平成17年2月2日 |
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2月1日(火)、世界観光機関(以後、WTO)の初めての緊急執行理事会が、昨年12月のインド洋津波災害への対応をテーマとして、タイ・プーケット島で開催され、執行理事国及び関係国等による意見交換が行われました。会合にはタクシン・タイ首相も参加し、各国の支援に対して謝意を表明するとともに、今後の一層の協力を要請し、特に、災害の影響の残っている観光地はごく一部に限られ、大多数の観光地は正常に機能していることを各国において広く伝えて欲しい旨述べました。
我が国からは、去る1月25日にマレーシア・ランカウイ島で行われたASEAN+3観光大臣会合で発表した「観光復興総合プログラム」(別紙1)の紹介など、風評被害の防止等を通じて被災国の観光復興に積極的に協力していく方針を改めて説明したところ、各国の強い賛同を得、被災国を初めとする各国から、調査団の派遣等、今後の具体的な取組についての希望が表明されました。
また、今回の緊急執行理事会では、各国は被災観光地の風評被害防止及び信頼回復のために正しい情報の伝達が重要であるという点で認識が一致し、その強い希望を表明するものとして、インド洋津波災害に対する観光関係者の行動指針として「WTOプーケット行動計画」が採択されました(概要別紙2)。
記
(執行理事国:22か国)
アンドラ、ブラジル、ブルガリア、カメルーン、クロアチア、ドミニカ共和国、エクアドル、フランス、インド、インドネシア、マリ、メキシコ、モロッコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、韓国(議長国)、ロシア、セイシェル、スペイン、チュニジア、トルコ
(執行理事国以外の国等(準加盟・非加盟国等を含む):21か国・地域)
アンゴラ、オーストラリア、オーストリア、カンボジア、中国、ドイツ、ハンガリー、イスラエル、日本、ラオス、マレーシア、モルディブ、モーリシャス、サウジアラビア、シンガポール、スリランカ、タイ、ウクライナ、ベトナム、香港、マカオ
※上記以外にも国際機関(UN、ASEAN、APEC等)、民間企業・団体(VISAインターナショナル等)の多数参加あり
春成 誠 国土交通省 大臣官房審議官
本田 勇一郎 WTOアジア太平洋センター 代表 ほか
本会号の成果として、「WTOプーケット行動計画」(概要別紙2)が採択された。
別紙1
観光総合復興プログラムの概要
国土交通省
インド洋津波災害の被災国における観光の復興に向けて、観光客送り出し国として最大限協力する観点から、次の施策を実施する。
被災観光地の被災状況を正確に把握するとともに、受入れに問題のない地域については、被災国と協力して、風評被害の防止を図るための措置について検討を行う。
〔参考〕
観光客の受入れ体制が万全でない地域については、被災国からの支援要望に基づき、その復旧・復興に向けて、観光当局として最大限の支援を行うほか、ODA等の手法の活用も図る。
〔参考〕
別紙2
観光分野における津波災害救済策
「WTOプーケット行動計画」(概要)
(1)適切なマーケティングと情報発信
(2)レストラン・民芸品製造者等の小規模事業者の救済
(3)失職した観光産業従事者等への教育訓練の実施
(4)過去の乱開発の反省を踏まえた再開発の実施
(5)沿岸部の観光地の安全確保のための情報伝達体制整備等の危機管理施策の実施
観光客を呼び戻し小規模な観光関係事業者を救済するため、キャンペーン等による支援が短期的に必要
(考えられる事業例):
世界規模の広告キャンペーン、航空券の無料配布等によるプロモーション(特定の利用者に限定する等)、各国で行われる旅行博覧会(ITBベルリン等)への被災国の出展費免除、観光分野の指導者会合(ITBベルリン開催時)等
(1)スリランカ: 環境に配慮した再開発、観光従事者への訓練、小規模事業者への支援
(2)モルディブ: 復旧状況に関する情報発信、観光客の受入れ増加、危機管理
(3)タイ: 小規模事業者への支援、観光資源の多様化(自然・文化資源の活用)、新規観光従事者への訓練と既存従事者への再訓練、観光地の復旧状況や観光関連施設における特別なサービスの実施に関する情報発信
(4)インドネシア: 復旧状況に関する情報発信、観光関係機関の情報発信能力の強化
(1)WTOは、日本を含む各国の支援を受けて実施されるインド洋津波警戒システムの創設に協力する。
(2)本行動計画の実施状況を評価し執行理事会に報告するための調整グループが設立される。
(3)本行動計画に基づく具体的案件の実施や財政的支援が関係者に奨励される。
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