平成15年7月22日 |
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海事局安全基準課 |
(1.関連)(内線43922) |
造船課 |
(内線43752) |
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7月14日から18日までロンドンにおいて開催された国際海事機関(IMO)第49回海洋環境保護委員会(MEPC)における審議結果の概要は以下のとおり。
(1)シングルハルタンカーの段階的廃船
現在、シングルハルタンカーは、2015年までに段階的に廃船することとされているが、これを原則5年前倒しすることとした。しかし、2010年に廃船することとすると、10歳代の若いタンカーでも廃船しなければならなくなるので、非常に詳細な検査を行って船舶構造の状態がよいと判断されるタンカーは、2015年まで使用できることとした。
*1 1996年以降に建造される油タンカーは、ダブルハルタンカー(船体を二重にして貨物タンクの防護を強化しているタンカー)構造とする必要があるが、それ以前のタンカーは、シングルハル(一重船体)となっている。
(2)重質油の輸送禁止
EU提案では、C重油などの重質油をシングルハルタンカー*2で輸送することを直ちに禁止し、小型のシングルハルタンカー による輸送も2008年から禁止することを提案していた。これに対し、我が国は、小型シングルハルタンカーの重質油輸送禁止は、2008年から実施することとしても、我が国内航海運に深刻な影響を与えることから、2015年まで延期することを主張し、引き続き次回会合で審議することとされた。
*2 載貨重量トンが600トンから5,000トンまでのシングルハルタンカー。
船舶のバラスト水*3は、例えば、東京で貨物を降ろした船舶は東京湾でバラスト水を入れ、貨物を積み込むオーストラリアで排出することとなるため、この様なバラスト水の移動に伴う水生微生物の移動により海洋生態系が損なわれるなどの環境被害が生じている。このため、IMOでは「船舶のバラスト水及び沈殿物の排出規制及び管理に関する条約」を策定し、海や湖に生物が拡散することによる海洋環境、漁業資源などへの被害を防止することを検討してきたところ、今次会合で最終的な条約案を作成し、来年春に新条約の採択のための外交会議を開催することとされた。
条約案の骨子は、別紙のとおり。
*3 貨物船が貨物を積載しない状態で航行するためには、プロペラが水面上に出たりしないように海水を入れて船をある程度沈下させる必要がある。この海水のことをバラスト水という。
環境に配慮して船舶の解体・再利用を行うため、国、海運会社、造船所、解体事業者などの役割を記述したガイドラインを審議し、11月に開催予定の総会で決議することとされた。
外航船舶から排出される温室効果ガスの削減問題について、全IMO加盟国が協力して、削減のための指標作成や自主的な取組の促進メカニズムの開発などを行っていくことを定めたIMOの温室効果ガス削減のための戦略を示す総会決議案が合意された。本決議案は、本年11月開催予定の第23回総会で採択される予定である。
また、削減のための指標作成、促進メカニズムの検討を推進していくことが合意された。
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