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 第5回国土交通Dayにあたって
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国土交通大臣 北側 一雄

 

  第5回国土交通Dayに当たりまして、一言御挨拶申し上げます。国民の皆様におかれましては、日頃より国土交通行政へのご理解、ご協力を賜り、心から感謝申し上げます。
  この機会に、当省における現在の取組について述べさせていただきたいと思います。

  昨年来、数多くの風水害や大規模地震が発生し、数多くのかけがえのない人命や国民の財産が失われたことは、今でも記憶に新しいところです。こうした悲惨な災害から国民の生命・財産を守るため、守るべき対象を明確にし、安全性を早期に発現させるハード整備へと質的転換を図るとともに、ハザードマップの作成促進や防災情報提供等のソフト対策を組み合わせた総合的な減災対策により、災害に強い国土づくりを推進して参ります。
  また、昨今、公共交通機関における重大事故・トラブルが相次ぎ、国民の皆様に多大なご心配をおかけしております。公共交通機関にとって、輸送の安全確保は最大の使命であります。国土交通省としては、事業改善命令、立入検査をはじめ、事業者に対する監督・指導を強化したところでありますが、さらに、ヒューマンエラー事故防止対策の検討や、事業者に対する監査・監督の手法や組織・体制のあり方の検討を行うなど、国民の公共交通機関に対する信頼回復に向け、公共交通機関の抜本的な安全確保対策に全力を尽くして参ります。
 
  以上のような安全・安心な社会づくりのための取組を最優先としつつ、我が国全体として構造改革の推進が求められる中、国土交通行政についての改革をより一層推進します。
  社会資本整備については、「社会資本整備重点計画」を踏まえ、事業の重点化、コスト構造改革の推進、費用対効果分析を含む事業評価の厳格な実施等を推進します。また、価格だけでなく技術や品質を含めた評価の下で、健全な競争が行われるよう入札・契約制度の一層の改革・適正化に取り組んでいくとともに、国土交通省の直轄工事の発注に関して大規模な談合事件が発生したことを踏まえ、公共工事における談合等の不正行為の効果的な再発防止策を緊急に検討して参ります。
  道路関係四公団については、本年10月に民営化します。また、住宅金融公庫については、平成18年度中に廃止し、証券化支援業務等を行う新たな独立行政法人を設置すべく、そのための準備を進めます。

  これらの諸改革を進めつつ、次のような国土交通行政における重要課題に積極的に取り組んで参ります。
  第一に、国際競争力を強化し、東アジア地域を「準国内」と捉えた経済活動が営めるような環境を整備するため、国際拠点港湾・空港の機能強化、陸・海・空の各モードが連携した物流ネットワークの形成、ITの活用によるセキュリティ対策強化と物流効率化の両立等総合的・一体的・戦略的な物流施策を推進し、国際交流機能の強化を図って参ります。
  第二に、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方を踏まえ、先日策定した「ユニバーサルデザイン政策大綱」に基づき、ハートビル法と交通バリアフリー法の一体化に向けた法制度の構築等による一体的・総合的なバリアフリー施策の推進、だれもが安全で円滑に利用できる公共交通の実現、だれもが安全で暮らしやすいまちづくり等の施策に積極的に取り組んで参ります。
  第三に、地域再生・都市再生については、使途の自由度の高いまちづくり交付金の拡充や、汚水処理、道、港の政策テーマ別に省庁を超えて一本化した地域再生基盤強化交付金の創設等地域の自主的な計画への支援により、地域の再生を後押しするとともに、都市鉄道等の利便性を増進させる制度、バス交通再生プロジェクト、航空交通容量の拡大や整備新幹線の整備等により、利便性・快適性の高いモビリティ確保に努めます。また、地域の基幹産業である建設業の再生に向け、新分野進出のための支援を行うワンストップサービスセンターを設置し、関係省庁と連携した支援を行います。
  第四に、観光立国の実現に向けて、ビジット・ジャパン・キャンペーンの高度化による日本ブランドの海外発信の一層の充実、外国人旅行者に係る査証免除や手続簡素化等を推進します。また、民間と自治体が一体となって進める観光振興の取組に対する総合的な支援や通訳案内業制度の改善等により、国際競争力のある観光地づくりを推進するとともに、景観法等に基づき、全国各地における良好な景観の形成や都市における緑地の保全・創出に取り組みます。
  第五に、安心でくらしやすい社会の実現に向け、市場・ストック重視の住宅政策への転換を図る中で、地域住宅交付金の創設等により住宅セーフティーネットの再構築を推進するほか、建築物の事故防止対策に取り組みます。また、引き続き、自動車の総合的な安全対策として、リコールに係る不正行為の再発防止の強化、車両の安全性向上等を進めます。さらに、「開かずの踏切」対策のスピードアップ、路上工事の縮減、道路環境の集中的改善、交通事故対策等に取り組みます。
  第六に、今なお緊迫する国際情勢を踏まえ、交通機関や空港・港湾・ダム等に対する警備の強化、水際対策の強化等、危機管理・安全保障対策に取り組みます。さらに、海洋権益確保のため、尖閣諸島等における領海警備の強化、大陸棚の限界画定のための調査を推進します。 
  第七に、地球温暖化対策について、本年2月に発効した京都議定書により我が国に課された国際約束を達成するため、本年4月に閣議決定した「京都議定書目標達成計画」を踏まえ、低公害車の開発・普及の促進、海運・鉄道の活用による環境負荷の小さい交通体系への転換、公共交通機関の利用促進等を推進するとともに、省エネ法の改正により、運輸、住宅・建築物の分野における省エネ対策の強化を図ります。また、道路の保水性舗装化と散水等によるヒートアイランド問題への対応を進めます。
  さらに、今後の経済社会の姿に適応した新たな国土計画の具体化に取り組み、地域の意見を反映した成熟期に相応しい我が国の将来像を国民に提示していきます。

  以上、国土交通行政における最近の取組の一端をご紹介いたしました。今後とも、国民の皆様の一層のご理解とご支援を賜りながら国土交通行政を推進してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 

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