

  3.  2003年EFV国際会議の目的は、EFVに関連した問題を議論することにある。このため、この会議は、EFVの開発・普及の促進に関する政策について参加者間で情報・意見の交換を行うことを通じ、国際的に協力を進める機会を提供するよう計画された。

  4.  我々は、大気汚染、気候変動、騒音問題、交通混雑といった環境問題と各国・各地域におけるこれらの問題に対する取り組みについて、情報の交換を行った。代表者らは、燃料電池自動車を含むEFVの技術開発・普及の促進に関する概括的な見通しや、次世代EFVのコンセプトはその導入促進の観点から如何にあるべきかについて議論した他、EFVの導入促進に資するクリーンな燃料の重要性について議論した。また、この開発・普及のプロセスを促進するために採用されている、または採用し得る各種対策、例えば、財政的・税制的優遇措置や、研究プログラムの促進・調和、消費者啓発活動などが紹介された。「エコ・ドライビング」方式の運転をすることによって、運転手が燃料消費を大幅に削減できることが留意された。このことから、実際の燃料消費を表示するディスプレイなどの車載装置が、ギア選択やクルーズ・コントロールとともに重要となりうることが認識された。

  5.  議論の過程で、代表者らは、この領域におけるUN/ECE自動車基準調和世界フォーラム(ワーキング・パーティ29)の果たす役割の重要性を認識し、同フォーラムの専門的知識及び進行中の作業を利用することの必要性を強調した。代表者らは、上述の「環境にやさしい自動車のための総合戦略に関する大臣共同声明」において述べられたように、既存の機構と作業が重複しないよう留意することの必要性を再確認した。

  6.  EFVの技術開発・普及の促進のためには、自動車製作者、燃料及びエネルギー業界その他の関係者間の自主的な協力が極めて重要であることが確認された。

  7.  発展途上国のいくつかのマーケットにおいては、燃料は未だに鉛や相対的に高いレベルの硫黄を含んでいる。我々は、クリーンな燃料と自動車の導入促進のために、国際的レベルでの協力とコミットメントを奨励すべきである。また、これらのマーケットでの燃料品質の改善は、自動車排出ガスの改善のための最初の大きなステップであり、EFVの導入のために必要であることを確認した。WSSDで発表された「クリーンな燃料及び自動車に関するパートナーシップ」は、本件への対処の決意の一例である。技術支援と規制的アプローチに関する各種施策の検討が望ましいことも、確認された。 

  8.  我々は、大気汚染物質及び温室効果ガスの排出の大幅な低減を目指し、自動車製作者の技術開発及び燃料の利用に際して自由度が確保されるよう、パワートレインや燃料の種類を問わない形での、チャレンジングで野心的な次世代EFVの開発目標について議論した。目標の設定は、国家、地域又は世界的レベルでの合意のもとに行われる政策判断となるであろうことが留意された。中長期的視点に立って政府やその他の関係者により設定される共通の見通しと明瞭な開発目標は、市場への強いメッセージとなり、産業の健全性を維持するとともに、イノベーションと新技術出現の推進力を維持し、次世代EFVの導入を加速するであろう。UN/ECEワーキング・パーティー29での作業の成果は、自動車技術の環境性能の評価の基礎として活用できることが認識された。

  9.  EFVの技術開発・普及を促進する今後の政府の施策や公開可能な環境にやさしい新技術の研究・開発など、多くの問題に関して情報の交換を続けることは、重要である。

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