平成16年3月26日 |
<問い合わせ先> |
河川局河川環境課 |
(内線35452、35483) |
電話:03-5253-8111(代表) |
国土交通省では、全国の一級河川の直轄管理区間において、水質及び底質のダイオキシン類による汚染の実態を把握・監視する目的で、平成11年度から継続的に調査を実施している。今般、平成14年度の調査結果を取りまとめた。 |
平成14年度は、全ての一級水系(109水系)において、水質212地点、底質213地点(一般監視地点及び重点監視地点)でダイオキシン類の調査を実施した(表−1、表−2、図−1及び図−2参照)。このうち、重点監視地点(過去に比較的高い濃度のダイオキシン類が検出されたことがあるなど、重点監視状態にある地点:26地点)においては一般の秋期調査に加え、冬期にも調査を実施した。また、平成14年度より、上記に加え新たに河川の感潮域(水質42地点、底質43地点)において調査を開始した(表−3参照)。
調査の結果、水質及び底質のいずれに関しても、環境基準(水質:1.0pg-TEQ / L、底質:150pg-TEQ / g)を上回ったところはなかった。一方で、今後重点的に監視をしていかなければならない濃度の判断基準である「要監視濃度」(いずれも環境基準の2分の1)を上回っているのは、水質で9地点、底質で1地点あり、これらの地点では今後新たに「重点監視状態にある地点」として年4回の調査を実施し、監視を強化していくこととなる。
平成11年度から平成14年度までの調査で環境基準値を超えた地点のダイオキシン類濃度の推移を表−4に示す。これまでに8地点において、水質の環境基準値を超える濃度が検出されているが、平成14年度までに、いずれの地点においても環境基準を達成している。なお、底質に関しては、これまでの調査で環境基準値を超える濃度は検出されていない。
河川における特殊な環境を有する感潮域において、水質及び底質の状況を把握するため、平成14年度より、新たに調査検討を開始した。調査の結果、感潮域における底質に関しては、すべての調査地点において環境基準を下回った。
一方、感潮域においては、河川によっては潮汐等の影響で底質が強く巻き上がり、水質の分析に影響を及ぼす場合がある。今回実施した感潮域の調査に関しても、一部の調査地点において、底質の巻き上がりが生じていたことがうかがえる結果となっており、採水試料には強く巻き上がった底質そのもののダイオキシン類が含まれていると考えられるが、こうした状況下での適切な採水方法は確立されていない。また、このような試料の分析結果は、環境基準値設定の際の前提条件と状況が異なり、環境基準値と単純に比較して評価することは必ずしも適切ではない。このため、採水方法及び評価については、今後調査検討を実施し、常時監視マニュアル等に反映することとしている。
また、これらの調査と並行して、このような感潮域における生物に対する影響に関しても、関係機関と密に連絡をとりながら、さらに知見の集積に努めてまいりたい。
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