国土交通省
 第3回航空に関する懇談会 議事要旨(速報版)
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平成15年10月8日
<問い合わせ先>
航空局航空企画調査室

(内線48184、48185、48186)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

  1. 日時
     平成15年10月8日(水)13:30〜15:30

  2. 場所
     国土交通省11階特別会議室

  3. 出席者
    <懇談会メンバー>(敬称略)
     飯島英胤、井手隆司、大橋洋治、リチャード・クー、今野吉信、佐藤友美子、椎名武雄、玉置和宏、寺島実郎、鳥海巖、松田英三、屋井鉄雄、新町敏行(兼子勲代理)

    <国土交通省>
     石川航空局長、宿利航空局次長、影山監理部長ほか

  4. 議事概要
    • 今回は、航空サービスの展望と課題を中心として意見交換が行われた。
    • 椎名座長の進行により、事務局から資料説明が行われた後、意見交換があった。
    • メンバーからの主な意見等は、以下の通り。
      • 日本の航空需要は90年代を通じて大幅に増加しており、特に国際線の伸びが大きかったが、テロ、SARS等で需要が急減し、運賃やサービス改善により対応しているものの、ダメージは大きい。
      • 航空会社では、人件費の削減、機種の絞込みにより固定費を削減し、サービスを維持しつつ利益が出るよう努力しているが、航空会社の費用のうち公租公課が2割程度を占めており、経営の重しになっている。地方路線維持のためには、着陸料の水準は重要。
      • 国際旅客の利用状況を見ると、5月を底に回復基調にあり、特にビジネス需要の回復が目覚しいが、一方で観光需要は低迷している。需要に応じたコスト削減をしているが、航空需要は季節変動が大きく、夏の間にどれだけ稼げるかがポイントとなる。
      • 航空会社の経営改善は進んでおり、現在では欧米企業と同等以上のコスト構造となっている。今後はアジア各社に対抗できるコスト構造にすることが必要。
      • 新規参入の結果、客の取り合いではなく、市場全体が拡大している。
      • 航空利用者の中には、高頻度サービスで時間価値を優先する者と、運賃だけを基準にする者の2タイプがあり、今後新規航空会社が成長する中で、新規航空会社と大手航空会社は役割分担が必要。
      • 公租公課について、新規航空会社としては、競争条件は同じであり、それほど気にしていない。
      • 航空運賃が下がっているというが、実感としてはそれほど下がっていない。アメリカの方が、普通運賃は高いかもしれないが、平均してみると安い。
      • 航空産業は需要に対応するのが中心で、新しい需要を創出することは難しい。
      • 北海道を見ると地方の便数が減っており、幹線にシフトしている。地方に飛んでいても午後の便しかなくて時間が有効に使えないことが多い。観光立国のためには、国内観光も必要であり、地方路線を改善すべき。
      • 安全の観点から、IT化に伴うセキュリティーの強化が必要。コンピューターがダウンしたから飛行機が飛べないということでは困る。国家政策としてやるべき。
      • 日本全体として、アウトソーシングが進むことにより、現場のモラルが低下している。航空会社ではそういうことがないようにすべき。
      • 空港整備と小型国産旅客機の開発は車の両輪。自動車以来の日本の新しいプロダクトの目玉になる。官邸との連携をとってもっと大きな戦略が必要。
      • 鉄道と飛行機は競争するだけでなく、補完しあうところもある。成田の鉄道アクセスは重要であり、成田と羽田をリニアなどで高速に結ぶことが必要。静岡空港も新幹線の駅ができれば便利。
      • マクロ経済の観点からは、今は民間企業が借金の返済を進めており、全体が縮小しているので、国が借金をするべき。そうしないとマネーサプライは増えない。
      • 現場のモラルは重要で、サービス産業の場合、パート社員よりも正社員の方が結果的に利益増加につながることもある。
      • 国際的に人・モノの流れが増加している中で、空港がネックになって流れが滞ることは国の恥であり、羽田の再拡張事業は国家事業としてやるべき。
      • 羽田再拡張の事業費9000億円は、さらに削減する努力が必要。
      • 欧米では空港の上モノから得られた利益を着陸料の引き下げ等に還元しており、日本でもビルの収益等も含め、全体的に見直すことが必要。
      • 海運では、アジアとのコスト競争を乗り越えて安定期に入っており、航空産業もこれを参考にするべき。
      • 航空機材の小型化は利用者にとってはありがたいが、大型機材よりもコストがかかり、航空会社にとっては経営的に難しいのではないか。
      • 航空では一度事故があると取り返しがつかないので、アウトソーシングをする場合には安全への配慮が必要。
      • 中国では、抗州など成長の著しい地方都市との路線も考えるべき。中国の東部3省では、カボタージュを緩和して外国の航空会社を受け入れる意向もある。
      • 欧米から韓国の仁川空港経由でアジア、オセアニアに入ってくる人が増えている。アジアのハブ・アンド・スポークの観点から日本のネットワークを考えることが必要。
      • 小型機の運航のためには人件費を下げることが不可欠。パイロットの養成などコスト削減のための支援が必要。
      • 各国から成田への乗入れ希望が多い。羽田の再拡張も必要だが、成田も早急に完成させるべき。
      • 地方のネットワーク拡充のためには、羽田の空港容量拡大が不可欠。
      • 小型の国産旅客機の開発が進んでいるが、30−50席程度の機材では使い勝手が悪い。100席クラスの機材が必要。
      • 新幹線の品川駅ができたが、航空も健闘している。出張に航空を使えない会社もまだ多くあり、航空会社としても努力の余地はある。
      • 成田は2500mが完成してもすぐに満杯になるので、羽田の国際化を考えることが重要。
      • 日本では品質管理がしっかりしているため、アウトソーシングしても品質は低下しない。
      • 空港から市内へのアクセスについては鉄道と航空の連携が必要。
      • 日本では需要の多い路線では大型機、需要の少ない路線では中型機で対応しており、高度な運航体制が出来上がっている。
      • 成田のアクセス鉄道にしても、千葉では土地収用ができないため事業が遅れているが、こういう政治的な問題をもっとマスコミが取り上げるべき。
      • 羽田再拡張のPFIほど大規模なPFIは我が国でもはじめてであり、航空局だけでなく、横の連携を強化するべき。
      • 東京の一極集中は現実であり、集積のメリットを享受するよう、時間軸を考えながら、羽田の再拡張事業も進めるべき。
      • 羽田と成田のアクセスが悪いと、日本の地方空港から韓国の仁川空港経由で海外に出て行く人が増えるので、政府としての対応が必要。
    • 最後に、椎名座長から、以下のとおりまとめがあった。
      • 次回は、11月13日に行うこととし、これまでの議論を踏まえてテーマを決定。

    以上

    (この要旨は速報版であり、後日、さらに詳細な議事概要を改めて国土交通省のホームページで公表いたします。)


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