国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
平成18年度における国土交通省の「公共事業コスト構造改革」実施状況について

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 平成18年度における国土交通省の
 「公共事業コスト構造改革」実施状況について

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平成19年12月11日
<問い合わせ先>
大臣官房
 技術調査課

(内線22353)

 公共事業調査室

(内線24294)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

 平成12年9月に公共工事コスト縮減対策関係閣僚会議において、平成12年度以降の政府の新たな「公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針」が策定され、国土交通省においても平成13年3月に新行動指針を踏まえた「公共工事コスト縮減対策に関する新行動計画」を策定しました。
 平成15年度からは、新行動指針及び新行動計画に加え、公共事業のすべてのプロセスをコストの観点から見直す、「コスト構造改革」に取り組むこととし、平成15年3月に、事業のスピードアップ、計画・設計から管理までの各段階における最適化、調達の最適化を見直しのポイントとした「国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム」を策定しました。
 コスト構造改革の数値目標として、従来の工事コストの縮減に加え、規格の見直しによる工事コストの縮減、事業のスピードアップによる事業便益の早期発現、将来の維持管理費の縮減をも評価する「総合コスト縮減率」を設定し、平成15年度から5年間で、平成14年度の標準的な公共事業コストと比較して、15%の総合コスト縮減率を達成することとしています。
 新行動指針および国土交通省公共事業コスト構造改革プログラムでは、「実施状況については、具体的施策の着実な推進を図る観点から、適切にフォローアップし、その結果を公表する。」こととしており、今回、平成18年度の実施状況をとりまとめ、報告するものです。
 平成18年度においては、総合的なコスト縮減の視点に立ち、新技術活用の促進、将来の維持管理費の縮減、及びユニットプライス型積算方式導入に向けた試行等、様々な施策を実施しました。また、国土交通省・関係機構等の平成18年度の総合コスト縮減率は、11.5%となりました。;

  1. これまでの経緯
     公共工事コスト縮減対策については、平成9年4月4日に策定された「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針」に基づき、同行動指針の対象期間である平成9年度から11年度までの3年間、各省庁が一致協力して施策を推進し、一定の成果を得てきました。
      また、平成12年9月1日には、公共工事コスト縮減対策関係閣僚会議において、平成12年度以降の新たな「公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針」が策定され、これを踏まえ、平成13年1月6日の省庁再編に伴い、運輸省、建設省及び北海道開発庁において策定した新行動計画を統合し、平成13年3月30日に国土交通省におけるコスト縮減のための具体的施策を盛り込んだ新行動計画を策定しました。
      さらに、平成15年3月31日には、新行動指針だけでは、限界があることから、新行動指針を維持継続することに加え、公共事業のすべてのプロセスをコストの観点から見直す「コスト構造改革」に取組むこととし、国土交通省は、「国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム」を策定し、1事業のスピードアップ、2計画・設計から管理までの各段階における最適化、3調達の最適化を見直しのポイントとし、各施策を実施しているところです。
     なお、このようなコスト縮減の取り組みと物価の変動により、同種の工事を実施した場合の予定価格は、平成8年度以降低下してきましたが、近年は資材価格の急騰により、平成18年度の予定価格は平成14年度に比べ約2%上昇しています。(詳細は別紙-1)

  2. コスト縮減の取り組みの成果
    (1)平成18年度コスト縮減取組実績

    1)公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針 
     (詳細はこちら) (URL→https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/13/131211/07.pdf

    • 実施施策
      30施策 170項目(全項目数 174項目) 
    • 行動指針の項目をより具体化した行動計画の実施施策
      30施策 304項目(全項目数 312項目)

    2)国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム
      (詳細はこちら) (URL→https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/13/131211/08.pdf

    • 実施施策
      34施策 (全施策数 34施策)

    (2)平成18年度総合コスト縮減率 (詳細は別紙-2)

      数値目標は、公共事業のすべてのプロセスをコストの観点から見直す「コスト構造改革」の取り組みを適切に評価するため、従来からの工事コストの縮減に加え、規格の見直しによるコストの縮減、事業のスピードアップが図られることによる便益の向上、将来の維持管理費の縮減をも評価する「総合コスト縮減率」を設定し、平成15年度から5年間で、平成14年度における標準的な公共事業のコストを基準として、15%の総合コスト縮減率を達成することを目標としています。
      平成18年度の総合コスト縮減率は、国土交通省・関係公団等合計で11.5%の低減となりました。

    国土交通省・関係機構等の平成18年度実績
    総合コスト縮減率 : 縮減率:11.5% 縮減額: 4,289億円

      なお、これらの縮減額は、社会資本整備の推進に充当し、公共事業全体の進捗を図っています。

    (3)平成18年度公共事業コスト構造改革取組事例 (詳細は別紙-3)

    1)公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針
      ※( )内の番号等は、新行動指針・新行動計画の施策番号一覧による

    工事コストの低減
    電源設備に自家発電方式を採用(3設計方法の見直し)
    • 高松空港盛土体モニタリング施設設置工事において、電源設備に太陽光と風力のハイブリット自家発電を採用することにより、配電工事の省略及び毎年の電気使用量の削減が図られ、約19%コスト縮減(工事コスト縮減額9百万円、電気使用量5,000円程度/年縮減)。
    チェックインカウンター表示装置に汎用表示器を採用(3設計方法の見直し)
    • 搭乗手続所案内設備設置工事において、1PTB北棟及び2PTBのチェックインカウンター上に設置する案内表示装置に汎用表示器(液晶ディスプレイ)を採用することにより、約22%コスト縮減(縮減額 433百万円)。(成田国際空港株式会社)
    専用船によるSGM軽量土工法の採用(4技術開発の推進)
    • 大阪港夢洲トンネル沈埋部護岸復旧工事において、浚渫土砂から軽量混合処理土(SGM)を船上で製造し打設する工法とすることで、約13%コスト縮減(縮減額152百万円)。
    山留工法における新技術の採用によるコスト縮減(4技術開発の推進)
    • 高さ制限のある狭隘部での山留施工において、従来の山留施工機械を用いた工法(SMW工法)から、経済性に優れる小型施工機械を用いた工法(BH-W工法)を採用することにより、約2.3%コスト縮減(縮減額41百万円)。
    法面保護工に簡易吹付法枠(ソイルクリート工法)を採用したことによりコスト縮減(4技術開発の推進)
    • 中田切第4砂防堰堤工事において、現場吹付法枠から簡易吹付法枠(ソイルクリート工法)にすることにより、約46%コスト縮減(縮減額6百万円)。
    ブロック式離岸堤から有脚式離岸堤の活用によるコスト縮減(駿河海岸)(4技術開発の推進)
    • 平成18年度富士海岸堀川離岸堤工事において、従来のコンクリートブロックを使用した離岸堤から鋼管杭を使用した有脚式離岸堤の整備にすることにより、約13.9%コスト縮減(縮減額139百万円)。
    リバースオークション方式による家庭用エアコン調達の試行実施(8入札・契約制度の検討)
    • 民間において広く活用されているインターネットによる調達(逆競り)方式を利用し、機構の調達希望品目(家庭用エアコン)について最も有利な条件を提示した供給者を最優先交渉権者とし、審査のうえ単価契約を締結することにより、約25%コスト縮減(縮減額17百万円)。(都市再生機構)
    ランブルストリップスの設置(N交通安全対策)
    • 室蘭道路事務所管内の路面補修工事において、正面衝突対策としてセンターポール・チャッターバーからランブルストリップス工法を採用することにより、約73%コスト縮減(縮減額30百万円)。
    岸壁整備における既存施設の発生材を活用したコスト縮減(17建設副産物対策)
    • 名古屋港飛島ふ頭岸壁(-16m)整備事業において、既存岸壁の撤去による発生材(コンクリートや石材等)や他工事で発生した土を有効活用することにより、約21%コスト縮減(縮減額210百万円)。

    ライフサイクルコストの低減(施設の品質の向上)
    長寿命の防錆対策を導入しコスト縮減(V1施設の耐久性の向上)

    • 阿蔵地区河川改修事業の内の深井川樋門ゲート設備工事おいて、鋼製設備の防錆対策として、溶融亜鉛メッキ施工を採用することにより、当初施工時の金額は塗料塗装よりも少し高いが、塗装塗り替えが不要となり、トータルで考えると維持管理費を抑えることができ、約80%トータルコスト縮減(塗装部分のみ縮減額約4,900千円/40年)。

    2)国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム
      ※( )内の番号等は、国土交通省コスト構造改革プログラムの施策番号一覧による

    計画・設計から管理までの各段階における最適化
    ジオグリッドを用いた多目的広場の整備(【1】計画・設計の見直し)

    • 従来は、駐車場や園路等に特化した荷重対応型の芝生保護材を採用していたが、駐車場としての機能及び多様な利用者の快適性を追求しつつ、コスト縮減を図ることのできる新たなジオグリッド工法を採用することにより、約38%のコスト縮減(縮減額25百万円)。
    インターチェンジの構造の見直しによるコスト縮減(【1】計画・設計の見直し)
    • 一般国道468号首都圏中央連絡自動車道菖蒲白岡インターチェンジ(仮称)事業において、インターチェンジを簡易な形式にする構造の見直しを行うことにより、約41%コスト縮減(縮減額320百万円)。
    新形式防波堤の採用によるコスト縮減(【1】計画・設計の見直し)
    • 防波堤工事において、堤体上部のパラペットを港内側に設置することで、堤体への波力の作用に時間差をもたせることが可能となることから、堤体幅を縮小することができるとともに、天幅高を抑えられることにより、約13%のコスト縮減が図られた(縮減額72百万円)。
    補強土壁工法の見直しによるコスト縮減(【1】計画・設計の見直し)
    • 補強土壁工法(ワイヤーウォール)の新規格(壁高60cm)を採用することにより、施工性の向上及び工期短縮によるコスト縮減(約25%)が図られた(縮減額12百万円)。(水資源機構)
    公共工事等における新技術活用システム(【2】新技術の活用)
    • 平成17年4月より試行的に運用してきた 「公共工事等における技術活用システム」 を、平成18年8月より、 新技術の峻別による有用な新技術の活用促進と技術のスパイラルアップを目的として、事後評価に重点をおいた 『 公共工事等における新技術活用システム 』 として本格運用。
    雑草の生えにくい芝の採用により将来の維持管理費縮減(【2】新技術の活用)
    • 雑草の繁殖抑制効果のある特殊な芝(品種改良により開発)を中央分離帯等に採用し、雑草の繁殖を抑制することにより、約11%維持管理費縮減(縮減額16百万円)。
    長寿命形蓄電池を採用し、ライフサイクルコストを低減(【2】新技術の活用)
    • 長良導水蓄電池設備工事において、超寿命形MSE蓄電池を採用することにより、寿命が約2倍となり、ライフサイクルコストの縮減(約40%)が図られた(縮減額4百万円)。(水資源機構)

    調達の最適化
    総合評価落札方式について(【1】入札・契約の見直し)
    • 価格及び品質が総合的に優れた調達を行うため、総合評価落札方式を実施。平成18年度は全契約金額の8割以上(件数ベース5割以上)、平成19年度は全契約金額の9割以上(件数ベース6割以上)を実施目標と設定。
    ユニットプライス型積算方式について(【2】積算の見直し)
    • ユニットプライス型積算方式の導入に向け、平成18年度より舗装工(道路)について全面試行、平成19年度より築堤護岸工、道路改良工について全面試行。また、平成20年度より、道路維持、道路修繕、河川維持、河川修繕工事において試行開始予定。
    一括調達方式 (【2】積算の見直し)
    • 複数の工事で使用する資材を国土交通省が資材メーカーから直接購入、支給することにより、資材費を直接的に低減。平成18年度の試行結果では、道路情報板用ランプを10,000個一括購入することにより、約2%のコスト縮減が図られた。

    (4)平成18年度コスト構造改革フォローアップにおける総合コスト縮減率の高い事務所について(詳細は別紙-4)

     平成18年度コスト構造改革フォローアップにおける総合コスト縮減率の高い事務所について、別紙-4にて紹介します。


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