国土交通省
 筑後川水系小石原川ダム建設事業に係る環境影響評価書
 に対する国土交通大臣意見の提出について

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平成16年3月9日
<問い合わせ先>
河川局河川環境課
(内線35442)

電話:03-5253-8111(代表)


 

 国土交通省は、筑後川水系小石原川ダム建設事業に係る環境影響評価書について、環境影響評価法第24条の規定に基づき、事業者である水資源機構に対して別紙に示した国土交通大臣意見を提出した。


【別紙】

筑後川水系小石原川ダム建設事業に係る環境影響評価書に
対する国土交通大臣意見

 筑後川水系小石原川ダム建設事業は、筑後川水系小石原川に小石原川ダムを建設するとともに、筑後川水系佐田川より既設江川ダムへの導水路を建設し、江川ダム及び寺内ダムと相まって運用することにより筑後川総合開発の一環をなすものであり、小石原川沿川の水害の防除、小石原川、佐田川及び筑後川沿川の既得用水の補給等流水の正常な機能の維持及び異常渇水時における緊急水の補給を行うほか、福岡県南地域の水道用水の取水を可能ならしめるものである。

 本事業については、建設発生土処理場や付替道路等の改変面積を極力減少させる等、環境影響の低減に向けた取り組みが見られるところであるが、より一層の環境保全の見地から、以下の意見を述べるものである。

1.送付された環境影響評価書についての国土交通大臣意見は、以下のとおりである。

  1.  環境保全措置の実施にあたっては、環境保全技術の開発の進展等に鑑み、実行可能な範囲内で新技術を取り入れること。

  2.  事後調査等の実施に当たっては、その結果が保全対象動植物の生態に関する科学的知見の基礎資料として活用できるよう実行可能な範囲内で配慮すること。

  3.  既設江川ダム及び寺内ダムと相まった適切な運用など下流の河川環境に配慮した操作方法について更に検討を進めること。

  4.  今後、事業実施に伴い必要となる環境に関する調査及び対策等については、内容及び費用を公表すること。

2.環境大臣意見を踏まえた国土交通大臣意見は、以下のとおりである。

  1. 自然環境

    (1)クマタカの保護
     クマタカについては、年間を通じた生活基盤であるコアエリアの一部で建設発生土の処理の工事などによる改変が行われるが、当該改変区域及びその周辺は、調査においてもクマタカの飛翔が観察されており、採餌に利用されていると考えられる。よって、クマタカの生息状況について環境監視を行うこととしているが、事業実施による生息への影響が確認された場合には、専門家の意見を聴取し適切な措置を講じるなど、クマタカの生息の保全を期されたい。

    (2)植物の移植
     本事業により改変される場所に生育する重要な植物種について移植及び播種を行うこととしているが、オニコナスビ等の一部の種の移植については不確実性を伴うことから、事前に移植試験を実施すること。また、その旨を評価書に記載すること。

  2. 水環境
     本件事業で設置される小石原川ダム及び導水路等と一連の運用がなされる寺内ダム貯水池については、現況においても、季節によってはアオコが発生するなど富栄養化現象が見られることから、特に水質保全に留意する必要がある。したがって、寺内ダム貯水池における水温低下に対する環境保全措置として設置する曝気循環施設については、今後の水質調査を通じて、既設曝気循環施設とあいまって、より適切な運用に努められたい。


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