国土交通省
 『観光カリスマ百選』選定結果について(第3回委員会の結果)
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平成15年7月4日
内閣府
農林水産省
<問い合わせ先>
総合政策局観光部企画課

(内線27135)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

 

  1. 経緯
     経済活性化等に大きく貢献する観光の振興に向けた取り組みが政府において進められているところでありますが、従来型の個性のない観光地が低迷するなか、各観光地の魅力を高めるためには、観光振興を成功に導いた人々の類まれな努力に学ぶことが極めて効果が高く、各地で観光振興にがんばる人を育てていくため、『観光カリスマ百選』選定委員会(別紙参照)では、 その先達となる人々を観光カリスマとして選定し、選定結果等を国土交通省の観光政策のホームページにおいて公表しています(URLはhttp://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/top.htm)。
     第3回委員会(平成15年5月28日)において、以下の13人の方が新たな観光カリスマとして選ばれましたので、これをお知らせ致します。

  2. 観光カリスマとして選定された方々(敬称略・50音順)

    1)上坂 卓雄(うえさか たくお) いずし出石城下町を活かす会 元会長(兵庫県出石町(いずし))
     昔ながらの城下町の雰囲気を残すことを目的とする「出石城下町を活かす会」を設立し、住民主体の町づくり意識を高揚させた。また、町並みの保存活動とともに、伝統的な「皿そば」のPR活動により、観光地として認知度の低かった人口1万人の町に年間100万人という観光客が訪れるまでに成長させ、地域の活性化に貢献した。

    2)小佐野 常夫(おさの つねお) かわぐちこ河口湖町 町長(山梨県河口湖町(かわぐちこ))
     「湖面に富士を映す美しい河口湖」という大自然に恵まれた状況に甘んじることなく、「五感に訴える町おこし政策」をテーマに、観光立町としての基盤整備やイベント展開、温泉掘削など様々なハード・ソフト政策による町づくりに取り組み、河口湖町を強力な観光地域に育て上げた。

    3)小田 禎彦(おだ さだひこ) (株)かがや加賀屋 代表取締役会長(石川県七尾市(ななお))
     旅行の国内需要が限られ、海外誘客が課題になる中、日本の旅館文化そのままに、いち早く台湾からの誘客に成功した。また、自社の旅館業にとどまらず、和倉温泉の魅力アップのための事業を展開するとともに、能登半島、ひいては石川県全体の観光産業の発展や地域の活性化に尽力し、交流人口の増加に貢献した。

    4)斎藤 一彦(さいとう かずひこ) じょうばん常磐興産(株)代表取締役社長(福島県いわき市)
     独創的なアイデアと行動力で温泉施設を全国区の温泉テーマパークに育て上げ、地元雇用を創出するなど地域経済の活性化を実現し、斜陽の石炭城下町を、観光を基幹産業とする地域に転換・再生させることに貢献した。

    5)佐藤 淨(さとう きよし) わき脇町 町長(徳島県脇町(わき))
     脇町の歴史的建造物であるうだつの町並みを修復し、観光客を集客するまでに育て上げた。また、町おこしの組織化、ボランティア活動の活発化や人材発掘などを通じて、住民を地域活性化の主役に位置付けた観光地づくりを推進した。

    6)佐藤 雄二(さとう ゆうじ) おのがわ小野川温泉 かじか河鹿荘 代表取締役社長(山形県米沢市(よねざわ))
     小さな温泉街「小野川温泉」を魅力あるものにするため、若手リーダーとして地域をまとめ、「夢ぐりプラン」「そぞろ歩きお休み処」「どこでも出前」をはじめ数々の新たな試みを行い、短期間で小野川温泉を「そぞろ歩きができる温泉街」として全国から注目される温泉街に成長させた。

    7)澤 功(さわ いさお) さわ澤のや屋旅館 館主(東京都台東区(たいとう))
     倒れかかった下町の小さな旅館を、積極的に外国人旅行者を受け入れることによって再生するとともに、全国各地で外国人旅行者の待遇方法などを説明して、宿泊施設が外国人旅行者を受け入れる際に抱く危惧を払拭することに努め、外国人旅行者の受入促進の啓蒙を図っている。

    8)塚越 裕子(つかごし ひろこ) 群馬おかみ女将の会 会長(群馬県伊香保町(いかほ))
     少子高齢化や旅行形態の多様化が進展する中で、旅人を受け入れる旅館・ホテルを女性の力で魅力あるものにするため、抜群のリーダーシップで『群馬女将の会』を発足させ、接客サービスの向上や観光PR等を連携して推進し、観光客の増加と、旅館・ホテルの活気の復活に努めた。

    9)堂故 茂(どうこ しげる) ひみ氷見市 市長(富山県氷見市(ひみ))
     伝統漁法である「越中式定置網」を環境に優しい漁法として見直し、「世界定置網サミット in 氷見」の開催等により、国内外に積極的に発信するとともに、地域の海・山・産業の個性を生かした多様な交流拠点づくりを進め、都市等との交流を拡大し、地元経済の活力を創出、さらには、市民の「愛郷心」や「自信」を醸成した。

    10)中山 勝比古(なかやま かつひこ) ひまか日間賀観光ホテル 代表取締役社長(愛知県南知多町(みなみちた))
     「見る観光」から「参加する観光」へと変化しつつある観光客のニーズに応え、漁業と観光の融合にいち早く取り組み、さまざまなアイデアを実行に移して、離島ながらも多くの観光客の心をつかむことに成功した。

    11)村坂 有造(むらさか ゆうぞう) (有)むらさか村坂印刷 代表取締役社長(岐阜県古川町(ふるかわ))
     まちづくりのリーダーの養成や住民の自覚を高めるためのイベント企画や組織づくりを行うとともに、周りとの調和を大切にし、それを維持しようとする「そうば」という町の伝統を生かし、飛騨の匠の技が息づく伝統的な町並みづくりを主導し、「癒しのふるさと」として集客に成功した。

    12)山口 昭(やまぐち あきら) (株)き木のしろ城たいせつ 代表取締役社長(北海道栗山町(くりやま))
     「北海道」にこだわり、北海道の自然の木だけを使った住み良い住宅を供給して、冬が厳しい北海道を「住み良い」地域にすることを提案し、宿泊体感できるテーマパークを開設するなど、『バイオ・リージョン』の考え方を徹底して、住宅を通じた観光資源づくりを実践した。

    13)若松 進一(わかまつ しんいち) ふたみ双海町教育委員会 教育長(前 双海町地域振興課長)(愛媛県双海町(ふたみ))
     住民のまちづくりの意識を高めるための組織作りに力を入れる一方、夕日をコンセプトにしたまちづくりに従事し、「他の市町村を見習わない。見習ったら規模の大小の勝負になる。オンリーワンなら、自分たちの汗と知恵があればできる。」をモットーに、話題を呼ぶ仕掛けをつくり、地域の活性化に貢献した。

     上記の観光カリスマに選定された方々の事績などにつきましては、国土交通省の観光政策のホームページ(http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/top.htm)に掲載されます。

  3. 今後について
     観光振興を図るには、地域のオリジナリティが不可欠であり、そのためには観光カリスマの活動を形だけ模倣するのではなく、「考え方」を理解することが重要です。したがって、今後、観光に取り組もうという地域が、 観光カリスマから直接話を聞くことなどにより、観光カリスマのノウハウを上手く活用して、人真似ではない、個性的な観光地づくりが進められていくことが大事であると考えています。
     本選定委員会は今後も2〜3か月に1回を目途に開催し、観光カリスマを順次選定していく予定です。


別紙

『観光カリスマ百選』選定委員会

委員長 島田 晴雄 内閣府 特命顧問
委員 古賀  学 社団法人日本観光協会 調査企画部長
佐藤喜子光 立教大学観光学部 教授
田川 博己 株式会社ジェイティービー 常務取締役東日本営業本部長
細尾 勝博 兵庫県八千代町 産業課長(観光カリスマ)
廻  洋子 淑徳大学国際コミュニケーション学部経営環境学科 講師
藻谷 浩介 日本政策投資銀行地域企画部 参事役
     
事務局 平工 奉文 内閣府 参事官(産業・雇用担当)
千代 幹也 内閣府 参事官(社会基盤担当)
前田 隆平 国土交通省 総合政策局 観光部 企画課長
中尾 昭弘 農林水産省 農村振興局 地域振興課長

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