平成17年4月4日 |
<問い合わせ先> |
○インターネットモニターに関すること |
大臣官房広報課 (内線21574) |
○調査結果に関すること |
総合政策局政策課 (内線24215) |
TEL:03-5253-8111(代表) |
※E-mailでのお問い合わせは kocho-1@mlit.go.jp まで。 |
国土交通省では、今後のユニバーサルデザインの考え方に基づく国土交通行政の推進に向けて、具体的な取組を検討するに当たっての参考にさせていただくため、平成17年1月に国土交通行政インターネットモニターに対して第1回目のアンケート調査「ユニバーサルデザインの考え方に基づく国土交通行政の推進に向けた具体的な方策について」を実施し、721名(男性412名,女性309名)の20歳代から70歳代までの幅広い年齢層にわたる方々から回答をいただきました。その結果を公表します。
いただいた意見では、多くの方がユニバーサルデザインという言葉を認知していらっしゃいましたが、年齢や職業、地域等によって視点が大きく違っていることがわかりました。
また、現状のバリアフリー化の整備に対する不満を持っている方や、心のバリアフリーの必要性を感じている方が多いことがわかりました。
今回、皆様からいただいたご意見、ご提言につきましては、今後、「どこでも、誰でも、自由に、つかいやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づいた国土交通行政のあり方を検討していくに当たっての参考とさせていただきたいと考えております。
※アンケート調査の結果についての詳細は、別添をご覧下さい。
国土交通行政インターネットモニター制度は、これまで国土交通行政に余り関心の無かった方も含めて、広く全国の老若男女の皆様から、国土交通行政の課題に関しインターネットを利用して質の高いご意見・ご要望等をお聴きし、今後の国土交通行政の施策展開の参考とすることを目的として、平成16年度から実施しているものです。
https://www.monitor.mlit.go.jp/
国土交通行政インターネットモニター (平成17年1月実施)
「ユニバーサルデザインの考え方に基づく国土交通行政の推進に向けた
具体的な方策について」の結果について
国土交通行政インターネットモニターとは、これまで国土交通行政に余り関心の無かった方も含めて、広く全国の老若男女の皆様から、国土交通行政の課題に関しインターネットを利用して質の高いご意見・ご要望等をお聴きし、今後の国土交通行政の施策展開の参考とすることを目的として、平成16年度から実施している制度です。詳しくは、https://www.monitor.mlit.go.jp/まで。
<はじめに>
国土交通省は、国土政策、住宅・社会資本整備、交通政策、観光政策などの幅広い分野を担う、国民生活に密着した行政機関の一つとして、国民生活の安全、安心を確保するという重要な使命を持っています。
このような観点から、これまで、すべての人々が暮らしやすい社会の形成を目指して、高齢者、障害者、妊婦、子ども及び子ども連れの方などにとって移動がしやすく、暮らしやすい社会の実現のために、公共交通機関、歩行空間、公共性の高い建築物、住宅などのバリアフリー化などを積極的に推進しているところです。
今後、本格的な高齢社会の到来、国際化の進展などが見込まれる中、すべての人が、自立し、安心して暮らし、持てる能力を最大限に発揮できる社会を形成していくことが求められています。このような社会の形成に当たって、国土交通行政の推進の際にも、あらかじめ、障害の有無、年齢、性別、言語などに関わらず、多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインしていくという「ユニバーサルデザイン」の考え方に基づいた取組が必要であると考えられます。
このため、今後のユニバーサルデザインの考え方に基づく国土交通行政の推進に向けて、具体的な取組を検討するに当たっての参考にさせていただくため、平成17年1月に国土交通行政インターネットモニターに対してアンケート「ユニバーサルデザインの考え方に基づく国土交通行政の推進に向けた具体的な方策について」を実施し、721名(男性412名,女性309名)の20歳代から70歳代までの幅広い年齢層にわたる方々から回答をいただきました。(アンケート内容についてはこちら(PDF形式)をご覧ください。)
その概要は以下のとおりです。
<アンケートの概要>
<アンケート結果の概要>
※ 個々のアンケート調査の結果については、それぞれの問毎の参考図表をクリックして下さい。また、参考図表に含まれるグラフ・数表の見方については、こちら(PDF形式)をご覧下さい。
● 『ユニバーサルデザイン』という言葉の認知度(問1) 参考図表(PDF形式)
● 「生活や移動に不便を感じている人」のイメージ(問2) 参考図表(PDF形式)
● ユニバーサルデザインとして認識していたもの(問3) 参考図表(PDF形式)
● バリアフリーの現状についての考え(問4) 参考図表(PDF形式)
(代表事例)
バリアフリー化は最近急速に普及してきていると思う。県庁、市役所、駅などの公共施設について特に感じるが、高齢化率の高い秋田県のような利用者の多い地域については、医療機関周辺道路などに、特に重点的に取り組んで頂きたい。また、雪道を高度なバリアとして考えてほしい。
(秋田県 管理・専門技術職 男性 61才)
都市のほうばかり進んでいると思う。新しい建物などは規準があるためだと思うのですが早い時期に古い建物などにも手を加えてもらえるといいと思います。
(新潟県 販売・サービス・労務職 女性 32才)
地下鉄の駅では、まだまだ配慮が足らないところが多いと思う。エレベーターがなかったり、地下鉄とホームとの間があって、お年寄りや小さい子にとっては、危ない環境だと思う。
(愛知県 事務職 女性23才)
建物・都市部の交通機関のバリアフリー化はずいぶん進んでいると思いますが、道路に付随する部分については、未整備に近い状況であると感じています。特に、地方部で市町村が管理する道路の段差・障害物目に付きます。高齢者の多い地方部(集落毎)のバリアフリー化を優先させるべきであると考えます。
(三重県 管理・専門技術職 男性 57才)
● ユニバーサルデザインの考え方に基づき配慮すべき人・分野等(問5) 参考図表(PDF形式)
(代表事例)
妊婦や幼児・こどもや親子連れなどへの配慮が必要。公共交通に限って言えば、幼児やこどもでも使いやすい車両構造(座席・立席ともに)、駅やターミナルなどの環境改善など、運賃面や旅客サービスからのサポートもあってしかるべき。
(福岡県 事務職 男性 33才)
やはり、公共性の高い部分からハード面、ソフト面とも重点的に推進することが必要だと思いますが、各地域の住民の意見も十分に取り入れて、地域が求めている部分についても組み入れながら、どんな人でも住みやすい空間(地域)にしていくのが良いのではないかと思います(現実には、住民意見の相違や、地域性や、住民と地方公共団体との見解のズレなどもあって難しいとは思います・・。)
(北海道 管理・専門技術職 男性 31才)
身体に障害を持っている人が、健常者と同じように行動できるのが目標だと思います。ソフト面は子供の時からの教育を充実していく事が大切。
(愛知県 事務職 男性 33才)
私は北海道に住んでいますので、冬季の市街地における凍結路面の危険さが気になります。私のように健康な男子ですら危険を感じるようなツルツル路面が放置されている現状は、ユニバーサルデザインの精神とはほど遠いと思います。冬の札幌などあまりにも危険すぎて、本州に住む老いた両親など危なくて呼べないというのが正直な印象です。誰でも安心して歩ける冬道の実現こそ、北海道における緊急の課題だと思います。
(北海道 管理・専門技術職 男性 35才)
● 「心のバリアフリー」の推進のために必要なこと(問6) 参考図表(PDF形式)
(代表事例)
大切なことだと思います。実際、どのような良い施設を建設しようが、それを利用する地域の方々に【心のバリアフリー】が育っていなければ、全く意味を成さない施設になるでしょう。多目的トイレなどでも、それをどのような方が必要としているのか、またそれがどうして必要なのかが理解できていなければ、普通のトイレと変わりなくなり、障害を持った方々は多目的トイレを使用したい時に使用出来なくなるでしょう。ですから、施設も大切ですが、心はもっと大切だと思います。
(富山県 主婦 女性 25才)
基本的には個々人の問題であると認識している。強制や勧告により行われる「心のバリアフリー」を「推進」することには抵抗がある。将来のわが国を担う人たちの教育に注力すべきであろう。
(新潟県 事務 男性 46才)
心のバリアフリーはハード整備と両輪の関係にあり大いに推進すべきであります。小中生への生活学習指導ボランテア活用、健常高齢者、地域町内会への呼びかけなどをすべきです。
(北海道 無職 男性 64才)
「心のバリアフリー」こそが、これから一番大切な施策だと感じます。市街地密集地域、過疎地では、整備することの難しさ、また、維持管理することの難しさがあります。といっても、最低限の施設は必要な気がします。エレベーターが無理なら斜路、という具合に。これらの不足分をカバーできるのは「心のバリアフリー」しか無いと感じます。
(福井県 管理・専門技術職 男性 34才)
● ユニバーサルデザインの考え方に基づき今後進めるべき方策(問7) 参考図表(PDF形式)
(代表事例)
利用者とりわけ高齢者、障害者、外国人の意見を十分取り入れて検討する必要がある。デザインについては、先進諸国などのデザインを積極的に取り入れて、モデル地域で先行実施しアンケート調査などで意見を幅広く聴取したらよいのではないか。
(宮城県 管理・専門技術職 男性 47才)
都会だけでなく、地方も推進していくべきだと思います。今は市町村合併などで、ますます一住民の意見が行政に届かなくなるのでしょう。人口や、地域に関係なくバリアフリーを進めるべきだと思います。そして、それを利用する国民の皆さんに「心のバリアフリー」を徹底させるべきです。特に幼少期から偏見や思い込みを植えつけず、個々を尊重できるように教育していくべきだと思います。それは家庭はもちろん、地域や学校でも教育するべきだと思います。学校などは、養護施設などで障害者と別れています。核家族化になっていき、高齢者とも老人ホームなどで別れてしまいます。そういった生活を、うまく交差させ本当に身近なモノにすればいいのではないでしょうか。紙面だけの教育ではなく、相手の顔の見える教育で「心のバリアフリー」を育てていけばいいと思います。
(富山県 主婦 女性 25才)
全ての人々にとって使いやすいというのは、結果的には理想論。それよりも、利用者の満足度(設備・利用料金・スタッフ対応)が最も高くなるところで、止めることが一番だと思われます。いくらノンステップの施設でも、スタッフが車いす利用者に「スロープはあっち」というような対応をしていたのでは、全く無意味です。ユニバーサルデザインだけにとらわれて、ソフト面の低下を見過ごすことだけは避けて欲しいと思います。
(愛知県 販売・サービス・労務職 男性 34才)
第一に、それぞれの利用者が提案や提言、注文できる環境を整備する必要があると思います。つまり自由に自分の声(日本人・外国人全般)を機関に届ける”意欲”を高めると同時に、その集約システムを国民に分かりやすく周知する必要があるのです。学者が学問的にシステムを構築するのではなく、あくまで利用者が利用しやすい様に機関に求める構図が理想だと感じます。そのためには、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人、ヤングシルバー、シニアシルバー等(外国人・障害者含む)各年代別のモニター制度を組織(強化)し、世代別意見を整理することが大切ではないかと感じます。
(滋賀県 販売・サービス・労務職 男性 40才)
ユニバーサルデザインの考え方を、個々の住宅・建築物、社会資本、公共交通、観光などの諸分野に取り込むにはどのようにすればよいのか、ガイドラインないしマニュアルの策定が急務と考えます。これは単に指針となるものではなく、個々の分野の「デザイン」において、あらゆる人々に使いやすくするにはどうすればいいのか、かなり具体的なものであるべきと考えます。要は、まだまだユニバーサルデザインの概念が設計段階で取り込まれているとは言いがたいと思えてならないのです。これを変えるには、補助金や税制で対応することも当然必要ですが、長い視点でマーケットベースに乗せることを鑑みると、設計者の意識を変えることからはじめなければ。そのためのツールが必要だと考えています。
(福岡県 事務職 男性 33才)
● 身近に見かけるユニバーサルデザインの優良事例(問8) 参考図表(PDF形式)
(代表事例)
フランスの地方で、歩道と横断歩道に段差がなく、車道の方が横断歩道のたびに傾斜を上り下りする、というのを見ました。高齢者や子ども連れ歩行者の視点にたった発想で、車道にアップダウンがあるために車もスピードを出し過ぎることはなく安全なまちづくりと思いました。日本でもあるのでしょうか。むしろこちらが当たり前になるとよいな、と思っています。
(千葉県 主婦 女性 46才)
高齢者や車椅子の方が見えたら、カウンターから出て通路で接客している商業施設。
(長野県 管理・専門技術職 男性 46才)
富山市で計画推進されているJRのローカル線における路面電車化計画。市内電車との連結計画。二酸化炭素の削減、交通停滞の緩和、高齢者や学生の移動の利便性等。
(富山県 無職 男性 63才)
熊本のバリアフリーデザイン研究会などが実施しているバリアフリーの考え方において優れた建築物を勝手に表彰する取り組みが非常に面白いと思いました。熊本はそれらも手伝って、建築物以外にも公共交通の考え方が先進的で、低床電車の導入、鉄道網の再編、バスの再編など、地域全体でユニバーサルデザインにおける意識改革が進んでいると感じています。もう一つは富山県です。富山県は全国有数のクルマ社会ですが、近年、公共交通への取り組みにおいて地域全体で意識改革が進行していると感じます。市民参加によるローカル鉄道の社会的維持から始まったのですが、低床電車の導入、公共交通の再編などを実施しており、これも優良といえる事例だと思います。富山県も先進地となっていくと思います。
(福井県 自営業主・家族従事者 男性 44才)
娘が小学生の時に授業で町を歩いて調査しバリアフリーマップを作りました。子どもの目で見た率直な感想が書かれており、あるお店の事で「この店は段差が多くて車椅子では大変です」というようなことがかかれてありました。しばらくして、その店の前を通りかかると「車いすの方はご遠慮なくお申しでください」と張り紙がしてありました。いま、バリアフリーマップは町の公民館と学校に張られているのを見かけます。町に訪れるひとの多くが利用するようなことはありませんが、マップを作る過程で町の人に少なからず、バリアフリーについて考える機会を与えたと思います。
(島根県 自営業主・家族従事者 男性 47才)
<国土交通省の考え方>
今回の調査では、全国各地のモニターの皆様から貴重なご意見・ご提言を数多くいただきました。
いただいた意見では、多くの方がユニバーサルデザインという言葉を認知していらっしゃいましたが、年齢や職業、地域等によって視点が大きく違っていることがわかりました。
また、現状のバリアフリー化の整備に対する不満を持っている方や、心のバリアフリーの必要性を感じている方が多いことがわかりました。
今回、皆様からいただいたご意見、ご提言につきましては、今後、「どこでも、誰でも、自由に、つかいやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づいた国土交通行政のあり方を検討していくに当たっての参考とさせていただきたいと考えております。皆様のご協力に深く感謝いたします。
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