国土交通省
第4回事故調査検討会WG検討結果の概要について
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平成12年3月31日


 今回のWGは、3月16日の第2回調査検討会・WG合同会議を受け、前回(第3回:3月24日)のWGに引き続き、作業状況等についての報告及び討議を行った。
 報告内容についての検討が行われたが、第2回事故調査検討会・WG合同会議において脱線に影響を及ぼしたと当面推定された10の主な因子について、その絞り込みのため更にシミュレーションの深度化等の検討を進めることとした。
 また、今後の作業の進め方については、引き続き検討を行うこととした。
 作業の主な進捗状況等は、以下のとおりである。

1.シミュレーション
 車両運動シミュレーションのモデルについて以下の検討を行った。
近年、鉄道車両の運動を対象とした解析ソフトが多数開発されているが、
 ・ 車両脱線を対象として解析のポイントを押さえていること
 ・ 過去の実車データとの突き合わせ等により、一定の評価が得られていること等から下記モデルが適当とされた。
 ・ 東京大学生産技術研究所 車両運動シミュレーションモデル
 ・ 鉄道総研 車両運動シミュレーションモデル
 また、車両運動シミュレーションモデルの検討と並行して、軌道・車両の諸定数に対する輪重・横圧比への影響を調べるモデルを使用して感度分析を行っているが、静止輪重比、レールと車輪間の摩擦係数について比較的感度が大きいことがわかった。なお、この検討は諸定数が、ある一定条件の下で、輪重・横圧比にどの程度の影響を及ぼすかを示したもので、今後の車両運動シミュレーション等の諸定数の設定の際の参考として使用されるものである。

2.レール関係調査
  事故現場付近に敷設されているレールについて、その断面、摩擦係数、塗油状況、油の成分分析のための測定等を行った。また、事故現場付近に敷設されたレールのうち、押収されたレールについても同様の計測を行った。
 これらの計測結果の解析はすべて終えているわけではないが、レール断面、摩擦係数の解析結果によれば、この事故現場付近のレールに特異な状態があったとは考えにくい。これらの状況が車輪とレールの接触メカニズムの中でどのような相互作用を及ぼしたかについては、今後さらに検討を進める必要がある。

3.輪重測定
  輪重を測定し、その結果をシミュレーション等に使用するため、03系全ての車両の輪重を測定することとした。これを効率的に実施するため、当面、営団千住車両事務所において留置線の一部のレールにひずみゲージを貼り、4輪を同時に測定することとし、本日31日より測定を開始、本日中に7編成の測定を終了、4月上旬までにほぼ全編成の測定を終える予定。測定データについては、今後整理し、WGに報告される。

4.事故台車の諸元・機能の確認
  3月30日までに、事故を起こした台車と車体が分離され、さらに台車についても部品単位に分解され、今後は各部品について、詳細な調査が行われる予定。なお、3月30日までの調査では、台車に関し特に大きな異常は認められていない。

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