新明和工業（株）製小型ダンプトラックの完成検査の一部未実施について

平成２０年２月１日

＜問い合わせ先＞

自動車交通局
　技術安全部審査課

（内線42312、42313）

TEL 03-5253-8111（代表）

概要
　本日、新明和工業（株）^※より、国土交通省に対し、道路運送車両法による型式指定を受けて製作している小型ダンプトラックに関し、完成検査のうちブレーキテスタによる制動能力検査とスピードメーターテスタによる速度計の検査を行っていなかったとの事実、及び、安全性確認のための自主点検を行う旨、報告がありました。
　これは、国土交通省が行った立入検査の結果に基づいて、昨年12月に道路運送車両法第１００条による報告を求めていたことを受け、同社が社内調査を実施した結果によるものです。

※	新明和工業（株）は、自動車メーカー（いすゞ自動車（株）、日野自動車（株）及び三菱ふそうトラック・バス（株））と共同で小型ダンプトラックについて型式指定を受け、自動車メーカーが製作した車台に、ダンプ機構を持つ荷台を架装している。

新明和工業（株）からの報告概要

（１）完成検査の一部未実施について

	完成検査担当者から事情を聴くとともに、過去の完成検査成績表の制動能力値を分析したところ、平成16年7月から平成19年1月までの３１ヶ月間、小型ダンプトラック４４型式２４,１１６台（別紙１）について完成検査のうち制動能力検査及び速度計検査を以下のとおり実施せず、完成検査終了証を発行していたことが判明した。　ブレーキテスタによる制動能力検査を省略し、過去に他の車両について測定した実測値を基にした数値を成績表に記入していた。　スピードメーターテスタによる速度計検査については検査を行わないまま成績表に合格のチェックを入れていた。
	平成19年2月から同年12月までの期間については適切な完成検査を実施していたか確認がとれていない。
	平成16年6月以前については適切な完成検査を実施していたか確認がとれていない。
	平成20年1月以降については適切な完成検査を実施。

（２）自主点検の実施について

　検査未実施車両の市場における安全性

　型式指定において制動能力及び速度計の保安基準適合性が確認された上で、製作段階において自動車メーカーが車台の状態で制動能力及び速度計検査を行い所定の性能を発揮することを確認している。
　平成16年7月以降、自動車メーカー及び架装メーカーには完成検査が行われていなかったことに起因する事故・不具合の報告はなかった。

　検査未実施車両の自主点検

　自主点検の対象は、平成16年7月から平成19年12月までに製作された小型ダンプトラックのうち、新規検査又は継続検査において制動能力及び速度計の検査を受けていないもの（別紙２）。
　以下の検査を実施する。
- 　ブレーキテスタによる制動能力の検査
- 　スピードメーターテスタによる速度計の検査
　自主点検は同社湘南工場、同社サービス工場又は自動車メーカー系列のサービス工場において実施する。
　自主点検の実施等の案内については、当該ダンプトラックのユーザーに対してダイレクトメールを送付する他、同社ホームページにおける対象車両等の掲載、自主点検窓口の設置を行う。

国土交通省の対応
　国土交通省では、ユーザーの安全を最優先として措置する必要性があることから、新明和工業（株）に対して、次の指示等を行いました。
1. 　速やかに自主点検を実施するとともに、その実施状況について定期的に国土交通省へ報告すること
2. 　事故等があれば速やかに報告すること
3. 　完成検査の確実な実施を確保するよう業務体制を改善すること
　なお、現在製作されている車両（平成20年1月以降）については、完成検査が適切に行われていることを確認していることから自主点検の必要性はないと考えておりますが、平成16年6月以前に製作された車両については、引き続き同社に調査を求め、その結果により判断します。
　さらに、同様の製造形態を取っている事業者に対し、完成検査業務が適切に行われていることを確認します。

別紙１　検査省略期間の完成車両リスト
別紙２　自主点検車両リスト

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