国土交通省
 三菱自動車製大型車に係る不正行為に対する対応について
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平成16年5月6日
<問い合わせ先>
自動車交通局技術安全部
審査課リコール対策室
 (内線42352)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

 国土交通省は、三菱ふそうトラック・バス株式会社から届出のあった大型車のハブのリコールに関し、三菱自動車工業株式会社(当時)の道路運送車両法のリコールに係る業務について法令違反(虚偽報告)が判明したことから、本日、神奈川県警察本部に告発した。
 また、本日、三菱自動車工業株式会社及び三菱ふそうトラック・バス株式会社の社長に対し、警告書を交付した。
 さらに、(社)日本自動車工業会会長及び日本自動車輸入組合理事長に対しては、リコール業務の適切な実施について周知徹底を指示した。
 国土交通省としては、リコール制度の運用に必要な改善を加え、再発防止に万全を期していきたい。

  1. 虚偽報告に対する罰則適用のための神奈川県警察本部への告発
     三菱自動車工業株式会社が、平成14年1月に横浜市で発生した同社製トラクタの脱輪による死傷事故の後、平成14年2月1日に、同社製大型車の脱輪が多発している原因に関して国土交通省に対し虚偽の報告をしたことから、道路運送車両法による罰則を適用するため、本日、同社並びに宇佐美隆取締役執行副社長兼最高執行責任者(当時)他4名を神奈川県警察本部へ告発した。(道路運送車両法第63条の4第1項違反による、道路運送車両法の一部を改正する法律(平成14年法律第89号)による改正前の道路運送車両法第110条第1項第3号及び第111条に係る罰則(20万円以下の罰金))

  2. 警告文書の交付
     三菱自動車工業株式会社取締役社長及び三菱ふそうトラック・バス株式会社取締役社長に対し、厳重注意並びにリコール業務の適正化のために早急かつ抜本的な社内組織・業務処理体制の改善及び必要な措置の実施等に関する指示についての警告書を本日、手交した。

  3. 自動車製作者等に対する再発防止対策
     (社)日本自動車工業会会長及び日本自動車輸入組合理事長に対して、自動車製作者等におけるリコール業務の適正な実施が図られるよう、本日、文書で指示した。

  4. リコールに係る不正行為についての国土交通省の再発防止対策
     国土交通省としては、別紙のとおり、不具合情報収集・分析の充実強化、技術的検証体制の強化等を図り、再発防止に万全を期していきたい。


(別紙)

リコールに係る不正行為についての国土交通省の再発防止対策

 

 リコールに係る不正行為の再発を防止し、リコールのより迅速かつ的確な実施を図るため、今後、以下の対策について早急に検討を行う。

  1. 不具合情報収集・分析の充実・強化
     特定車種に特定の不具合が集中するなどリコールにつながる可能性の高い不具合事案を早期に把握するため、現状の不具合情報及び事故情報の収集に加えて、以下の措置を講ずる。
    1自動車メーカーの保有する不具合情報については、現状では、監査時等の機会に情報を得ているが、事故につながるおそれのある安全上重要な情報については自動車メーカーから定期的に報告を求める。
    2国内外の関係機関の持つ事故情報のうち、車両不具合に起因するものについて、定期的に情報交換する方策について関係者と調整する。

  2. 技術的検証体制の強化
     重大事故につながるおそれのある案件や、設計・製造によるものかその他の要因によるものか判断が難しい案件等について、専門的知識による実証的かつ統一的な検討と判断が行える体制を整備する。
    1重要な車両不具合について、専門的・実証的検証を行うため、実務的な専門家による検討会を設けるとともに、必要に応じて、交通安全環境研究所等において、現車確認、試験等を通じて不具合の原因究明を行う。
    2重要案件については、1の検討結果を活用しつつ、国土交通省に設ける専門家による委員会の意見を聞き、リコール及び勧告の判断を行う。

  3. 監査方法の改善・強化
     事前に収集した不具合情報を活用し、重点的監査等を行うとともに、監査時に収集した情報の的確な分析等を実施する等、監査方法の改善、強化を行う。

  4. リコール業務体制の強化
     上記対策と併せて、リコール業務の的確な実施のため、組織の充実、監査の際の協力体制の充実等国土交通省のリコール業務体制の強化を図る。


道路運送車両法関係条文(平成14年法律第89号による改正前)

 

(報告及び検査)
第六十三条の四  国土交通大臣は、前二条の規定の施行に必要な限度において、基準不適合自動車を製作し、若しくは輸入した自動車製作者等又は前条第一項の規定による届出をした自動車製作者等に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、当該自動車製作者等の事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2・3 (略)

第百十条  次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
 一・二 (略)
 三 第三十条第一項、第五十二条、第六十三条の三第三項、第六十三条の四第一項、第八十一条(第九十四条の九において準用する場合を含む。)、第八十二条第二項(第八十三条第二項において準用する場合を含む。)、第九十四条の四第三項又は第百条第一項の規定に基づく届出若しくは報告をせず、又は虚偽の届出若しくは報告をした者
 四 〜八 (略)
2 (略)

第百十一条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は所有し、若しくは使用する道路運送車両に関し、第百七条から前条まで(同条第一項第七号及び同条第二項を除く。)の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

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