国土交通省
 第5回航空に関する懇談会 議事要旨(速報版)
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平成16年2月26日
<問い合わせ先>
航空局航空企画調査室

(内線48184、48185、48186)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

  1. 日時
     平成16年2月25日(水)14:00〜16:00

  2. 場所
     国土交通省11階特別会議室

  3. 出席者
    <懇談会メンバー>(敬称略)
     秋山喜久、飯島英胤、井手隆司、大橋洋治、兼子勲、リチャード・クー、コシノジュンコ、佐藤友美子、椎名武雄、玉置和宏、寺島実郎、鳥海巌、屋井鉄雄、山内弘隆、吉野源太郎

    <国土交通省>
     石川航空局長、影山監理部長ほか

  4. 議事概要
    • 今回は「航空機の安全かつ効率的な運航」などについて議論が行われた。
    • 椎名座長の進行により、事務局から「平成16年度航空局関係予算」、「羽田空港再拡張事業の展望」、「航空機の安全かつ効率的な運航」について資料説明が行われた後、意見交換があった。
    • メンバーからの主な意見等は、以下の通り。
      • 羽田再拡張後の飛行ルートについては、安全面だけでなく、効率性や環境面にも配慮すべき。
      • 西から羽田に入る飛行経路については、RNAVという技術を使えば、時間も距離も短縮される。新しい技術に対する航空機材での対応が今後進んでいくので、それにあわせた飛行経路の運用も検討すべき。
      • 横田空域を使えば、経路短縮による時間短縮・燃料節約効果、空域の拡大による遅延の減少、騒音の分散等多々メリットがあるので、積極的に取り組むべき。
      • 首都圏の3進入管制区の見直しや成田空港への飛行経路の見直しにより、空域の有効活用が図られるので、出来るだけ早く実現するべき。
      • 航空機材への新しい機器の搭載や自衛隊・米軍との調整により航空路を再編すれば、飛行経路や飛行時間を短縮できる。
      • ATM(航空交通管理)の高度化については、国に新たな投資が必要になり、自衛隊等との調整もあるので、大変だとは思うが、アジア諸国でも始まっているので、日本でもぜひ前倒しで実現してほしい。
      • RNAVによる航空路再編については、航空機材への投資が大きく、航空会社の対応も時間がかかるので、計画的な導入が必要。
      • RVSM(垂直間隔の短縮)については、高度計の精度の問題であり、機器の検査システムの迅速化等で早く実現できるので、広く議論してほしい。
      • 航空機の整備について、規制緩和の結果、海外で機体の整備ができるようになったというが、整備の水準が低下したり、日本にノウハウがなくなることが心配。
      • 管制の高度化が進むのは結構だが、それを使う人間の能力も必要。最近の日本人は、状況への対応能力が低下しているとも言われており、従来の訓練とは異なる訓練が必要ではないか。
      • 管制については、情報が入手しにくく、どこで情報が入手できるのかすら分からない。もっと情報公開が必要。
      • 日本は大型機が多く、大型機を前提にした飛び方になっているが、小型機で低騒音の機材については違う飛び方も出来るのではないか。
      • 羽田の再拡張事業を説明するときに、技術的なことばかり説明すると、大きな目標が見えなくなりダイナミズムが無くなる。アジアのGDPは世界の25%を占めるまでになっており、今後さらに増加することを考えれば、上海や北京、香港等にシャトル便を運航するとか、地域の空港をこれだけ活性化できるとかいうビジョンを示すことが重要。
      • 羽田の再拡張事業はようやく動き出したが、2009年よりも早く完成できないのか。
      • 羽田の再拡張後を考えると、航空貨物の問題も重要。
      • 機器の安全だけでなく、人が大事であり、管制官の安全教育は重要。
      • 空港同士の連携が大切。成田・羽田については、国際と国内で分けるのではなく、利用者サイドに立った検討も必要。
      • 羽田の再拡張は、単にこれまでの空港に滑走路を付け足すということではなく、どういう空港になるのかというイメージを分かりやすく説明することが必要。ハードだけでなく、ソフト面が重要であり、国際レベルで捉え、もっと文化的なことをできないか配慮することが必要。
      • 香港の空港は市内から40km以上離れているが、35分で市内へ行ける。電車からタクシーへの乗換もスムーズであり使いやすい。こういうノウハウを日本にも持ってきてほしい。
      • 騒音について、海外でも住宅地の上を飛んでいる例は多い。日本で騒音が問題になるのは、住宅に問題があるのではないか。窓の防音性を高める等の改良をするための施策が必要。
      • アジアの成長や日本とアジアとの連携強化を踏まえ、航空ネットワークだけでなく、海上や陸上のネットワーク全体で総合的に考えることが重要。
      • RNAVやRVSMという新技術については、具体的なスケジュールがなければ進まない。外国の飛行機にも対応させるのであれば、国際的にもスケジュールを公表することが必要。
      • 羽田の再拡張事業について、スケジュールをもっと具体的に示すことが必要。
      • 管制官については、訓練が重要。
      • 羽田の再拡張事業について、PFIの実施方針の公表はなるべく早く行うべき。
      • 新しい技術の導入については、海外がやらないから日本もやらないのではなく、主権国家なのだから、強い意志で実行することが必要。
    • 続いて、事務局から「航空に関する懇談会の論点整理(案)」について資料説明が行われ、懇談会における論点整理をまとめることとなった。
    • 最後に、椎名座長から、以下のとおりまとめがあった。
      • 昨年から、5回にわたり有意義な議論を行うことができた。羽田空港の再拡張事業については、困難も多いが国家の命運をかけたプロジェクトであり、しっかりやってほしい。

    以上

    (この要旨は速報版であり、後日、さらに詳細な議事概要を改めて国土交通省航空局のホームページで公表いたします。)


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