国土交通省
 航空事業経営基盤強化総合対策プログラム
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平成15年8月29日
<問い合わせ先>
航空局監理部航空事業課

(内線48502、48525)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

  航空は、公共交通機関として、国際交流や国際物流の拡大、観光立国、地域間交流の拡大、地域経済の活性化などに大きな役割を果たしている。しかしながら、近年、我が国航空業界は、 一昨年9月の米国同時多発テロ、今年3月のイラク戦争、その後のSARSの流行による国際線旅客の大幅な減少、国内経済の停滞に伴う国内線の収入の減少等厳しい経営環境にさらされている。

 この厳しい経営環境の中、アジアの航空会社を始めとする諸外国の航空会社との厳しい競争に立ち向かいつつ、公共交通機関として我が国経済社会において担う役割を十全に果たしていくためには、 航空会社によるコスト構造改革のためのさらなる自助努力はもとより、航空会社、政府、地方公共団体その他の関係者が連携を図りつつ総合的な対策を講じていくことが必要である。

 このような観点から、国土交通省としては、以下のとおり、航空事業の経営基盤強化のための総合対策プログラムを策定し、航空会社によるコスト構造改革のためのさらなる自助努力を促すとともに、 航空需要の喚起、利用者本位の質の高い航空サービスを提供していくための事業環境の整備、イラク戦争、SARS等に対応したセーフティーネット策等の措置を講じていくこととする。

  1. 航空会社によるコスト構造改革の促進

     各航空会社においては、機材費、人件費等固定費が高いコスト構造を踏まえ、経営合理化の取り組みを進めているところであるが、国土交通省としては、以下のとおり、 各航空会社において緊急収支改善及びコスト構造改革を推進し経営基盤の強化を図るよう適切に指導する。

    (1)イラク戦争、SARSを受けた緊急収支改善策

    • 日本航空システムグループ及び全日空グループにおいてイラク戦争、SARSを受けた生産調整、人件費削減等の緊急収支改善策を確実に実施し、当期決算見通しの達成を図る。

    (2)コスト構造改革の着実な推進

    • 今後安定的な経営基盤を確保するため、日本航空システムグループ及び全日空グループにおいて、本年春に策定した人件費削減、機種統合等を含む中期経営計画について、可能なものについては前倒しを行いつつ、 固定費の削減に向けて着実に実行するとともに、外部環境の急激な変動に対して柔軟に対応することができるよう、さらなる追加的対策も含め一層のコスト構造改革を進める。

  2. 航空需要の喚起

     航空会社によるコスト構造改革に向けた各種取り組みに加え、以下のとおり、国土交通省は、関係者の協力を得つつ、航空需要の喚起策を講じ、観光客の増大、航空市場の拡大を図り、我が国航空会社の経営基盤の強化を図る。

    • 本年度より展開しているビジットジャパン・キャンペーンについて、本年7月に策定した「観光立国行動計画」に基づきさらに強力に推進し、訪日観光旅客の飛躍的増大を図る。

    • 多様な路線網の形成、多頻度化による利用者利便の向上等を図る観点から、羽田空港の処理容量を大幅に拡大するため、羽田空港再拡張事業の早期完成を図る。(平成16年度事業化要求)

    • 航空サービスの高度化に資する重点戦略の策定、アクセス鉄道の整備、関空連絡橋通行料金に関する社会実験等空港アクセスの改善、空港内での交通・観光総合案内機能の改善調査、CIQ機能向上調査等、航空サービスの高度化に向けた施策を展開。(平成16年度予算要求)

    • 観光立国に資するべく国管理の地方空港における需要喚起のため観光資源の紹介、モデル・ルートの提案等を行うため、国、自治体、関係事業者等からなる協議会を設立。(平成16年度予算要求)

  3. 事業環境の整備

     アジアの航空会社を始め、諸外国の航空会社との国際的なコスト競争が進展する中、我が国航空会社が利用者本位の質の高い航空輸送サービスを国際・国内で安定的に提供することができるよう、 1.の航空会社によるコスト構造改革に向けた各種取り組み及び2.の航空需要増大策に加えて、以下のとおり、税制及び規制の戦略的見直し、航空保安対策における国の取組みの強化等を行い、 航空会社の事業環境の整備を図る。

    (1)税制の戦略的見直し等

     1 固定資産税の軽減措置の拡充

    • 国内線航空機に係る特例措置を延長するとともに、課税標準の軽減措置を拡充する。(平成16年度税制改正要望)

     2 航空機特別償却の見直し

    • 環境にやさしく、バリアフリーにも対応した運航効率の高い航空機への更新について、航空機に係る特別償却の適用期限を延長する。(平成16年度税制改正要望)

     3 その他

    • 地方航空ネットワークの維持・拡充を図る観点から、引き続き、国管理空港における着陸料の軽減に取り組む。(平成16年度予算要求)

    • 空港ビル等の空港関連事業に対する国有地の貸付け料の適正化を図る。

    • 新東京国際空港公団の民営化を推進し、経営の一層の効率化を図るとともに、関西国際空港株式会社について本年3月に策定した経営改善計画の着実な推進により経営改善を図る。

    (2)規制の戦略的見直し

    • 国際旅客チャーターに関する機材貸切要件を廃止し、弾力的な国際旅客チャーター便の設定を可能とする。(*)

    • 管理の受委託について要件の見直しを行い、弾力的な外部資源の活用を図る。

    • 上記のほか、安全性の確保を大前提とした上で、国際基準関連を含め、コスト削減につながる規制の見直しを検討する。

    (3)航空保安対策における国の取り組みの強化

    • 国際情勢を踏まえた航空保安対策の重要性・緊急性に鑑み、大規模な検査システムの空港整備事業による整備、フェーズE指示に対応した保安体制の強化に対する国の支援の充実等、国の取り組みを強化する。(平成16年度予算要求)

  4. イラク戦争、SARS対応セーフティーネット策

     以上の取り組みに加えて、今般のイラク戦争、SARSに対応した緊急のセーフティーネット策として以下のとおり対応する。

    • イラク戦争、SARS等の影響を受けている航空事業者に対して、日本政策投資銀行による「緊急対策等支援制度」を適用した緊急融資を実施する。

     なお、上記のほか、これまで以下のセーフティーネット策を実施済み。

    • 国際線の発着ルールの柔軟な運用(*)

    • 航空機へのテロ等による第三者賠償に関する政府措置の継続(*)

    • 雇用調整助成金(休業等を行った事業主に対する休業手当等の助成)の特例(*)

(*)既に実施済み又は実施中のもの。


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