国土交通省
 『観光カリスマ百選』選定結果について
 観光カリスマ選定者が累計で100人となりました。(選定は今回で終了となります)
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平成17年3月18日
内閣府
農林水産省
<問い合わせ先>
総合政策局観光担当参事官室
(内線27156)
TEL 03-5253-8111(代表)

 

 

  1. 経緯
     経済活性化等に大きく貢献する観光立国の実現に向けた取り組みが政府において進められています。
     その中で、従来型の個性のない観光地が低迷する状況下において、各観光地の魅力を高めるためには、観光振興を成功に導いた人々の類まれな努力に学ぶことが極めて効果が高く、各地で観光振興にがんばる人を育てていくため、『観光カリスマ百選』選定委員会(委員長:島田晴雄内閣府特命顧問)では、その先達となる人々を観光カリスマとして選定し、選定結果等を国土交通省の観光政策のホームページにおいて公表しています(http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/top.htm)。
     第8回委員会(平成17年2月23日)において、以下の11人の方が新たな観光カリスマとして選ばれましたので、これをお知らせ致します。

  2. 観光カリスマとして選定された方々(敬称略・50音順)

    1)有村 佳子 (ありむら・よしこ) 鹿児島県指宿市(いぶすきし)
      (株)指宿ロイヤルホテル 代表取締役
     鹿児島の主要観光地である指宿で,浸食傾向にある“砂浜”の再生に,自らが砂浜をつくる会の会長となり,地域一体となって取り組むとともに,天然砂むし温泉や地元の豊かな食材など,鹿児島が誇るオンリーワンの地域資源を活用し,それに運動を組み合わせた,「食・運動」をキーワードとする新たな観光振興の展開を図ろうと日々奔走している。

    2)坂本 和昭 (さかもと・かずあき) 北海道帯広市(おびひろし)
      北の起業広場協同組合 専務理事
     北海道での屋台村という、当初誰もが困難と思った試みを斬新なアイデアと数々の工夫により帯広市に実現し、観光客と市民で賑わう場を中心市街地につくりだすことに成功した。この取り組みは、全国各地のモデルとなり、視察の受け入れや著作物を通じて、他地域の屋台村実現に貢献している。

    3)櫻井 泰次 (さくらい・たいじ) 静岡県河津町(かわづちょう)
      静岡県河津町長
     「地域の活性化」をテーマに、特に自然=「花」を活かしたまちづくりを主体に、観光立町としての基盤整備施策に取り組んでいる。早咲きの桜として有名になった「河津桜」をはじめ、特色ある花を『多くの皆さんに見てもらいたい』との思いが原点にあり、さまざまな町おこしに取り組んでいる。中でも、1991年(平成3年)から始めた「河津桜まつり」は、今では、早春の2月から3月の1ヶ月間に100万人を超える観光客が訪れるイベントに成長させている。

    4)近兼 孝休 (ちかかね・たかやす) 香川県琴平町(ことひらちょう)
      (株)琴平グランドホテル 代表取締役社長
     四国路の春を告げる風物詩の一つである『四国こんぴら歌舞伎大芝居』を1985年(昭和60年)に復活し、全国ブランドとして現在まで継続的発展をさせてきた中心的人物。さらに、1997年(平成9年)には温泉掘削を成功させ、『こんぴら温泉郷』をつくり、琴平地区の観光客の誘致に大きな役割を担っている。

    5)寺谷 誠一郎 (てらたに・せいいちろう) 鳥取県智頭町(ちずちょう)
      前鳥取県智頭町長
     かつて林業で栄えたものの深刻な過疎化に悩んでいた鳥取県智頭町において、住民の熱意と協力を引き出し、日本の原風景的な地域の自然そのものや古い建物、生活文化などに磨きをかけ、観光資源として活用するまちづくり、観光地づくりに成功した。

    6)土居 年樹 (どい・としき) 大阪府大阪市(おおさかし)
      天神橋筋商店連合会 会長
     早くから天神祭を生かした商店街の観光振興や空き店舗対策に取り組むほか、カルチャーセンター設置や修学旅行生の誘致、ストリートミュージシャンの育成など、ユニークな活動を展開している。また、地元の住民や企業、文化人、学者らの協力を得て、NPO法人天神天満町街(まちがい)トラストを設立。ホームページの開設やコミュニティー誌の発行を通じて、地域情報を広く発信。天神天満をより魅力ある街にするため、積極的な活動を行っている。

    7)東谷 望史 (とうたに・もちふみ) 高知県馬路村(うまじむら)
      馬路村農業協同組合 代表理事専務
     人口約1,200人という林業で生計を立てていた過疎の山村が、1981年(昭和56年)からゆず加工品の販売をはじめ、2003年(平成15年)には売上が29億円を超えるまでになった。東谷氏はこの加工品の開発、生産、販売に携わるとともに、観光地や温泉など村の情報をまるごと売り込む作戦で、馬路村ブランドの確立に中心的な役割を担ってきた。この知名度アップにより、県内外から多数の視察や観光客が訪れるようになるなど、観光交流の面でも大きく貢献している。

    8)徳永 巧 (とくなが・たくみ) 岡山県久世町(くせちょう)
      真庭遺産研究会 事務局長
     県北部の9町村を含む真庭地域において、失われつつある農村固有の自然や風景、歴史遺産にスポットライトをあて、その保全と活用方法について検討することを目的に「真庭遺産研究会」を設立し、その事務局長としてこれら自然資源等を活かしたグリーン・ツーリズムやエコツーリズムを推進し、真庭地域の景観保全や観光振興に貢献している。

    9)塙 吉七 (はなわ・きちしち) 茨城県日立市(ひたちし)
      (財)茨城県開発公社 国民宿舎 「鵜の岬」 支配人
     公共の宿泊施設は、低価格だがサービスや食事のレベルが低いと言われていたころ、塙氏は職員とともに心のこもったサービスでお客様をもてなすことにより、公共の宿泊施設のイメージを一新し、魅力ある施設へと変貌させ、それを継続することに成功している。

    10)林 敏幸 (はやし・としゆき) 長崎県長崎市(ながさきし)
      長崎ランタンフェスティバル企画幹事会 幹事長
     毎年長崎新地中華街で行われていた中国の「春節祭」を、より本物志向で、観光客も楽しめる大規模なイベントにするために、中華街関係者などを説得し、自ら中国にランタン(提灯)を買い付けに行くなどして、1994年(平成6年)に第1回目の「長崎ランタンフェスティバル」を開催した。以来、ランタンフェスティバルは80万人を集客する九州を代表するイベントに成長し、現在も企画幹事会幹事長として中心的役割を担っている。

    11)山田 桂一郎 (やまだ・けいいちろう) スイス ツェルマット
      JTIC.SWISS代表
     スイス・ツェルマットでの観光局やNPO法人等での経験、世界各地でのプログラム・ツアーの実施経験を活かし、日本の各地域において、講座・セミナーの開催による「サービスクオリティ」の向上や、「プロフェッショナル」のツアーガイドの育成、また自立できる組織づくりや地域性を活かした商品開発など地域観光のコンサルタントとして、各地域の観光振興に大きな役割を果たした。

     上記の観光カリスマに選定された方々の事績などにつきましては、国土交通省の観光政策のホームページ(http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/top.htm)で紹介しています。取材等のお問い合わせ先につきましても、同ページに掲載しています。なお、今回の選定者とあわせた観光カリスマの総数は、98件100人となりました。

  3. 今後について
     観光振興を図るには、地域のオリジナリティが不可欠であり、そのためには観光カリスマの活動を形だけ模倣するのではなく、「考え方」を理解することが重要です。したがって、観光振興に取り組んでいる地域や人々が観光カリスマから話を聞き、観光カリスマのノウハウを上手く活用して、人真似ではない、個性的な観光地づくりを進めていくことが大事であると考えています。観光カリスマの選定は今回で終了し、今後は観光カリスマの知恵と経験に学ぶ機会の提供に努めていきます。例えば、国土交通省では、ホームページでの観光カリスマへのお問合せ先の掲載や観光カリスマ塾の開催等を通じて、こうした機会を提供します。


別紙

『観光カリスマ百選』選定委員会

委員長 島田 晴雄 内閣府 特命顧問
委員 古賀  学 社団法人日本観光協会 調査企画部長
佐藤喜子光 立教大学観光学部 教授
田川 博己 株式会社ジェイティービー 常務取締役東日本営業本部長
細尾 勝博 兵庫県八千代町 産業課長(観光カリスマ)
廻  洋子 淑徳大学国際コミュニケーション学部経営環境学科 講師
藻谷 浩介 日本政策投資銀行地域企画部 参事役
 
事務局 平工 奉文 内閣府 参事官(産業・雇用担当)
川上 征雄 内閣府 参事官(社会基盤担当)
武藤 浩 国土交通省 総合政策局 観光企画課長
志村 格 国土交通省 参事官(観光担当)
大原 知夫 農林水産省 農村振興局 地域振興課長


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