国土交通No.119

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国土交通No.119

第5回:「地図づくりで国際協力」の巻大地を見つめる国土地理院マップ博士皆さんは携帯電話や雑誌などで手軽に地図を見ることができる。地図を片手に山歩きをしたり、ドライブをする時に目的地までの距離や道順・位置関係などを調べることも当たり前にできることじゃ。しかし、開発途上国では、地図が整備されていなかったり、あっても古く正確な地図でないことも多いんじゃ。その上、軍事上秘密扱いされ、国民生活や都市計画などで自由に地図を利用することができないため、自由に使える地図(地理空間情報)の整備とそれを作る各国の国家地図作成機関(NGIA:地理空間情報当局)の技術者養成や体制の強化が必要なんじゃ。国土地理院では、1963年から現在まで毎年、測量と地図作成技術の習得と組織体制作りのため、独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じて主に東南アジア諸国やアフリカなどのNGIAから研修員を受け入れています。研修員は、自国の測量・地図行政を改善させるため、地図と測量に関する専門性の高い講義、測量機器やコンピュータを用いた実習などにより専門知識と最新測量技術の習得やスキルアップを図っています。また、JICAを通じて国土地理院職員を測量・地図分野の専門家として開発途上国に派遣し、行政的な視点から技術移転や技術協力プロジェクトの支援をしています。近年、気候変動、自然災害など地球上ではさまざまな環境問題が顕在化し、ニュースにも取り上げられています。国土地理院はそれらの環境問題を解明するため、1992年に「地球地図プロジェクト」を世界に向けて提唱しました。地球規模で地理情報システム(GIS)や衛星画像を利用した高度な地理空間情報である「地球地図」の整備を進める運営委員会が発足し、その事務局を担当しています。1998年には国際連合から各国NGIAへの参加呼びかけも行われ、現在166カ国、16地域の機関と協力して地球地図の整備を行っています。JICA集団研修の風景。地球地図ってすごい地図だね!常緑広葉樹林落葉広葉樹林常緑針葉樹林混合樹林疎林かん木草地凡例まばらな木またはかん木を含む草地まばらな植生(草、かん木、木)畑水田農地と他の植生の混合マングローブ湿地裸地(砂)市街地雪氷水部落葉針葉樹林裸地(礫、岩)国土地理院の専門家による現場指導(バングラデシュ人民共和国)。ケンタくん全地球の土地被覆(森林・草地・湿地・畑・市街地・水面など)、海岸線、河川、湖沼、標高、交通網、行政界(国境・行政区画)、人口集中域、土地利用、樹木被覆率などを網羅して掲載。出典:国土交通省国土地理院、千葉大学、協働機関21