国土交通No.115

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File 16海難審判所審判官小寺俊秋神戸商船大学卒業後、航海訓練所の航海士、船長(教官)として勤務。平成12年に旧海難審判庁入庁。審判官、理事官を歴任し、23年より現職。審判官が作成する裁決原本。かつては和紙を使っていた。現在も長期保存に耐えるよう、紙のこよりで綴じている。平成23年海難種類別裁決件数(単位:件)機関損傷4遭難3沈没4火災3施設損傷など10運航阻害2転覆11爆発2霞が関の国土交通省内に設けられている海難審判所の審判廷。奥に審判官が3人、手前に受審人と指定海難関係人が座る。死傷など35衝突(単)60合計497件衝突268乗揚95受審人席には海図や定規、模型船などを置き、海難発生時の状況を具体的に検証していく。海難審判所では3人の審判官の合議制(地方海難審判所では通常1人)。審判後に裁決の方向性について意見交換を行う。2012.6-715常に海難のトップを占めるのが衝突。岸壁や桟橋、岩場、漂流物などにぶつかる単独事故も多い。乗揚事故とともに、見張りの不十分や居眠りが主要な原因だ。またプレジャーボートなどでは不慣れな操船が事故を招くこともある。海難審判を担当する審判官、理事官、書記課メンバー。中央は藤江哲三所長。船長に針路や速力などをアドバイスする。門的な知識を持つ船舶操船の専門家として、水先人※複雑な水域事情などについて、専…に寄与することである。は人命・財産の安全確保や環境保全で同様の海難の再発を防止し、ひいてと。また、的確に過失を認定することけた受審人に過失を自覚させるこ海難審判の目的は、行政処分を受の業務を行っている。意識して同じ目的に向かい、それぞれできなかったのか追及することを常にたのか、事故が起きることを「回避」故が起きることを「予見」できなかっないこともある。また、当事者が船舶対立する関係ではない。両者とも事起こった場所や状況などを特定でき官。立場の違う両者であるが、利害の船の事故では、当事者ですら事故の立件する理事官と裁決を行う審判数回にわたり開廷することもある。十分な重さでしょう」(小寺)審判は1回で終えることもあるが、たとえ1カ月の業務停止であっても調べを進め、結審後に裁決を言い渡す。「船の仕事をする受審人にとっては、こともある。審判官は納得のいくまでを理事官が執行する。い、必要に応じて鑑定人や証人を呼ぶ出させるなど、裁決で言い渡した懲戒口頭弁論で証拠調べや意見陳述を行を受審人に送付し、免許証、免状を提(刑事裁判での弁護人に相当)が出廷。取消し、懲戒なしのいずれか。裁決書海難関係人、それを補佐する補佐人裁決は、戒告、業務の停止、免許のいのもと、審判を受ける受審人と指定ることができるのです」(小寺)判官、書記が列席し、理事官の立ち会うすることもできたのでは?』と考え審判は公開の審判廷で開かれる。審相手(事故の当事者)の話に対し、『こ手段で証拠を調べ、確認していく。ていた経験が生きてい者への尋問や鑑定を行うなどあらゆる証拠に加えて、やはりると23年思間い船まにす乗。っに制約されるが、審判が始まれば関係「真実を探り出すためには、客観的な判期日前にできることは現場調査などの知識に通じているとも限らない。