第１回「公共交通に係るヒューマンエラー事故防止対策検討委員会」の概要について

平成１７年６月１４日

＜問い合わせ先＞

総合政策局参事官

（交通安全担当）

（内線24302）

総合政策局技術安全課

（内線25603）

TEL：03-5253-8111（代表）

　本日６月１４日（火）１５時００分より、国土交通省会議室（３号館１１Ｆ特別会議室）において、第１回「公共交通に係るヒューマンエラー事故防止対策検討委員会」が開催された。
本日の議題は以下のとおり。
（１）ヒューマンエラー事故防止対策検討委員会設置の経緯等について
（２）鉄道関係事故の概要、対応等について
（３）航空関係トラブルの概要、対応等について
（４）アドバイザリーグループ委員の所見等について
議事概要
　岩村国土交通事務次官挨拶の後、上記議題について事務局、委員等より一通り説明が行われ、その後審議が行われた。
　議題について、アドバイザリーグループ委員から出された主な意見の要旨は別紙の通り。
　最後に、今後の予定として、概ね２週間に１回のペースで当委員会を開催し、ヒューマンエラー事故防止に係る専門家のプレゼンテーションやヒューマンエラー対策に係る企業の取り組み状況の説明を実施し、とりまとめの審議については夏頃を目処に行うことが確認された。

（検討委員会構成員）　

委員長岩村国土交通事務次官

委員長代理佐藤技監

　安富国土交通審議官

委員峰久官房長

　金澤技術総括審議官

　丸山総合政策局長

　梅田鉄道局長

　金澤自動車交通局長

　矢部海事局長

　岩崎航空局長

　春田政策統括官

※必要に応じて関係者の出席を求める

別紙

議題について、アドバイザリーグループ委員から出された主な意見の要旨は以下のとおり。

事故の重要な要因がヒューマンエラーであるならば、事故防止のために何をなすべきかを、人と機械のシステム全体を視野に入れて対策を検討することが必要。
エラー予防より事故予防が重要。違反・リスク行動は個人ではなく、組織の責任等の観点が必要。
ものごとの「事実」ではなく、「誰が言っているか」を重視する「属人思考」が企業の組織風土になると、組織的違反の大きな原因となる。組織的違反を防止するためには、組織風土のモニタリングが必要であり重要。
ヒューマンエラー防止には、トップ自身がリスクを把握するとともに対応方針や優先順位について説明を実施するという、トップのコミットメントを強調すべき。
職業に対する責任や誇りをもつことと、「最も誠実かつ安全な公共交通機関を目指す」といった高いところに目標を置くという意識が大切。
交通移動体の機械化、高速化、高密度化等により、自動化の皮肉として人間に過大な役割が課せられ、人と高度技術システムにミスマッチが生じている。
ヒューマンエラー事故の防止のためには、人間の側の危険状態への移行を防止するための予防安全技術が必要。
人と機械の協調をいかに設計するかが重要であり、人間にいかに早く気づかせるかという状況認識の強化、最終的な決定権を人と機械が共有して、適切な自動化レベルを設定し、機械が人を積極的なサポートすることも考えていく必要がある。
安全管理にＰＤＣＡ（Plan, Do, Check, Action）サイクルを導入することが重要。それが人間工学原理を導入した科学的事故防止につながる。
責任追及より再発防止優先の事故調査に基づく科学的事故防止策が重要。
関係者のネットワークにより事故防止の連携を図るとともに、その手法として、インシデント情報を共有し、そのインシデント情報を関係者の安全への取り組みに活用することが重要。

（アドバイザリーグループ委員）
稲垣敏之	筑波大学大学院システム情報工学研究科教授
岡本浩一	東洋英和女学院大学人間科学部教授
河内啓二	東京大学大学院工学系研究科教授
髙　　　巖	麗澤大学国際経済学部教授
芳賀　繁	立教大学文学部心理学科教授
堀野定雄	神奈川大学工学部経営工学科助教授
村山義夫	（財）海上労働科学研究所主任研究員
	（五十音順、敬称略）

※ なお、本日の委員会では、河内委員を除く６名のアドバイザリーグループ委員が出席された。

（検討委員会構成員）
委員長	岩村	国土交通事務次官
委員長代理	佐藤	技監
	安富	国土交通審議官
委員	峰久	官房長
	金澤	技術総括審議官
	丸山	総合政策局長
	梅田	鉄道局長
	金澤	自動車交通局長
	矢部	海事局長
	岩崎	航空局長
	春田	政策統括官