平成16年10月27日 |
<問い合わせ先> |
政策統括官付 |
政策調整官(物流担当)付 |
(内線53315) |
TEL:03-5253-8111(代表) |
「環境負荷の小さい物流体系の構築を目指す実証実験」は、幹線物流において荷主と物流事業者が共同で海運・鉄道へのモーダルシフトやトラック輸送の共同化といった環境負荷低減策に取り組む場合に、一定の効果が認められるものについて支援する制度です。本年度の一次募集分については既に15件を認定しておりますが、このたび、二次募集分の認定を行いましたのでお知らせいたします。
本年度の二次募集は9月30日まで応募を受け付けたところ17件の応募がありました。学識経験者等からなる実証実験検討会の推薦を受けた17件すべてを認定いたしました。
17件中13件は輸送機関を鉄道にシフトするものであり、うち7件は31フィートの大型コンテナを導入するものです。海運にシフトするものは3件、トラックの大型化により輸送を効率化するものが1件でした。また、鉄道・海運にシフトするものの中には、端末輸送部分のトラックの大型化を併せて行うものが3件ありました。
一次募集分と合わせた今年度の認定実験32件が計画通り実施された場合、当該輸送により排出されるCO2の量は実施前に比べて約7割削減され、削減量は年間約3.4万トンになります。同量のCO2を森林による吸収で削減しようとすると、東京ディズニーランドの約84倍の面積を新たに造林する必要がありますが、この支援制度で交付する補助金総額は約2.5億円であり、非常に効果的な温暖化対策といえます。
本実証実験補助制度の詳細については下記HPをご覧ください。
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/butsuryu-index.html
■認定方法
応募された実験計画は、まず、学識経験者等からなる「環境負荷の小さい物流体系の構築を目指す実証実験検討会」の推薦を受けます。推薦された各実験計画を、施策効果(補助金申請額百万円あたりのCO2排出削減量)の大きなものから優先的に認定することとしています。
○検討会の開催
応募された実験計画について、学識経験者等からなる検討会(平成16年10月19日開催、メンバーは下表)で審査され、下記の基準により17件すべてが推薦されました。
[推薦基準](本年度第一次募集時と同じ基準です)
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(参考) 環境省試算(2003年7月) CO2排出量の6%削減約束を達成するために必要な課税率は、課税だけの効果を前提とすると、炭素1トンあたり約45,000円。 → 100万円あたり22.22t-C/百万円(=81.48t-CO2/百万円) ※事業者は炭素1トン排出して45,000円納税するか、1トン削減して税金45,000円を節約するかという選択がある。税金を節約することと補助金を得ることは等価と考えられるので、上記の換算を採用したものである。 |
○認定
推薦された17件全てを認定しました。(→ 資料2(PDF形式))
環境負荷の小さい物流体系の構築を目指す実証実験 検討会委員
平成16年10月19日 | ||||
委員長 | 加藤 俊平 | 東京理科大学教授 | ||
委員 | 高橋 洋二 | 東京海洋大学教授 | ||
委員 | 大聖 泰弘 | 早稲田大学教授 | ||
委員 | 中泉 拓也 | 関東学院大学専任講師 | ||
委員 | 立花 宏 | 日本経済団体連合会専務理事待遇・常務理事 | ||
委員 | 中田 洋 | 日本物流団体連合会理事長 | ||
委員 | 増井 健人 | 全国通運連盟理事長 | ||
委員 | 日野西 光温 | 日本長距離フェリー協会理事長 | ||
委員 | 中西 基員 | 日本内航海運組合総連合会理事長 | ||
委員 | 野間 耕二 | 全日本トラック協会理事長 | ||
以上10名 |
■実験概要
[認定した17件の内訳]
[主な実験の概要]
山形〜九州間、鉄道活用実証実験
荷主企業:(株)旭硝子ファインテクノ
物流事業者: エイジー物流(株)、日本貨物鉄道鞄喧k支社、米沢合同運送(株)
米沢から福岡・北九州へ液晶用ガラス基板の長距離トラック輸送を鉄道輸送に転換する。貨物特性から鉄道輸送の振動に対して不安がありこれまでトラックで輸送を続けてきたが、専用容器の導入により課題を克服し、12ft汎用コンテナによる鉄道輸送を試みる。山形〜仙台間はトラックによる代行輸送。 概要(PDF形式)
四国・阪神間フェリー活用実証実験
荷主企業: カト―レック(株)
物流事業者: ジャンボフェリー(株)、(有)ロジスティック
香川から大阪へはユニ・チャーム(株)の製品(紙おむつ等)を、大阪から香川へは(株)ミツカンの製品(調味料等)を、それぞれ全区間トラック輸送していたものを、途中の高松〜神戸間をフェリー利用へと転換する。海運へのモーダルシフトと、輸送距離を約25%削減することによりCO2排出量を削減。また、両端末区間についても、10トントラック利用から20トントレーラー利用へと大型化する。 概要(PDF形式)
幹線輸送におけるトラックの大型化によるCO2排出量削減実験
荷主企業: コカ・コーラウエストジャパン(株)
物流事業者: ロジコムジャパン(株)
広島〜佐賀間での清涼飲料水の往復輸送について、使用する車両を10トントラックから22トントレーラーへと大型化することによって輸送を効率化する。使用車両の大型化に伴い輸送単位も大型化するが、荷主側も在庫調整、生産スケジュールの見直し等で対応することにより、協調してコスト削減と環境対策を両立させる。 概要(PDF形式)
[CO2の排出削減効果]
今回認定した17件でCO2排出量を年間約1.2万t-CO2削減する計画です(削減率は平均70%)。一次募集分と合わせた32件のCO2の年間排出削減量3.4万トンを全て森林による吸収でまかなおうとすると、東京ディズニーランドの約84倍の面積を新たに造林する必要があります。
これに対し本補助制度により交付する予定の補助金額は32件の実験に対して合計約2.5億円でしかないため、非常に効率的に環境対策を行うことができることになります。
データ
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