国土交通省
 「次世代シャーシ管理システム調査検討委員会」結果報告
 について

ラインBack to Home

    
平成15年5月27日

<問い合わせ先>

政策統括官付政策調整官付
(内線53341)
TEL:03-5253-8111(代表)

 

 交通分野における諸問題を解決するための方策として、鉄道や海運を活用することによる複合一貫輸送の推進(モーダルシフト)が進められている。海運によるモーダルシフトを担うフェリー、RORO船による貨物輸送では、 主にシャーシが使われていることから、フェリーターミナル等におけるシャーシ管理の効率化は関係者の関心の高いところである。
 国交省では平成12年度よりスマートプレート※の開発を進めており、スマートプレートや非接触タグといった無線識別技術を活用することにより、シャーシ管理の効率化を図ることが期待されている。
 こうした動向を踏まえ、国交省では『次世代シャーシ管理システムに関する調査検討委員会』(構成員:別紙1参照)において、シャーシ管理システムのあるべき姿について検討を進め、その調査の一環として、 苫小牧港において実証実験(平成15年1〜3月実施)を行った。実証実験の結果や委員会での議論等を踏まえ、“次世代シャーシ管理システムモデル”の経済分析を行った結果、経済的には成立する可能性もあるとの結論となった。その調査結果の概要を以下のとおり公表する。

※スマートプレート:現行ナンバープレートの情報及び自動車登録ファイルに記載されている車両の諸元情報をナンバープレート上のICチップに記録したもの。

  1. 次世代シャーシ管理システムモデル
     次世代シャーシ管理システムは、RFID(無線識別)技術を用いてシャーシの所在地等の情報を収集、管理することで、シャーシを使用した物流の効率化を図ることを目的としている。本調査のモデルでは、 フェリーターミナルでの荷役効率化を主眼としたシステムモデルを検討した。その概要を以下に示す(別紙2参照)。

    1)シャーシの到着管理・・・・・・・船積シャーシの到着情報を自動認識し、予約情報との照合を行う。
    2)シャーシ船積待機時の駐車位置管理・・・船積作業を効率化するため、到着時にシャーシ駐車位置を指定し、船積予定シャーシの位置を事前把握する。
    3)船積管理・・・・・・・・・・・・・・・・船積作業者に船内船積位置を自動連絡するとともに、船内ロケーション情報を船卸港へ送信する。また、船積情報を自動認識する。
    4)船内ロケーション管理・・・・・・船内ロケーションを電子的に作成する。
    5)シャーシ船卸後の駐車位置管理・・・シャーシ引取作業を効率化するため、船卸後の駐車位置を自動把握する。
    6)出発管理・・・・・・・・・・・・・・・・・シャーシの出発情報を自動認識することにより、フェリーターミナルからの退場管理を行う。

  2. 苫小牧港での実証実験概要
     寒冷地での無線タグの稼動状況等も考慮するため、苫小牧港において、平成15年1月24日から3月7日にかけて実証実験を行った。使用した無線タグの周波数帯は、1135kHz、2303MHz、32.45GHz、45.8GHz(スマートプレート仕様)の4種類であり、 このうち34については、実運用されているシャーシに無線タグを取付けて実験を行った(3は310台、4は33台に取付け)。また、自動認識したシャーシ情報は、情報提供システムを通じて関係者にWeb配信を行った。
     苫小牧港フェリーターミナルにおいて、実運用されているシャーシの自動認識を行ったポイントは以下の通りである。また図1に苫小牧港フェリーターミナルの平面図を、図2、3に実験風景写真を示す。

    1ターミナル入口(乗下船シャーシ案内所)での到着管理 【3及び4
    2フェリー乗船口での乗船管理 【3及び4
    3下船駐車場での駐車位置管理 【3
      (1及び2については、2及び3を想定したフィールド実験を実施)
      (12の管理情報はWebを通じて関係者に配信)

図1 苫小牧港フェリーターミナル平面図

図2 非接触タグ取付け位置(2.45GHzタイプ)
図2 非接触タグ取付け位置(32.45GHzタイプ)

図3 上下船シャーシ案内所での読取実験(2.45GHzタイプ)
図3 上下船シャーシ案内所での読取実験(32.45GHzタイプ)


(別紙1)

「次世代シャーシ管理システムに関する調査検討委員会」構成員
(順不同・敬称略)

原田  昇 東京大学 新領域創成科学研究科 (環境学専攻) 教授
田中 辰雄 慶応義塾大学 経済学部 助教授
酒井 康雄 石川島播磨重工業株式会社 技術開発本部
総合開発センター 制御システム開発部長
早野 裕康 王子製紙株式会社 物流部長
百瀬 祐二 商船三井フェリー株式会社 貨物営業一部 副部長
時津 直樹 株式会社デンソー ITS開発部長
大野  仁 凸版印刷株式会社 生産・技術・研究本部 生産・技術開発部長
星  孝二 苫小牧港開発株式会社 船舶ターミナル部 副部長
五十嵐喜久夫 苫小牧港シャーシ輸送連絡協議会長
(苫小牧北倉港運株式会社 物流部長)
佐々木定男 日本信号株式会社 交通情報システム事業部 ITS担当部長
宮田 芳典 富士通株式会社 パブリックセキュリティソリューション本部
ソリューション統括部第一ソリューション部長
糟谷 祐一 株式会社ブルーハイウェイエクスプレス
貨物営業一部 課長代理
岡野 直樹 総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課
マルチメディア移動通信推進室長
石指 雅啓 国土交通省 自動車交通局 技術安全部 管理課長
松隈 宣明 国土交通省 港湾局 環境・技術課長
辻村 邦康 国土交通省 政策統括官付 政策調整官
東井 芳隆 北海道運輸局 企画振興部長
梶山 修 東京都 港湾局 港湾整備部長


(別紙2) 次世代シャーシ管理システムモデルPDF形式

 PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Readerが必要です。右のアイコンをクリックしてAcrobat Readerをダウンロードしてください(無償)。
 Acrobat Readerをダウンロードしても、PDFファイルが正常に表示されない場合はこちらをご参照下さい。

アクロバットリーダーホームページへ
(ダウンロード)


ライン
All Rights Reserved, Copyright (C) 2003, Ministry of Land, Infrastructure and Transport