平成15年11月18日 |
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鉄道局技術企画課技術開発室 |
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TEL:03-5253-8111(代表) |
独立行政法人交通安全環境研究所 |
直通TEL:0422-41-3210 |
鉄道においては、列車の安全運行を確保するため地上施設による信号保安システムを整備しているが、施設の設置や保守管理に多くのコストがかかるため、鉄道事業者からは、施設の設置や保守管理の省コスト化を図ることが強く望まれている。このため、国土交通省では、準天頂衛星システムを利用した地上施設をほとんど必要としない信号保安システムの開発に向け、来月から函館市や熊本市において実際の車両を用いた実験を開始する(別紙1)。
具体的には、独立行政法人交通安全環境研究所が12月2日に、はこだて未来大学と共同で、準天頂衛星と同様の電波を出すことのできる擬似衛星を用いて走行中の自動車から擬似衛星及びGPS衛星の信号を合わせて受信した場合に、どの程度の精度が得られるかを電波ノイズの少ない環境下において調べる予備的な実験を行う(別紙2−1)。その後、平成16年2月上旬に熊本市交通局の協力を得て、実際の路面電車を用いた車両位置の測定精度や電波ノイズの状況と位置検知の安定性などを調べ(別紙2−2)、準天頂衛星を利用した列車位置検知による信号保安システムの従来システムの代替としての有効性について検証を行う。
これらの実験を通じて、地上施設をほとんど必要としない信号保安システムが開発された場合、列車運行の安全性を確保しつつ、地上施設の設置や保守管理の大幅なコスト削減が図られることから、従来のシステムに代わる新たなシステムとして利用されることが期待される。
(参考)準天頂衛星システム(詳細は別紙3参照)
準天頂衛星は、平成20年に1機、平成21年に2機(合計3機)の打ち上げが計画されており、我が国の天頂付近に常に1機の衛星が存在することにより、ビル陰や山陰による電波の遮蔽が少なく、衛星測位範囲の拡大や高品質な移動体データ通信・放送が可能となるシステムである。本年度から文部科学省、総務省、経済産業省、国土交通省において、本衛星に係る研究開発を開始しており、国土交通省は、高精度測位の補正技術及び高精度測位の高速移動体への適用技術について開発を行っている。
別紙1 準天頂衛星を利用した信号保安システムのイメージ
別紙2−1 はこだて未来大学における実験のイメージ
別紙2−2 熊本市における実験のイメージ
別紙3 準天頂衛星高精度測位補正に関する技術開発(国土交通省)
参考 準天頂衛星システム
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