国土交通省
 第4回航空に関する懇談会 議事要旨(速報版)
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平成15年11月13日
<問い合わせ先>
航空局航空企画調査室

(内線48184、48185、48186)

TEL:03-5253-8111(代表)

 

 

  1. 日時
     平成15年11月13日(木)14:30〜16:30

  2. 場所
     国土交通省11階特別会議室

  3. 出席者
    <懇談会メンバー>(敬称略)
     秋山喜久、飯島英胤、井手隆司、大橋洋治、兼子勲、コシノジュンコ、今野吉信、佐藤友美子、椎名武雄、寺島実郎、鳥海巖、松田英三、山内弘隆、吉野源太郎

    <国土交通省>
     石川航空局長、宿利航空局次長、影山監理部長ほか

  4. 議事概要
    • 今回は、「地域」から見た航空サービスのあり方を中心として意見交換が行われた。
    • 椎名座長の進行により、事務局から資料説明が行われた後、意見交換があった。
    • メンバーからの主な意見等は、以下の通り。
      • 関西三空港について、地元でも地域全体の発展のために調整を行うことには賛成だが、個別の議論になると様々な議論があり、結論に至ってない。
      • 関空から伊丹に国内線がシフトすると、国際線の乗り継ぎが不便。
      • 伊丹空港は騒音問題があるので、今以上に利用することは困難。
      • 関西の三空港の役割分担については国がもっと調整するべき。
      • 空港だけでなく、空港間の道路整備や港湾との連携について視野に入れるべき。
      • 関空会社も努力しているが、約1兆円の借金があり、企業努力だけではどうしようもない部分がある。
      • 関空への連絡橋の料金を安くして、関空島に来る人を増やし、非航空系収入を増加させ、それを原資に着陸料を下げるといったことができるはず。少々損が出ても結果的には収入が増えるのではないか。
      • 例えばパリではドゴール空港とオルリー空港とで役割分担が出来ており、関西三空港でも、きちんとした役割分担が必要。
      • 神戸空港は本当は必要なかったのに震災復興のために作った面があるが、できた以上、全体最適を実現するため、3つの空港をうまく活用することが必要。
      • 関西圏の物流について、国で全体のビジョンを示すための調査をするべき。
      • 関空では深夜は貨物便が多いが、国際旅客便については深夜の利用もあり、その場合バス等空港から都心へのアクセスを整備することが必要。
      • 空港の利用客にとって、セキュリティーが第一。911(平成13年の米国同時多発テロ)、SARS以来セキュリティーが厳しくなっているが、バゲージコントロールの時間を短縮するために瞬時にチェックできる装置の開発が必要。航空会社に任せるだけでなく、国として目的意識をもって開発することが必要。
      • 本人認証について、日本は特に外国人の入国に時間がかかっており、瞬時に認証できるシステムの開発が必要。
      • 国土交通省の管轄ではないが、コーポレートジェットについては、飛行中に機内で出入国手続きができるようにすべき。
      • 成田新高速鉄道が計画されているが、東京まで早くなっても羽田まではさらに時間がかかり、成田−羽田間のアクセスが最大の弱点。技術を駆使して、成田−羽田間を15分で移動できるくらいまでチャレンジしてほしい。
      • 道路のETCでも、日本より海外の方で早く実現しているが、機械を見るとほとんど日本製。日本は技術を十分に活かしていない。
      • セキュリティーについては、飛行機の搭乗客のセキュリティーは航空会社の責任で行ってきたが、911以降、乗客だけでなく国民へのセキュリティーの問題になっており、国が中心となって取り組むべき。
      • 本人認証システムについて、技術的な開発は進んでいるが、普及のためには、国際協調により国際的に方式を統一することが必要。
      • 羽田−成田のアクセスについて、バスでは時間が読めないのが欠点。
      • 関西三空港に限らず、空港を作るときにはコンセプトが重要。しっかりした理念やコンセプトに沿って役割を割り当てれば便利になるはず。
      • 関空は国際ハブ空港であるが、例えば四国からでは近すぎて便がない。もっと簡単にアクセスできるようにするべき。
      • 関西三空港については、もともと役割分担があったものが、自由化の中で利用客の使い勝手の良い方に路線がシフトするようになり、全体の調整機能がなくなっている。市場にまかせるだけで良いのか、もっと国が調整するのか、しっかり考えるべき。
      • 関西圏での航空需要を考えることが重要。経済交流を増やし、人・モノの流れを増やすことが必要。
      • 羽田−成田間のアクセスと東京の人から見た成田の使い勝手とは別の議論。東京の特に東側の地域から見れば成田はそれほど遠くない。
      • 関空を作るときはもともと伊丹空港を廃止する約束だったのに、いつの間にか棲み分けの議論になっており、航空当局の政策はおかしい。もともと伊丹の環境対策として関空を作ったのに、関空の燃料税を伊丹の環境対策費に使うのはおかしい。
      • 関空の2期工事を国が進めるなら、伊丹に路線が移るのを行政が止めさせるべき。使い勝手の問題ではなく、関空の経営を考えれば関空を使わせるのが筋。
      • 関空会社は償却前は黒字。会社は経営努力をしているが、努力できる部分は限られており、金利を下げる等の工夫が必要。国とも協議しながら、何とか現行の着陸料や施設使用料を下げる努力をしている。
      • 空港へのアクセスについて、松山、秋田、新潟などどこも相当努力している。飛行場は騒音の問題があるので都心から離れているのは当然だが、地方ではバスでも渋滞が無く、一番早く着く。東京だけは都内の渋滞がひどく、これをどうするか考えることが必要。
      • 空港についてはターミナルと滑走路の上下トータルで利益を生むことを考え、非航空系収入を増やして着陸料や空港施設使用料を下げていくことが必要。
      • 成田や関空のように空港を民営化すると通常の企業よりも大きな資本になり、外形標準課税についても大きな問題となるので、特例措置が必要。
      • 羽田の4本目の滑走路は、国としても地域としても必要であり、早く実現すべき。
      • 成田も羽田も今後さらに需要が伸びるが、両者の使い分けを考えることが必要。羽田の国際線についてペリメータを決める場合にも利用者の使い勝手を考えることが必要。
      • 空港を作るだけではなく、都市再開発等と連携してどうやって拠点性を高めていくかを考えることが重要。
      • 東京・大阪以外の利用者にとって、国際線を利用する場合に成田前泊は当たり前になっている。地方の人には乗り継ぎ便も少なく、不便なことが多いので、地方の観点からの考慮も必要。
      • 関空についても静岡空港についても、できちゃったものは仕方ないと考えるのか、本当に使われるのかを考え直すのか、いろいろ考え方はある。
      • 羽田のペリメータの考え方については賛成。地方の利便性を考えると今後機材の小型化が進むと考えられ、羽田の国際化については慎重に考えるべき。
      • 航空局は関空問題の総括を行うべき。最初から2本の滑走路を同時にやるのは当時の民意であり、あのときやっていれば3分の1程度の費用でできたはずなのに、どうして1期で終わってしまったのか。伊丹についても空港を追い出すことが民意だったはず。何が起こったのか、今後のためにも総括するべき。
      • 羽田と成田の有機的な結合は重要。
      • 羽田の再拡張は時間がかかりすぎ。もっと早くやってほしい。
      • 関空は西日本のハブ空港としての役割がある。関空では、ヨーロッパ路線は午前中、太平洋路線は夕方に集中しており、その時間帯には国内線のフィーダー路線も運航されている。問題は昼間で、昼間だけ着陸料を下げてレジャー向けの路線を誘致する等の考え方が必要。
      • 航空会社から見ると、国内線では新幹線との競争があり、飛行機の強みであるスピードを活かすためには、神戸空港と伊丹空港を利用せざるを得ない。
      • 都心から空港へのアクセスについては、日本は比較的良く出来ている。ロンドンでもヒースロー空港からガトウィック空港までバスしかなく不便。その点日本では羽田から都心まで25分、宮崎空港でも鉄道が直接乗り入れており使いやすい。
      • 日本の空港は、海外の空港に比べて、大きな荷物を持って移動する場合不便。
      • 航空や鉄道では公的部門の役割は大きい。国は民と官のやることを峻別して、規制をするところは規制をすべき。
      • 規制緩和は昔の話。行き過ぎた自由、平等をどうするのかというのが今の国民の問題意識。官の問題意識は遅れている。規制しなければいけないときは規制すべき。
      • 観光立国について、日本は人の出超になっているが、観光についてはファンダメンタルズをしっかり作り上げることが必要。スイスのジュネーブでは15もの国際機関が集中しており、山の中でありながら多くの人を集めている。日本もそういう仕組みなしに漠然と観光客を集めるのは無理。国際機関やシンクタンクを日本に引っ張ってくるべき。

    • 最後に、椎名座長から、以下のとおりまとめがあった。
      • 次回は、年明けに行うこととし、これまでの議論を踏まえてテーマを決定。

      (この要旨は速報版であり、後日、さらに詳細な議事概要を改めて国土交通省航空局のホームページで公表いたします。)


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